先輩たちがあなたの素朴な疑問に答えます「社会人学生のホンネ」CAFE

今月のテーマ「仕事との両立」

学ぶことで人生変わる?お金はどのくらいかかる?仕事との両立って実際どうなの?どんな人と知り合える?などなど、大学院に通おうと思っている社会人の皆さんはいろんな疑問や不安を抱えているはず。そんなときは、経験者に聞くのがイチバン!そこで社会人学生の先輩たちに素朴な質問を投げかけてみた。先輩たちの生の声を是非参考にしてみよう。

回答してくれる先輩たち

グロービス経営大学院 GMBA2007期生 小葉松知行さん(29歳)人間総合科学大学大学院人間総合科学研究科 心身健康科学専攻(通信制) 浅野貴之さん(39歳)


Q1.週あたりの通学ペースは?

小葉松さん:
グロービス経営大学院は5年間まで在籍できるので、私は1期(3ヵ月)に2科目のペースで受講し、足掛け3年半で修了するプランを立てています。入学前に9ヵ月間単科生受講をしていたので、その期間に「このくらいのペースなら仕事と両立できそうだ」と手ごたえをつかみました。今期は例外的に3科目とっているので少し大変ですね。クラスは2週間に1回、すべて平日夜間、または土日です。授業のない土日はクラス以外に自主的な科目ごとの勉強会(クラスのメンバー数人が自主的に集まり次回の授業の課題について議論する会)なども入れていますね。勉強会は自分で率先して開催することでノルマ化し、計画的な予習を心掛けています。
浅野さん :
私が学ぶ人間科学総合大学大学院は通信制の大学院なので、5月、8月、12月に行われるスクーリングと、実験研究でキャンパスに行くのを除けば自宅での勉強が基本です。科目ごとにテキストや参考文献を読んだり、課題のレポートを作成したりするのに、毎日1〜2時間程度の時間をかけています。スクーリングは土日に、実験研究は金土日まとめて履修できるので、通学の負担は少ないですね。

Q2.自宅学習の時間はどうやって作っている?

小葉松さん:
終業後に予習や勉強会の予定を入れておくことで、それに合わせて仕事を終えるよう工夫するようになりましたね。ですから、平日は週に2〜3日、19時から23時くらいまでの時間を予習や勉強会に充てることができています。また、通勤中や外出中の空いた時間にケースを読むなどの工夫をしています。それから復習は土日、クラス終了後の一両日中に行うことにより、記憶が新しい内に定着化を図ります。基本的に無理はしないよう予定を組んでいますが、レポート作成の際などは、徹夜になることもあります。
浅野さん :
平日の場合、毎日、帰宅後に1〜2時間程度確保するようにしています。仕事が終わる時間は日によってまちまちで、早く帰れる日はいいのですが、遅いと帰宅が23時頃。それから、食事をしたりお風呂に入ったりしていると勉強に取り掛かるのが24時過ぎになることもあります。休日は、昼間は子どもと過ごすことにしているので、平日と同じように1〜2時間程度ですね。

Q3.仕事と大学院を両立させるためにどんな工夫をしている?

小葉松さん:
仕事、大学院の勉強、プライベートを含めたスケジュール管理ですね。1クラスあたり5〜10時間の予習が必要ですから、1時間単位で2週間分のスケジュールを決め、しっかり実行するようにしています。早めに予定を入れておけば忙しい中でも、友人と会う時間も確保できますし。それから職場の理解も重要です。これを得られるかどうかは、職場の状況・上司の理解・自分の動機付けによりますので、人によって状況は異なると思います。私の場合は、職場では、例えば提案書の作成や部下指導などの場面で、大学院で学んだ成果をアピールするように心掛けています。学びを仕事の成果に変えることで、自分の能力向上にもなりますし、周囲の理解を得る下地作りにもなると思います。
浅野さん :
平日の夜に頑張りすぎると翌日の仕事に影響するので、無理をしすぎないように、自分のペースで学ぶことを心がけていますね。また、基本的に大学院の勉強を「楽しんでやる」ことが大事だと思います。知らなかったことを知るのは本来楽しいことですから。そういうモチベーションを維持することが重要だと思います。ただ、レポートの提出期限直前は楽しむ気持ちより焦りが勝ることもありますが(笑)

Q4.通信制で学んでよかったと思う?

浅野さん :
私の場合、仕事が終わる時間も毎日一定ではないですし、実際に二束のわらじを履いてみて、そもそも通信制でなければ仕事との両立は難しかっただろうなと実感しています。

Q5.働きながら学ぶことのメリットは?

小葉松さん:
3つあります。 1つめは「学んだことがすぐに仕事で活かせること」。グロービス経営大学院では、実際のビジネスで直面する課題を解決するためのスキルを学ぶことができますから、週末に学んだことを月曜日には仕事で活かすことができます。その際に重要なのは学びからのエッセンスの抽出と、実務への応用力です。2つめは「人脈」。普段の仕事では会えない人たちとの利害関係のない人脈ができ、働きながら学ぶビジネスパーソン同士、お互いが知らない業界事情などに関して有益な情報交換ができています。3つめは「志の醸成」。大学院での学びや交流を通して、自分の価値軸が変化し、会社軸100%から「会社軸50%:自分軸50%」くらいにシフトでき、バランスが取れるようになりました。また、自分のキャリアや志を考えるうえでの「視座」が変わりました。その結果、自らの人生における会社の位置づけが明確になり、希望するプロジェクトへの異動を果たし、キャリアチェンジを実現することができました、これはグロービスに出逢ったおかげだと心から感謝しています。
浅野さん :
鍼灸師として患者様と接し、鍼灸師養成学校の教員として学生と接するなかで、人の「心と身体」のつながりについて気づかされることが多々あり、それが大学院で学ぶモチベーションになっています。一方で、大学院で学んだことが、患者様や学生に対する精神的なケアに活きています。仕事と学びを両立させることで、両者が有機的に結びついていることは強く感じますね。

先輩プロフィール

小葉松知行さん(29歳)
グロービス経営大学院
GMBA2007期生
小葉松知行さん(29歳)

プロフィール

小樽商科大学商学部商学科卒業後、2000年に富士通入社。7年の移動通信営業を経て、08年1月に希望して事業再編プロジェクトへ。06年7月からグロービス経営大学院で単科受講をスタート。07年4月に同大学院に正式入学。

大学院に進学した理由

大学在学中から、経営学という普遍性のある分野でスキルアップしていきたいと考えており、MBAには関心を持っていたから。

進学してよかったこと・苦労したこと

よかったのは、ビジネススキルの向上と、自分の志について考えが深まったことにより、社内でのキャリアチェンジにつながったこと。苦労したのは時間と学費の捻出、自分の内面の追究。

浅野貴之さん(39歳)
人間総合科学大学大学院
人間総合科学研究科
心身健康科学専攻(通信制)
浅野貴之さん(39歳)

プロフィール

高校卒業後、会社員を経て鍼灸の専門学校に進学。鍼灸師の資格を取得。98年から早稲田医療専門学校東洋医療鍼灸学科の教員に。現在は学科長補佐。00年に通信制の人間総合科学大学に、07年に同大学大学院に進学。

大学院に進学した理由

鍼灸師、教員として働くなかで、また人間科学総合大学での学びを通して、「心と身体」のつながりに関心を高めたことが進学理由。

進学してよかったこと・苦労したこと

よかったのは教授陣のわかりやすい指導で苦手だった心理学に興味を持てるようになったこと。苦労しているのは勉強時間の確保。