
小寺 敦之教授
国際社会学部
専門分野:情報行動論、
メディア・コミュニケーション
平澤 あずささん
国際社会学部
国際社会学科 2018年卒
株式会社東北新社 入社
(2019年〜株式会社WTFCに出向中)
※取材内容は2024年11月時点のものです
「学生も、先生も。大学は学び合いの場。教えようなんて偉ぶったりしない」と、先生はいわばアドバイザー。勉強だけでなく進路や友達、ときには恋愛の相談も。だけど近すぎるわけじゃない。絶妙な距離感で見守りながら、学生の自立を応援する東洋英和の先生。

平澤
将来はメディア関連の仕事に就きたかったので、小寺先生のゼミに入ると決めていました。英和は1年生からゼミがありますが、最初は自分で選べないんです。でも、自身の元々興味のある分野とは異なる先生のゼミに参加し、興味が広がるきっかけになりました。
小寺
1年生のゼミはフレッシュマン・セミナーといって、研究や発表の仕方と大学を知ってもらう内容です。現在は共通プログラムですが、平澤さんの頃は担当の先生の裁量でさまざまな内容を行っていたよね。
平澤
確かに、当時はフィールドワークもありました。私は小寺先生のゼミに2年生の基礎ゼミから入り、翌年ゼミを選び直す際も再度、先生のゼミを選択しました。他のメンバーも継続して受講する人が多かったですよね。
小寺
ありがたいことに私のゼミは、基礎ゼミから3年間、続けてくれる学生が多いんです。
平澤
先生のゼミでは、チームで卒業制作ができることも、私としては魅力の一つでした。もちろんひとりで卒業論文に取り組む子もいますが、チームでの作品づくりは今後社会人になっても通じるものがあるだろうなと当時も思っていたので。
小寺
3年次に広告系の外部コンテストにチームで挑戦し、ステップアップが見込める学生は4年次も取り組みます。向き不向きを見極めるというか、広告制作の道に行くかどうかを、本人の意思はもちろん、私からもアドバイスします。
平澤
確かに先生のゼミだったから、広告制作の仕事にさらに興味をもち、就職活動に臨むことができました。

平澤
コンテストの作品は、企画から制作まですべて自分たちで手掛けました。もちろん、制作スケジュールも考えます。先生が研究室にいるときにチェックしてもらえるよう作り、フィードバックを受けますが、研究室にずっといる子もいましたよね(笑)。
小寺
確かに、今でも、授業が終わると教室に残らず、そのまま研究室直行の学生も多いです(笑)。
平澤
小寺先生は「とりあえずやってごらん」という感じだったので、自分たちで一つずつ学んでいった感覚があります。作品づくりを通じ論理的に考えること、みんなの意見をまとめチームで協力する大切さなど、今、考えると、仕事にも通じることをひと足先に体験できたと思います。
小寺
平澤さんはまさに現在広告制作の仕事をしていますが、課題解決に向け、締め切りから逆算してスケジュールを決め、具体的に段取りすることは全ての仕事に通じます。私のゼミには、“自ら企画したことをかたちにしたい”という学生が集まるので、その力を少しでもつけられるようにと、外部コンテストを取り入れています。締め切りがあり、成果も表に出るのでわかりやすいんです。
平澤
3年、4年と同じコンテストにエントリーしましたが、先生の評価のポイントは、自分たちが考えたことが伝わる企画になっているのかと、前回を振り返り次に生かしてより良くということでしたよね。
小寺
そう、だから同じコンテストに2回エントリーするんです。外の人からどう評価されて、何が足りなかったのかを学び次に生かす。失敗してもいいんです。経験自体に意味があるんです。
平澤
先生の授業はほぼ履修しましたが、授業中、学生への質問が多いんです。いつ当てられるかヒヤヒヤ。でもそれも、自立を促しているんですよね。そのほかにも、インターンシップの授業は社会直結で、貴重な経験ができました。
小寺
インターンシップの授業では、東京国際映画祭の正規スタッフとして、海外から単身で来る映画監督や俳優をアテンドする業務を行います。貴重な経験ができますし、公式記録にも名前が載るので、実感も湧きやすいのではないでしょうか。学生からも好評ですし、先方からも信頼いただけているので、現在もこのインターンシップは継続しています。
平澤
ホテルで出迎え、スケジュールを守り確実に会場まで。いわばマネージャーです。スタッフの一員として、責任ある業務を信頼して任せていただけることが意識的な自立にもつながったと思います。
小寺
平澤さん含め、このインターンシップに参加した学生は、その前後の変化が大きいですね。学生時代にいろいろな人に出会い、知り、さまざまな経験をしてほしいといつも考えています。
平澤
先生がおっしゃるように、大学での授業はもちろん、友人との学校生活や課外活動で学んだことが今に生きていることが多い気がします。今回の私の話も、少しでも後輩のみなさんの刺激になったらいいな、役に立ったらいいな、と思います。