始まりは幼稚園のころに父親と見た
奥多摩ダムだった。
「こんな巨大な建物をどうやって作ったのだろう」
と子どもながらに思ったことを覚えている。
それから十数年。
後にも先にも父親と一緒にダムを見たのはそれっきりなのに、
頭の隅っこにずっと残っていて。
高校時代は特にやりたいことも見つけられなくて、
その中で何となくものづくりかなと思った。
そんな時、「これだったら建築じゃなくて土木じゃない？」という
思い出の中の父親の言葉が、僕の進む道を決めたんだ。
今だからこそ言えるけど、
本当は関東学院大学に入学したとき、
面白くなかったら、来年は違う大学に受験しようと思っていた。
だけど、授業で先生が教えてくれた
モノづくりの支えになる地盤工学に出会って、
面白くなってきて、今年1年はやってみようと思い直した。
翌年も、そして翌々年もその繰り返し。
研究室のイベント、学科で初めて出場した
エコ・コンクリートカヌーコンぺ‥。
どうやってプロジェクトを完遂させようか、
スケジュールをどうしようか、
色々と考えて、行動する日々にどんどんのめりこんでいった。
自分たちの作ったカヌーが浮かんで走った時は、
誰よりも声を上げて応援していた。
忙しい時間だったけれど、この上なく楽しんでいたと思う。
昔から、戦隊ものでは
レッドよりブルーが好き。
縁の下の力持ちってかっこいいと思う。
国土交通省に入庁した1年目で
担当したのは羽田空港だった。
飛行機の滑走路の工事。
現場できちんと工程通り進められているか、
安全面の確認や各部署との調整。
自分がたくさんの人のために、
何かできると大きなことを思っていたわけじゃない。
ただ、誰かのために、自分が頑張って
何かを完成させたり、意味のあることがしたかった。
直接誰かから褒められるわけではないけれど、
空港の展望デッキから飛行機が走っている姿を見たとき、
また次の一歩を踏み出す力が湧いてくるんだ。
ガジュマル、ベイレイ、ハオルチア…
朝起きると、小さな鉢を
日が当たる場所に移動させて、
葉っぱのほこりをとって、
水をあげるのが朝のルーティン。
出社する前の、小さな繰り返しだけど、
何も考えずに、心が落ち着く
大切な時間の一つだ。
バスケットデビューは、就職してから。
最初は友達から誘われたことがきっかけだったけれど、
今では空いた時間はNBAのプレー動画を見るのも
日常の一コマ。
「こういうディフェンスをすればいいのか」とか
「こういうパスをした方がとりやすいのか」とか
自然に分析して、研究している自分がいる。
仕事終わりの夜や休日に駒沢公園に行くのが密かな楽しみ。
人見知りもしない質なので、バスケ仲間もできた。
考えて、仲間と実践して、経験値を増やしていく。
凝り性なのは、大学時代から変わってないな。
経験しないと分からない、と思ってる。
話を聞いてみないと、
自分がどう思うか、どう感じるか分からない。
インプットしたことは、
やってみたくてうずうずする。
計画や分析することは好きだし、
それを実践するのも好き。
温故知新。大学で学んできた防災。
どちらも同じ。
過去を分析するから、次を計画できるし、
次の一歩を思い切って踏み出すことができると
僕は思う。
経験しないと分からない、と思ってる。
話を聞いてみないと、
自分がどう思うか、どう感じるか分からない。
インプットしたことは、
やってみたくてうずうずする。
計画や分析することは好きだし、
それを実践するのも好き。
温故知新。大学で学んできた防災。
どちらも同じ。
過去を分析するから、次を計画できるし、
次の一歩を思い切って踏み出すことができると
僕は思う。
My Snap Photo
撮影協力：関東地方整備局東京空港整備事務所
- 松田 幸弘国土交通省
-
2019年理工学部土木・都市防災コース卒業。2021年工学研究科土木工学専攻修了。幼稚園の頃に見たダムをきっかけに、土木の面白さを知る。在学中に地盤工学に出会い、どんどんと防災や土木にハマっていく。現在は国土交通省関東地方整備局港湾空港部に勤務。羽田空港では、滑走路の整備の現場指示や調整を行う。仕事終わりには社会人から始めたバスケットボールを楽しむ。大学時代から変わらない凝り性で休みの日にはプロ選手の動画を見ながら研究中。
