文京学院大学

2024.04.10

心理学

認知症になると心はどうなるの?

心理学の視点から見た認知症とは?先生からお聞きしました!

認知症ってどんな病気?

認知症とは、「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたために、さまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態で、これがおよそ6ヵ月以上継続しているもの」のことを言います。その症状の現れ方は個人差があり、すべての患者さんが全く同じ症状になるわけではありません。認知症は、最初はうっかり忘れやちょっとした仕事のミスなどにはじまり、次第にこうしたミスの多さに気づいて病院に行き、診断を受けるというケースが多くあります。この時点で日常生活への支障は大きくありませんが、そこで認知症のことを調べ、今後自分がどのような状態になっていくのかを理解していきます。患者さんにとってそのショックは大きく、不安や恐怖、悲しみなど複雑な感情を抱いてしまうのです。

もしも家族が認知症になったら…

認知症の方が身近にいると、つい認知能力を伸ばしてあげようとして、「今日は何月何日?」「お昼ごはんは何を食べた?」なんて質問をしてしまうかもしれません。でも、もしもあなたが認知症になった時、物忘れを指摘されたり、記憶力を試されたりすることはうれしいでしょうか?そんな努力は、治療も含めて日々行っているはずです。誰がされてもうれしいこと、たとえば「頼られること」が、その人の生きがいにもきっと繋がります。また、認知症が進行すると、名前を忘れられたり、赤の他人や泥棒呼ばわりされたり、時には暴力が起こることもあります。ご家族にとってはショックなことですが、大切なのは自分だけで抱え込まないこと。「家族なのだからすべてサポートするのが当然」とは考えず、自治体の公的なサービスなど支援を受けることも自然なこととして受けとめていきましょう。

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心理学では専門に研究している人がとても少ない「におい」をメインテーマとしています。嗅覚は、他の感覚とは異なるとてもユニークな脳内の情報処理が行われていると言われます。日々、におい試料の入った瓶に囲まれながら、ヒトの感情・記憶について研究し、学生の皆さんと語り合っています。
研究テーマ:ヒトの記憶機能、においの知覚・認知・記憶