「ゲームの背景って、見栄えや世界観を支える役割を担っていて、意外と奥が深いな」と感じたのが、背景モデラーという職業をめざしたきっかけです。高校の職業適性検査での「CGデザイナーに向いている」という結果も後押しになり、専門学校への進学を決意。ただ、PCの扱いには慣れていましたが、デザインや絵を描くといった勉強はほとんどしてこなかったので、3年制で最初の1年間はデッサンや造形を学び、アナログでのデザインの基礎力がしっかり養えるトライデントを選びました。
1年生の時に、背景デザインだけでなくキャラクターデザインにも挑戦する機会がありましたが、やはり「背景モデラーをめざす」という想いは変わりませんでした。「本当に仕事にできるのか?」という不安もありましたが、やっぱり好きなことを仕事にして頑張りたいので。何より、まずいろんな分野を学ばせてくれたうえで、自分が「やりたい」と思う道を選べば、その想いを後押ししてくれる、「好き」を突き詰めていける学習環境をうれしく感じます。
授業で実際の企業の方に自分の作品を見てもらった時、「小物が整然とし過ぎていてリアルさが感じられない。CGの中でリアルを再現するには、CGっぽさを抜いていく作業が必要」と指摘を受け、ハッとしました。こうした気づきの機会を何度も得ながら、僕は3年間でグラデーション的に成長できたと感じます。「リアルタッチの背景を極めていく」という進みたい方向も定まり、その道をまっすぐ進んできたことで、カプコンという本当に入りたかった会社に到達できたのだと、今、実感しています。