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はじまる、薬剤師の未来図。

 
原 梓さん

昭和薬科大学 社会薬学研究室 教授

データで命を救う。社会を変革する「薬学×データサイエンス」
データで命を救う。社会を変革する「薬学×データサイエンス」

ビッグデータを武器に、社会全体の健康を
デザインする。
原教授が語る、大きな貢献感の話。

  • #薬剤疫学
  • #ビッグデータ
  • #社会貢献

Chapter_01

実験室を飛び出し、 膨大なデータから「最適」を見つけ出す。

薬学の研究に「ビッグデータ」が
必要なのは、なぜでしょうか?

薬学の研究と聞くと、白衣を着て試験管を振っている姿を想像する人が多いかもしれませんね。もちろんそれも大切ですが、私の研究室では「データ」という強力な武器を使って、社会全体の健康を守る方法を研究しています。
具体的には、診療報酬明細書(レセプト)や電子カルテといった患者さんの数万人、数百万人の「ビッグデータ」を解析する「薬剤疫学」を専門としています。実験室の中だけでは見えてこない、実際に薬が使われた後の安全性や効果を、統計学の力で解き明かしていくのです。大学や研究所、医療機関のみならず、いま、製薬企業などもこの分野に非常に注目しています。

新しい薬をより安全に患者さんのもとへ届けるために、私たち大学の研究室と共同でデータを分析するニーズが急増しているんです。こうした研究を通じて、国民一人ひとりがより安心して医療を受けられる社会の実現に貢献したいと考えています。
これからの薬剤師は、薬の知識だけでなく、データを読み解く力を掛け合わせた「総合力」が求められます。パソコン一台を使って、日本中、世界中の患者さんの命を支えるエビデンス(根拠)を創り出す。そんなダイナミックで社会的な貢献度が極めて高い学びが、いまの薬学には広がっています。

Chapter_02

法律から倫理まで。 「判断する力」が患者さんの未来を守る。

最新の教育指針で強調されている「判断する力」とは何ですか?

令和4年度に改訂された「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」では、情報を利用して治療方針を「判断」する能力がより強く求められるようになりました。知識を覚えるだけならAIでもできますが、膨大な情報の中から「この患者さんにとって本当に正しい選択は何か」を見極め、責任を持って決めるのは人間にしかできない仕事です。
私の担当する「社会薬学」という分野では、薬そのものの性質だけでなく、法律や倫理、安全性といった「薬と社会の関わり」を幅広く学びます。将来現場で直面するような正解のない問いに対して学生同士で徹底的にディスカッションを行います。

「この治療は倫理的に適切か?」「データから本当に安全と言えるか?」と、多角的な視点から考える訓練を重ねることで、現場で揺るぎない決断ができる薬剤師を育てます。
薬学的リテラシーを持ち、科学的根拠に基づいて自ら判断し、医師や患者さんに自信を持って提案する。この能動的な「判断」こそが、これからの医療現場で最も必要とされる専門職としての誇りになるはずです。

Chapter_03

AI教育の先駆者。 昭和薬科大学で磨く、一生モノの専門性。

昭和薬科大学ならではの「データ・AI教育」の強みを教えてください。

昭和薬科大学では、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の認定を受けた独自の「昭和薬科大学 薬学データサイエンス教育プログラム」を導入しています。これは、薬学の専門知識にAIやデータ分析の技術を融合させた、全国的にも先駆的な取り組みです。eラーニングなども活用しながら、医療現場や製薬業界で直面する課題をどう読み解くかといった「応用につながる視点」を育てるための環境整備を進めています。
本学の良さは、こうした最先端のプログラムを、先生と学生が密に関わるアットホームな環境で学べることです。研究室では他大学や企業などの共同研究機関と連携して、患者さんや地域住民の方の実際のデータを分析しており、社会と直結したリアルな研究に触れるチャンスが豊富にあります。
「薬学」という伝統的な専門職の強みに、デジタル時代の「データサイエンス」という武器を装備する。この掛け合わせによって、皆さんの卒業後の活躍の場は、病院や薬局、製薬企業、そして行政機関など、驚くほど自由に広がっていきます。最先端の設備と指導体制が整ったこのキャンパスで、社会を大きく変えるプロフェッショナルへの第一歩を踏み出してみませんか?

未来の薬剤師へのメッセージ

「自分の仕事を通じて、社会をより良くしたい」という志を持つ皆さんに、ぜひ来てほしいです。私たちが創り出す疫学データを用いた研究結果は、多くの医師が参考にする「治療ガイドライン」などの根拠になり、社会全体の健康を支える基盤になります。小さな貢献が集まれば、社会を大きく変える力になります。家族から地域、そして社会全体の健康まで。その大きなやりがいを、昭和薬科大学で一緒に手に入れませんか?

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