推薦・一般入試で小論文が課される大学は多い。「なんとなく難しそう」「対策の仕方がわからない」と悩んでいる人も、コツさえつかめば小論文が書けるようになるはず。具体的な手順と頻出キーワードを学んで、小論文試験に備えよう。
①文章資料月つき小論文②図表統計資料つき小論文③テーマ型(資料なし)小論文の3つに大別される。
さらに設問パターンも異なるので、「課題文を要約せよ」「筆者への賛否を明らかにせよ」「問題への対策案を挙げよ」など、
何を求められているのか把握する必要がある。過去問から志望大学・学部の出題傾向を調べよう。
試験開始の合図とともに、いきなり書き出すのはNG。小論文を書くための準備には、制限時間の約1/3を使ってよい。それだけ構想を十分に練ることが重要なのだ。ここでは身近なテーマを例に、準備から実践までを解説する。
これがメガネに当たる表現だ。与えられた課題は全員共通であっても、かけるメガネによって自分だけの独創性を生むことができる。このメガネと賛否をはっきりと宣言する序論は、小論文に必要不可欠な部分である。
私は教育に関心を持つものとして、スマートフォンは高校生の公平な教育機会を実現するものと考える。
ゆえに高校生がスマートフォンをもつことに賛成である。
準備②で書き出した否定ネタをここで使おう。自分と違う意見、つまり、乗り越え可能な反論を振ったうえでそれを乗り越える意見を述べるのだ。また、この対話をくり返すことで、字数のボリュームアップも図れる。
確かに、スマートフォンは勉強の妨げになる要因も多分に含んでいる。ゲームや漫画、SNSなどの娯楽系アプリを立ち上げると、楽しくて時間はあっという間に過ぎてしまうものだ。
どうすれば自分と違う意見を乗り越えられるかを書く。そのうえで、自分の意見を応援するネタとして、統計データや専門家の主張などを取り上げると説得力が増す。自分の学びたい分野にかかわる情報はインプットしておくとよい。
しかし、勉強中は電源を切るなど自制すればよい。また、何より勉強にも利用できる。総務省によれば、高校生のスマートフォン普及率は80%以上で、うち約90%が調べ物の効率化に有益と回答した。
時間と字数に余裕があれば、結論として印象的な表現になるように四字熟語やことわざなどを用いるのも手だ。実際は制限時間内に結論まで書ききれない事も起こりうるが、序論が明快なら省略も可能
スマートフォンのりようには一長一短があるといえる。
しかし、以上の考察により、私は教育という視点から、高校生はスマートフォンを持つべきであると考える。
●ほかのメガネをかけてみた時の序論の例
私は政治に関心がある。そうした視点から、スマートフォンは高校生にとって重要な政治の情報を知ったり自分の意見を伝えるきっかけになると指摘したい。
ゆえに高校生が持つ意義があると考える。
福祉の視点で考えると、高校生のSNS利用は他社との対面コミュニケーションを減少させ、公的な助け合いの姿勢の欠如につながる。
ゆえに私は高校生はスマートフォンを持つべきではないと考える。