高校生のためのSNS活用ガイド

高校生のためのSNS活用ガイド
  • すぐわかる!SNSの基礎知識
  • 「mixi」を知る&使う!
  • 「Facebook」を知る&使う!
  • 「Twitter」を知る&使う!

志望校や大学生から情報が得たいなら… Facebookを使ってみよう

ハーバード大学の学生が在学中に立ち上げてわずか数年。今では全世界で8億人ものユーザーに使われているFacebook。
実名主義であることから日本では浸透しにくいと言われてきたが、その勢いは増してきている。
英語の勉強にも使えたり、海外の動きを知ることもできる多機能なFacebookの上手な使い方を見ていこう。

実名登録のFacebookを安心して使うために
Facebook図解

Facebookの達人!この人に聞きました

DJサッシャさん

DJサッシャさん
ドイツで生まれ10歳まで過ごし現在も定期的に往復中。日本とドイツの懸け橋となるべく活動中。サッカー、F1をはじめスポーツに詳しく、ツール・ド・フランスのファンでもあり、それがきっかけで実況を担当して9年。司会はドイツ大使館主催、企業プレゼンなどフォーマルなものからサマーソニックなど数万人規模の音楽フェスティバルまで大小硬軟問わず担当。家電製品やPCなど機械に強くモノ雑誌『Best Gear』ではご意見番としてレビューに登場中。Facebookは主にドイツなどにいる家族や友人との連絡ツールとして、日本版登場前から使っている。ラジオ番組でTwitterを早期から取り入れるなど、SNS全般に詳しい。
オフィシャル・ホームページは https://www.sascha348.com/
<Twitter> https://twitter.com/sascha348

Facebookの成り立ちを教えてください

ハーバード大学の学生が在学中に立ち上げたSNS

ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグさんが始めたSNSで、2004年に同大学の学生同士が交流を図るための「ザ・フェイスブック」というサービスを開始しました。日本と違ってアメリカには学生名簿がないこともあり、ほかの大学からのリクエストが相次ぎ、徐々に全米の学生に開放されました。当初は大学生のみに参加が限られていましたが、2006年には一般に開放され、世界中の誰もが利用できるようになったんですよ。今では全世界のユーザーは8億人を超えると言われています。この流れについては、映画『ソーシャル・ネットワーク』を見ると参考になるかもしれません。

DJサッシャさん
Facebookでは何ができますか? Facebookならではの特長は?

機能が充実しているうえに、新しいサービスがどんどん増え続けている

Facebookならではの特長はたくさんあるんですけど、イベント用のページを作って参加を呼び掛けることもできますし、写真や動画をシェアすることも簡単にできます。今ではポピュラーになりましたが、人のコメントや写真に「いいね!」ボタンを押す機能を始めたのもFacebookが最初だったんですよ。基本的には情報や自分の興味のあることなどのシェアが友達とできるというサービスです。例えばイベントの告知をしたいとき、Twitterだとタイムライン上で情報がすぐに流れて行ってしまうのでシェアは一時的なものになりますが、Facebookでは継続的にシェアすることができます。また、友達の誕生日のお知らせ機能もあるので便利ですね。

新しいサービスもどんどん増えています。スマートフォンで使えるFacebookのメッセンジャーアプリ日本語版が2011年10月にリリースされてからは、僕はメールの代わりになるくらい使ってますね。顔写真付きでメッセージが来るので、瞬時に誰から来たのかがわかるから便利です。そのほかタイムライン機能も加わって、自分の生まれた日から始めて大学を卒業した日とか、人生の流れが一目でわかるようになったんですよ。

Facebookで起きたムーブメントやおもしろいエピソードがあったら教えてください

「Facebook革命」と呼ばれるようなムーブメントが海外で起きている

2010年にチュニジアで起きた「ジャスミン革命」をきっかけに、2011年ではエジプト、リビア、イエメンなどで「アラブの春」という民主化運動が起こりました。この運動はFacebookで広がったことから「Facebook革命」とも言われているんですが、その地域に住む人々はもともとパソコンや固定電話を持っている人が少なくて、プリペイドの携帯電話を持っている人が多かったんです。2011年にFacebookが携帯に対応したころから、情報のやり取りができるようになったことで一気にユーザーが増えました。その結果、それまでは通信手段がないために伝えることができなかった「あの広場に何時に集合」というような情報が拡散しやすくなり、革命が起きたと言えると思います。

DJサッシャさん
高校生にお勧めの使い方を教えてください

早いうちから自分の記録を作っておいたり英語の勉強に役立てるのもお勧め

今のうちから記録を作っておくと、10年、20年後に自分の人生を簡単に振り返ることができますよ。僕らの世代だと、親がアルバムに写真を貼ってくれて保管していたけれど、今ならFacebookに蓄積すればオンラインでどこでもすぐ見られるというのが、すごくうらやましいし楽しいことですよね。その記録を振り返ることで、大学の面接の前の自己分析に役立てるのもいいかもしれません。

僕は10歳でドイツから日本に来たんですが、それ以前のドイツの友達とはほとんどつながっていないんですよ。だけど先日15年ぶりにFacebookで当時の同級生が僕を見つけてくれて、久しぶりに会えたんです。仲のいい友達だったんですが連絡先がわからなくなっていたので、とても嬉しかったですね。国内での転校が多い子もFacebookを通じてつながることができますよね。交換留学生や外国に住んでいる友人とのつながりを大切にするのにFacebookは最高のツールだと思います。海外で知り合った人に、電話番号ではなく「Facebookやってる?」とアカウントを聞かれることも増えました。電話番号やメールよりも気軽だし、そのうち日本でもそう聞かれるようになるかもしれませんね。

英語の勉強にFacebookを役立てたいとしたら、例えばジャスティン・ビーバーが好きなら彼のファンページに行って、ウォールに書かれている内容を読んだり書き込んでみるのもいいですよね。ゲームが好きなら、オンライン対戦ができるゲームのファンページに行って、海外に住んでいる人と英語で対戦してみるとか。そうやって間に一つ好きなことを挟めば、英語に触れやすいと思いますよ。それからプロフィールにはわかる範囲でいいので、日本語と英語の両方で書いておくのがお勧めです。そうすると興味をもってもらえる可能性も高くなりますしね。留学したいと考えている人や、海外についてもっと知りたい人に最適なSNSだと思います。

進路を探すのに役に立つ、簡単な情報収集のやり方を教えてください

志望校や興味のある企業などのファンページを探してみよう

将来的に働くことを考えたとき、自分が何を好きか、どんなことに向いているかということを知るために、いま話題になっているいろいろな企業のファンページを見てみるのもいいと思います。気に入ったファンページに「いいね!」をしておけば、企業説明会に限らずいろんなイベントなど、企業のホームページだけではわからない生の情報なども自分のウォールに流れて来るようになります。大学でもファンページを始めているところが増えてきているので、志望校を探してみるのもいいですね。またFacebookのプロフィールには学歴の項目があるので、志望校の在学生や卒業生を探してみて、連絡を取ることもできます。そもそもFacebookは大学生のために始まったSNSなので、大学生になる前に活用できるようになっておくといいですよね。

DJサッシャさん
Facebookを使うときの注意点はありますか?

現実社会と同じように考えよう相手の顔を思い浮かべながらやり取りを

現実社会と同じように考えればいいと思います。例えば知らない人からイベントに誘われてもすぐには行かないし、いきなり友達になるのではなく徐々に相手を知りながら仲良くなっていきますよね。それと同じスタンスでいればいいと思いますよ。知らない人から友達申請が来てもすぐに承認せず、メッセージのやり取りをして相手を確認してからにしたり。街中で電話番号をいきなり聞かれても答えないのと同じことですよね。もし女性が顔写真を載せるのに抵抗があるようなら、最初は後ろ姿や、友達にしかわからないような遠目の写真を載せるという手もあります。兄弟と一緒の写真を載せてもいいと思いますよ。万が一トラブルに巻き込まれてしまったら、すぐに身のまわりの大人に相談しましょう。

友達申請をするときは、同時にメッセージであいさつも送るといいと思います。またマナーとして、相手の目の前で言えないことはFacebookでも書かないほうがいい。その人の顔を思い浮かべてやり取りするべきだと思います。

サッシャさんはどんな使い方をしていますか? Facebookのどんなところが気に入っていますか?

海外にいる家族と距離を感じずにつながっていられるのが嬉しい

僕は読んだり書き込んだりするだけではなくて、先ほどお話ししたようなさまざまな機能を使っていますね。例えばスマートフォンなら自分の電話番号を公開しなくてもFacebookの友達同士で電話がかけられる「Reengo」というアプリを愛用しています。それからドイツに住んでいる家族とやり取りするのにもすごく便利です。おもしろ動画を投稿し合って笑ったりして。Facebookでつながっていることで、相手が海外にいても距離を感じずにいられるのが嬉しいですね。

Facebookはこう使おう!

これからFacebookはソーシャル・ハブ(中心)としての機能を果たしていくのではないでしょうか。海外とのつながりやサービスの広がり方を考えると、Facebookを使うことによって、ほかのWEBサービスももっとおもしろくなると思います。高校生のみんなも、Facebookを自分のホームページや名刺だと思って、使いこなせるようになるといいですね。

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構成・取材・文/平林朋子 撮影/西山輝彦 取材コーディネート/伊藤亮二 デザイン/アトリエあふろ