通信制大学院とは?
自宅で学んで最高学位を取得できる正規の大学院
通信指導と面接指導(スクーリング)によって学んでいく正規の大学院のこと。
スタートしたのは1999年度から。当初は修士(博士前期)課程のみだったが、2003年度に博士課程も開設され、キャリアを中断せずに通信教育で学んで博士の学位まで取得することができるようになった。
通信制大学院の数は、社会人の学習ニーズに対応して増加の一途をたどっている。加えて、最近では多忙な社会人を配慮して学習環境の整備も進められている。テレビ会議式の遠隔授業やインターネットを活用したメディア授業によってスクーリングの負担を軽減したり、通常の修業年限を越えて履修できる長期履修制度を導入する大学院が出はじめているのだ。
通信制大学院は、仕事を続けながら高度な研究がしたいという人の希望を叶えてくれる大学院なのだ。
学べる内容
MBA、臨床心理士・・・人気資格もめざせる
児童学、教育学、法学といった文系の専攻から、認知科学や情報処理工学など理系分野の専攻もあり、学問領域は結構広い。とくに近年は、福祉の専門家を育成する研究科・専攻が増加しており、心の専門家として人気の臨床心理士の受験資格を得られるプログラムもある。
さらに、株式会社立大学の創設が認められたことによって、学問領域はさらに拡大。経営コンサルタント・大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学院大学の登場で、MBAもめざせるようになった。
通信で本当に大学院の教育が受けられるのか不安に思う人もいるかもしれないが、研究内容は通学制と遜色ないレベルだ。ほとんどの大学院が専攻ごとの定員を10名〜50名程度に限定し、インターネットに接続できる環境を用意させ、テレビ電話などを使って指導するなど、密度の濃い研究環境を整備しているのだ。
通信制で取得が目指せる主な資格
学習の流れ
通信指導と面接指導で進めていく。論文も作成!
在宅学習による通信指導と面接指導(スクーリング)によって行われる。在宅学習は、教材や指定された文献を読み、レポートを提出して添削指導を受け、その後科目修了試験に合格することで単位修得するという流れだ。
この在宅学習だけでは指導が十分には行えないため、一定の時期、場所に集まって教員から直接指導を受ける面接授業(スクーリング)も行われる。
スクーリングは大学の本キャンパスで行われるケースがほとんど。そのため遠隔地に住む人はある程度の負担を覚悟しなければならないが、交通費は学割が使え、スクーリング期間中の宿泊施設を紹介してくれる大学院もあるので、必要以上に心配することはないだろう。また、実施時期についても、週末を含む連続3日間や、夏・冬季休暇期間など、社会人の休日にあわせるよう配慮されている。
それでも、通学するのは難しいという人もいるだろう。そうした人のために、最近ではインターネットを使ったメディア・スクーリングによって単位取得ができる制度をもった大学院も増えている。
この在宅学習とスクーリングの他、修了するには修士論文も作成しなければならない。論文は、指導教授と直接会って指導を受けながら作成していくが、面接の頻度はそれぞれ異なる。
入学から卒業までの流れ(修士課程)
入学試験・学費
通学制と同等の試験があり、専門分野の知識が必要
試験科目は、書類審査、小論文、面接(口述試問)というパターンが多い。各大学院とも通学課程に準じた出題がされるため、難易度は高い。自分が専攻したい分野については、一定レベル以上の知識をもっていることが必要だ。また、出願時には研究計画書も含まれているので、事前の準備もしっかり行うようにしよう。なお、通信制大学院のなかにも、日本大学大学院や東北福祉大学大学院など、社会人を配慮した入試制度をもつところがあるので、社会人経験のある人は調べてみよう。
学費は、大学院ごとに大きく差がある。初年度にかかる入学金や施設費などの入学諸費と、毎年かかる授業料や補助教材費などの教材諸費との合計は、25万〜110万円程度だ。大学院によって、養育諸費の中にスクーリングや科目修了試験などの費用を含んでいる場合と、別途徴収する場合とがあるので、よく調べておくこと。
必要な書類
●所定の入学志願書 ●最終学歴の成績証明書 ●健康診断書 ●戸籍抄本 ●志望理由書 ●研究計画書
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