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法科大学院ガイド法科大学院の基本情報/最新事情/めざせる資格/就職

弁護士などの法曹をめざすための主要ステップである法科大学院では、どのような教育が行われているのか、また修了後どのような流れで目標とする法曹になることができるのかなどを解説。そのほか、法科大学院進学を考えているなら知っておきたい最新事情も解説します。

法科大学院とは

裁判官・検察官・弁護士(=法曹三者)を養成するための専門職大学院。法曹になるためには司法試験合格が必須であり、法科大学院を修了することで、司法試験の受験資格が得られることが大きな特色。司法試験を受験するには、ほかに予備試験を受験する方法もありますが、予備試験合格自体が狭き門であることもあり、法科大学院進学は、法曹になるためのメジャーなステップと位置づけられます。

修業年限はコースによって異なります。法科大学院には、法学部などで法律を学んできた人を対象とする2年制の既修者コースと、法学を学んでいない人を対象とした3年制の未修者コースが設けられており、それぞれ入試の内容にも違いがあります。

教育方法に関しては、ソクラテスメソッドと呼ばれる対話型の授業方法を導入している点がポイント。そのほか、在学中に外部の弁護士事務所などで実務経験を積むインターンシップやエクスターンシップなども採り入れており、法曹として活躍するために必要な思考力や実践力を養うことに重点を置いています。

また、実務能力を養うため、研究者教員だけでなく、現役の弁護士や元裁判官などの実務家教員を数多く揃えていることも特色の一つです。

法科大学院最新事情

ここ数年、各法科大学院で、進学へのハードルを下げる取り組みが活発に行われています。その一つが奨学金制度の拡充。入学者の大半が対象となる授業料全額・半額免除など大胆な制度を導入する動きが広がっています。また、入学検定料を大幅に値下げする法科大学院も登場しています。

そのほかでは、社会人が通いやすいように新たに夜間開講や週末開講をスタートしたり、長期履修制度を導入したりする法科大学院も。さらに、修了後、しっかり準備期間をとって司法試験にチャレンジできるよう、9月入学や、入学前に科目等履修で学び始められる早期履修などの制度を導入する例も目立ってきました。

積極的に独自の取り組みを進める法科大学院も増えてきているので、志望校の最新情報はWebサイトなどでチェックしておきましょう。

また、法科大学院修了後の司法試験受験に関しては、修了後5年間で3回という制限が設けられていましたが、2015年の司法試験から5年間で5回と緩和されました。これまでは、3回の権利を無駄にしないため、合格レベルの実力が十分に身についていない修了生は、修了初年度の司法試験をあえて受験しないといった動きもありましたが、今では、気にせず受験することができるようになっています。

また、2019年度からはこれまで受験が必須であった法科大学院統一適性試験が休止となっています。

めざせる資格は?

法科大学院修了によって、司法試験の受験資格が得られます。

司法試験は例年5月に実施され、短答式試験と論文式試験が課されます。短答式試験の試験範囲は、憲法、刑法、民法の3科目。論文式試験の試験範囲は、公法系科目(憲法および行政法に関する分野の科目)、民事系科目(民法、商法および民事訴訟法に関する分野の科目)、刑事系科目(刑法および刑事訴訟法に関する分野の科目)、選択科目(知的財産法、労働法、租税法、倒産法、経済法、国際関係法〈公法系〉、国際関係法〈私法系〉、環境法のうち1科目)4科目です。

試験は4日間にわたって行われ、全員が論文式試験と短答式試験を受験します。ただし、短答式試験で合格ラインに達しないと、論文式試験は採点されません。また、短答式試験、論文式試験で最低ラインに到達していない科目が1科目でもあると不合格とされるので、苦手科目を作らないことが大切です。

前述のように、法科大学院修了生は、修了後5年間に5回まで受験が可能(予備試験合格者も同様)。司法試験合格率はここ数年20%台前半で推移しています。

法科大学院から法曹になるには?

法科大学院を修了すると、司法試験の受験資格が得られ、修了した年の5月の試験を受験可能です。不合格だった場合は、修了後5年5回までチャレンジできます。

なお、法科大学院の授業は司法試験対策に特化しているわけではないので、司法試験合格のためには、学生同士で作る自主ゼミを中心とした試験対策が不可欠です。

司法試験合格後は、1年間、司法修習生として学びます。この間に、裁判官・検察官・弁護士の現場を経験しながら、どの道を選ぶのかを決めていきます。

司法修習生は公務員ではありませんが、国家公務員に準ずる地位として扱われます。司法修習生への給与は一時期廃止されていましたが、月額13万5000円を給付する制度が2017年の司法修習生から復活することになりました。

10カ月の実務修習と司法研修所で2カ月の集合研修を経て、「二回試験」と呼ばれる試験に合格すると司法修習終了となります。この時点で、判事補任用資格、2級検事任用資格、弁護士登録資格が得られます。

検察官、裁判官をめざす場合は、司法修習終了前にそれぞれの採用試験に合格する必要があります。採用枠が限られているため、検察官、裁判官を志望している人がすべて採用されるわけではありません。

弁護士をめざす場合は、法律事務所などに就職活動を行います。法科大学院生、司法修習生時代に、法律事務所で活躍する弁護士としっかりパイプを作っておくことが、就職を成功させる大切なポイントです。また、先輩弁護士に仕事を教わることができないという意味では不利ですが、法律事務所に就職せず、いきなり独立して自分で弁護士事務所を開業する道もあります。

そのほか、最近では、弁護士資格を活かして一般企業に就職し、企業内弁護士として法務部などで活躍するケースも増えています。

法律知識ゼロから合格までのダンドリ