「通信制大学」
という方法

通信制大学の最大の魅力の一つが、とにかく学費が安いこと。私立文系で４年間学ぶ場合、学費だけでもおよそ400万円が必要になりますが、通信制の場合100万円前後の負担で済みます（後で述べるように大学によって異なります）。また、首都圏の大学に進学して一人暮らしをするなら住居費だけでも４年間で300万円近くかかる（月６万円とした場合）ので、学費と合計するとその差はさらに広がります。

借り入れなければならない奨学金の総額が小さくなることはもちろんですが、生活費のためのアルバイトに費やす時間が少なくて済むことも見逃せません。自分の時間を自分が一番やりたい活動に心置きなく使うことができる…それは、将来のために大きなアドバンテージとなるでしょう。

通信制大学は学校教育法で定められた正規の大学。取得できる学位は通学の大学と全く変わりません。そして通学の大学と同様に、さまざまな資格を取得することが可能。じっさい、国家資格をはじめさまざまな資格の取得を目的に通信制大学に入学する社会人もとても多く、教員免許や保育士のように学校などでの実習が必要な資格の場合も学校がガイドしてくれるので安心。どんな資格がめざせるか表にまとめたのでチェックしてみてください。

進学したい！と決めたときが学び時の通信制大学。春でも秋でも入学できるので来年を待たなければならないということはありません。そして意外に知られていないのが、ほとんどの通信制大学では学力テストのような入学試験がないということ。入学動機を記した入学志願書や志望理由書による書類審査だけでＯＫ。「なぜ自分はこの大学で学びたいのか」その気持ちが何よりも大切なのです。

入学後は、高校の場合と違い、一つ一つ授業を履修し「単位」を取得していくことになります。卒業に必要な単位数になるまでそれを積み重ねていくのです。入学試験がないぶん、まじめに学習しているかはしっかり審査されるため、そこは大変なところ。自分の生活とモチベーションをコントロールしていく必要があります。大学によっては、着実に学習が進められるようサポート態勢を整えているところもあるので、調べておきましょう。最大８年まで在籍できる制度もあるため、先輩の中には、仕事や家族の状況に合わせて長期計画を立てている人も。

また、双方向型で行われる一部の科目については、実際に大学などに赴き受講する必要があります（「スクーリング」といいます）。夏季などに集中的に実施されるため、友人を作ったり、やる気を高める機会に利用している方も多いようです。いっぽう、学習システムを工夫し、完全にオンラインで卒業できる大学もあります。

同じ通信制大学といっても違いも大きく、自分の性格や生活の状況にあった大学を選ぶことで学位取得まで頑張れる確率は大きく変わってきます。まずは複数の通信制大学の資料を取り寄せて、どれが自分に合っているか比べてみるのがおススメです。