科目一覧
日本大学大学院
総合社会情報研究科
国際情報専攻/文化情報専攻/人間科学専攻/総合社会情報専攻
授業科目一覧 博士前期課程(修士課程)
院生の多様な研究テーマに対応し、それぞれのニーズに応えるために、多くの専門科目を履修できるようにカリキュラムを編成。ここではその一部の科目を紹介する。研究指導にあたっては、専門領域の異なる複数の教員に論文作成のための指導を受けられるような体制を整えている。また、全専攻において共通科目として、「調査分析特講」「統計基礎 I・II」「ゲーム理論」を設け、情報処理能力を高める指導を行っている。
■ 国際情報専攻 ■
国際情報論特講
修士論文を作成するために必要な研究リテラシーと国際情報分野の研究基盤となる知識・教養の涵養を目的とする。
- 国際(関係)・政治コース-
国際メディア論特講
時代の変化とメディア、特に新聞や雑誌の論調の変化を探る。時代の流れや経営上の要請により、メディア・情報・論調が変容する様相を把握し、メディアの発達・変化がいかに時代を動かしたか、動かすかを理解する。かつ、学問、知識人、世論、政治とメディアのあり方と関係性を問い直しつつ、日本の報道・評論と諸外国のそれらとの相違の原因を追及し、メディア・リテラシーの向上をはかる。
現代政治学特講
冷戦終結後、市場主義経済は世界的な規模で定着し、21世紀は改めて資本主義の時代ともいえる。その一方、民主主義もまた21世紀世界の人間の行動基準として認識されており、経済的競争の激化のなかで調整・妥協機能としての政治が求められる役割も大きい。そこで同講座では、新たな状況のなかで民主主義を捉えるべく、国という従前の枠組みを超えて地球市民概念に基づく民主主義の在り方を検討する。
行政論特講
政治と行政との関係については、政治と行政とは異なる領域にあるのか、あるいは政治と行政とは連続するものなのか、さらに政治と行政とは関連するものなのか論議が絶えない。現代国家では官僚による政策形成への参加が余儀なくされてきており、官僚を内包する行政部を外在的もしくは内在的に統制することが重要となっているともいえる。政治と行政それぞれの基本的概念を明確にしながら、両者の関係を考察してみたい。
- 経営・経済コース-
グローバル経営戦略論特講
企業がグローバル化していく中で、経営戦略の重要性は以前にも増して高まっている。経営戦略の基礎からの知識を修得しながら、日本企業の優秀企業の条件を探り、コーポレート・ガバナンスの重要性についての理解を深めたい。
ファミリービジネス論特講
ファミリー企業研究は、これまであまり経営学の分野で採り上げられたことはなく、理論的な分析も少ない状況である。ファミリー企業(含む、米国等海外ファミリー企業)の現状と課題につき、具体的な企業ケース・スタディも交えて、考察してゆくものである。同時に、円滑な事業承継について、十分な理解を得られるようにしたい。
マーケティング論特講
マーケティングは、企業と市場(顧客)を結ぶ唯一の機能であり、「顧客志向によるマーケティングを意思決定の基盤として、事業の存続と成長を図ろうとする経営理念」がますます必要になっている。経営目的に応じて経営資源と市場を繋ぐ戦略を中心に、持続可能な企業がなぜマーケティングを必要としているかを論じたい。
■ 文化情報専攻 ■
文化情報論特講
文化情報を対象とする理論と研究方法について比較文学の領域において講じる。20世紀後半以降の文化潮流と文化概念を確認しつつ、新たな世界文学および文化翻訳の考え方に軸足を移し、これからのグローバル・コミュニティの構築に有用な文化・文学研究、言語教育研究について考察を深める。
- 文化研究コース-
メディア文化論特講
映画の読解の方法について学ぶことを目的とする。映画にはさまざまな見方があり、それは国や時代によって変化することを学ぶほか、映画の作られた時代背景を探りながら、1本の作品から多様な意味を読み取ることができるようにしていく。
翻訳論特講
translationは、社会・文化・コミュニケーションの根底にあってそれらを司る原理や概念を含意することが多い。同講義では、「翻訳」の理論、歴史、実践について、translationの視点も加味しつつ、主に近代日本の翻訳文学作品を題材として、考察していくこととしたい。
- 言語教育研究コース-
第二言語習得論特講
学際的で多岐にわたる第二言語習得論の全体像を概観し、外国語教育・学習に関する経験主義的な通説の妥当性・信頼性を検討し、科学的なアプローチに基づく第二言語習得論が外国語教育・学習研究に果たす役割を考察する。また、履修者独自の興味・関心に関連した文献研究を通して、個別の専門領域の知識を深めていく。さらに、実際に調査・実験することを念頭においた研究計画書の作成も試みる。
言語教育デザイン論特講
この講義ではインストラクショナルデザイン(ID)に基づき、授業デザイン(総合学習、技能別、活動型学習、協働学習などを含む)やカリキュラム・デザイン、ICTを使った学習環境デザインなどができるようになることを目的とする。前期は学習の種類、eラーニングからブレンディッドラーニングへの流れを学習する。後期はデジタル教材の教材学について学び、開発に必要な要素について理解を深める。
日本語教育方法論特講
同講義は、多言語化する現代日本に生きる人々をとりまく状況から、日本語教育を積極的に身近なものとして捉えていく。前期には、応用言語学、心理学、教育学、異文化コミュニケーション論などの関連領域から得られた知見を通して、日本語教育の持つ意味や日本語教師という仕事の意義を再確認する。また、後期には多様化した日本語教育の実態とそれに伴う課題を問い直し、日本語教育を新たな文脈で捉えなおすことを目的とする。
■ 人間科学専攻 ■
人間科学特講
これから人間科学を学び、修士論文を作成するまでに必要なリテラシーを理解してもらうことを目的とする。研究を行う上ですべてのコースに欠かせない研究倫理、文献検索の方法について理解し、各コースの研究領域で研究実施の際に知っていなければならないことがらについて、特別研究指導を担当する教員が説明する。人間科学専攻で研究する上で「常識」とされる基礎知識は、同講義で了解することができる。
- 哲学コース-
社会哲学特講
社会哲学とはどのような学問であるのかを、哲学のなかでの位置と、社会思想史・社会学理論との共通性と差異に即して暫定的に定義し、古代・中世・近世・近代(17~19世紀)のヨーロッパの社会哲学、近代日本の社会哲学および20世紀の社会哲学の諸学説を概観し、道徳と法、自由と人格、人倫と規範、その他の主要概念を分析しながら、歴史と論理の両面から社会哲学の問題群を考察し、21世紀への展望を試みる。
宗教哲学特講
宗教を哲学的に考えるこの科目は、宗教が非理性的な面を持つゆえに困難を伴うが、何らかの方法論により、あるべき宗教の在り方やその本質を追究するという点で重要だ。同時に宗教を科学的にアプローチする宗教学とは異なり、宗教哲学は泰斗・波多野精一博士が語るように、宗教体験をそのベースとし、そこから宗教の本質に迫るものである。そこで最近注目の宗教体験としてspiritualityを考えることは、その本質解明に必要であろう。
科学哲学特講
前半では、科学で用いられている推論や説明について哲学的な考察を行う。さらに、哲学の領域において古くからある実在論と反実在論の論争が科学の分野でどのように展開されているかを明らかにしていく。後半では、科学革命論を中心に、科学の変化について探っていく。また科学の諸分野における哲学的な問題を、さらに科学領域外からの科学批判を取り上げ、今後の科学のあり方、哲学との関わりなどについて考察していく。
- 心理学コース-
社会心理学特講
同講義では、社会心理学の基本的枠組み、理論および方法の習得をまず目指す。そして、社会的存在としての人間の態度や感情、行動などの規定要因について、社会心理学研究の最新動向を中心にして考察することを目的とする。講義では、研究例の原典(邦文や英文専門書など)も参照しながら考察していく。
産業・組織心理学特講
産業・組織心理学は、心理学の代表的な応用領域であり、主として職場や組織の心理学的な問題を扱う。主要な研究課題として、仕事への動機づけ、リーダーシップ、職場のストレス、経営における意思決定、人事アセスメントおよび評価、職場や対外的に必要となるコミュニケーション方略、購買行動、広告効果等がある。
行動分析学特講
行動分析学は、学習心理学から出発して教育心理学・臨床心理学などさまざまな領域に発展した、心理学の一つの分野である。前期には行動分析学の人間の行動変容に関する応用について、後期では人間と動物とで共通する行動分析学の基本原理について学習する。行動分析学は、イヌのトレーニングから人間の生活習慣病の予防や学級経営まで、人間も動物も幸せに導く有用な学問であることが理解されるだろう。
- 教育学コース-
生涯学習論特講
「生涯学習」を、「生涯」というライフサイクルの視点から学校教育の位置付けを再考することも可能になる広い意味での学習観としてとらえていく。北欧など福祉国家では、各種の学校教育機関に成人の学びの機会や機関までを含めて“学習する権利”としてとらえている。創造的思考の習得、自分の生き方を自らつくりあげていく手段・機会として「学習」をとらえなおす。学習という関係性から考えていく。
学校教育学特講
初等教育から高等教育までの全ての学校教育を対象とし、その制度、方法、内容、評価など幅広く考察する。合わせて、現代の学校教育システムを支える社会的・思想的構造なども解明したい。日本の教育改革の問題を中高一貫校、学校選択制度などの教育制度改革の動向、ならびに新自由主義や新保守主義などの思想的な文脈を理解したい。
教育臨床学特講
子どもや若者をとりまく様々な心理的、行動的な問題について、認知行動療法という行動心理学を体験的に学ぶことでその問題を分析し、教育に生かす力を身につけることを目標としている。前半では認知療法・認知行動療法のワークを実践し、後半では行動理論と治療例を学び、教育臨床的アプローチの可能性とその課題について考察していく。
- 医療・安全学コース-
健康科学特講
健康科学について、氾濫する情報に惑わされず、科学的に検証されたデータを基に、現状で最も新しく、かつ信頼性の高い知見を得るための方法論を身に付ける。健康の維持・向上に関して、ヒトとしての個人の側面と社会的なアプローチの両面から、物理的側面と、メンタルヘルスや勤務・生活条件に関する側面から、その原因と対応策について考察する。
環境生理学特講
運動が生体に及ぼす影響について、プラス面とマイナス面を含め、身近で具体的な課題を通して、基礎的な人体生理・生化学的な側面から、精神心理や社会生活の観点も含めて考察する。応用問題として「宇宙環境」を取り上げ、このような特殊な環境が人体にどのような影響を及ぼすか、さらには宇宙を含めた特殊な条件下での作業に従事するためには、どのような身体的要件が求められるのかを考察する。
安全学特講
安全学とは、様々な分野で取り組みがなされてきた安全に関する技術や考え方に共通する、安全の「理念的側面」、「技術的側面」、「人間的側面」、「組織的側面」などの安全関連分野を総合的に考察しようとする取り組みのこと。同講座では、失敗、危機、事故などの直接的に安全を脅かす原因や結果を考慮しつつ、安全工学を元に、人間因子、社会因子や環境因子な様々な影響を考えた『安全対策・技術・文化』を考察する。
- スポーツ科学コース-
スポーツ運動学特講
スポーツ運動学における運動モルフォロギーを中心とした主要な研究課題が、どのような課題であるかを整理し、これまでの知見を基に、自身の対象とするスポーツでの課題についてその課題を発見し、解決するためのスポーツ運動学的観点からの方法論を身に付ける。
スポーツ心理学特講
私たちのライフスタイルの様々な形態の中に存在している運動やスポーツが心理学ではどのように扱われているか基礎的知識をまとめ理解し、スポーツ心理学的諸課題について具体的な解決方法を考察する。
問合せ先 | 03-5275-8933(日本大学通信教育部 入学課)ホームページはこちら |
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