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昭和薬科大学 実践薬学部門 講師
Chapter_01
薬剤師の仕事が「調剤」だけではないと言われるのはなぜですか?
いま、医療の現場では「タスクシフト/シェア」という大きな変化が起きています。これは、医師に集中していた業務を他の専門職が分担し、チーム全体で医療の質を守る仕組みのことです。高齢者割合が最大となる「2040年問題」を控え、増加し続ける医療ニーズに応えるためには、医療提供体制の効率化が欠かせません。そこで、薬の専門家である薬剤師が副作用のチェックや処方提案などを積極的に引き受けることが、医師の働き方改革を支える大きな柱となっているのです。
なぜ薬剤師がそこまで期待されているのか。それは、薬剤師が薬学的知見に基づいた判断・指導・提案を行うことで、診療の質の向上に貢献できるからです。
また、「がん」や「感染症」など特定領域においては、認定・専門薬剤師制度もあり、さらに高度な知識と技術を持った上で、質の高い薬物療法の実践、医師や他職種への指導に加え、学会発表や論文作成など研究活動も行っています。
これまでお話ししたように、これからの薬剤師は、薬局や病院の中にとどまるだけではありません。医師やコメディカルと治療方針を共有するパートナーとして、日本の医療を支える重要な役割を担っていく時代が来ていると思います。

Chapter_02
これからの薬剤師には、どんな活躍が期待されているのでしょうか?
キーワードは、「プライマリ・ケア」です。これは、地域の人々の健康福祉に関わる問題を総合的に解決していく活動のこと。日本には、コンビニエンスストアより薬局の方が多くあります。そこにいる薬剤師が患者さんの生活背景まで理解して「最初の相談窓口」になることで、適切な医療につなげたりすることもできるんです。
また、今の医療は一人の患者さんを多くの専門職で支える「チーム医療」が当たり前になっています。医師や看護師だけでなく、リハビリスタッフなど、多様なプロフェッショナルが各々の強みを持ち寄ります。
薬剤師はその中で「薬のプロ」として、薬物治療を円滑に進める司令塔のような役割を担います。同じ一人の患者さんを診ていても、職種によって見えている部分は違います。だからこそ、お互いの専門性を認め合い、情報を繋ぎ合わせる「空気作り」「伝わる言葉」も重要になります。ただ会話をするだけでなく、患者さんや医療者に寄り添い、価値のある変化をもたらす判断や提案をすることが求められていると思います。
この通り、私は「地域や臨床現場を含む、多様な場で人と医療をつなぐ活躍をすること」が今後薬剤師に期待される役割になると考えています。

Chapter_03
昭和薬科大学では、どのような環境で未来の薬剤師を育てていますか?
昭和薬科大学は、教員と学生の距離がとても近く、家族のような温かさがある大学です。入学時から担当教員が学生一人ひとりの身近な相談役となり、学習面・生活面をより実りあるものにしていく「アドバイザー制度」をはじめ、自身に合わせ学習をサポートしてもらえる学習支援室などもあり、分からないことがあればすぐに質問でき、お互いの顔が見える環境でじっくり学ぶことができます。
また、聖マリアンナ医科大学や東海大学等の医療系他大学の学生と一緒に協力して学ぶ「多職種連携教育」にも力を入れており、学生のうちから将来のチーム医療をリアルに体験できるのも大きな特徴です。
私たちが大切にしているのは、建学の精神である「独立」と「融和」です。どんな困難にも自ら考え、行動して立ち向かう「独立」の精神と、周囲と手を取り合い、調和を大切にする「融和」の心。これらは、薬学の知識と同じくらい、医療人として生きていくための土台になります。大学は単に資格を取るための場所ではなく、生涯にわたって学び続ける姿勢や、科学的に考える力を養う場所です。私たちは、皆さんが社会に出たときに「この大学で学んでよかった」と自信を持って歩き出せるよう、教職員が一体となって全力で応援します。このアットホームなキャンパスで、一緒に新しい時代の薬剤師を目指しましょう。

未来の薬剤師へのメッセージ
医薬品だけでなく、医療に関する幅広い知識を持つ薬剤師の未来は、皆さんが想像する以上に多岐にわたっています。だからこそ「受動的」ではなく、自ら考え、動く「能動的」な人を目指してください。ちょっとしたアクションでもいい、小さなことから、一歩ずつ。自分がどのような薬剤師になりたいか、意志を持ち、どうすれば良いか考え、行動することが未来を変えます。昭和薬科大学で、無限の可能性を一緒に広げていきましょう!
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