先輩たちがあなたの素朴な疑問に答えます「社会人学生のホンネ」CAFE

今月のテーマ「修了後の進路」

学ぶことで人生変わる?お金はどのくらいかかる?仕事との両立って実際どうなの?どんな人と知り合える?などなど、大学院に通おうと思っている社会人の皆さんはいろんな疑問や不安を抱えているはず。そんなときは、経験者に聞くのがイチバン!そこで社会人学生の先輩たちに素朴な質問を投げかけてみた。先輩たちの生の声を是非参考にしてみよう。

回答してくれる先輩たち

青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科修了 栄田育子さん(36歳)金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻 ビジネスアーキテクトコース修了 狩野尚史さん(32歳)デジタルハリウッド大学大学院 デジタルコンテンツ専攻修了 渡部嘉巳さん(29歳)


Q1.大学院進学の目的は当初から「転職・起業」だったんですか?

狩野さん :
結果的に修了後すぐに転職することになったんですが、金沢工業大学大学院知的創造システム専攻(1年制)に入学した当初は「学んだことを今の会社で活かしていこう」というつもりでした。キャリアアップ、キャリアチェンジへの意識は進学前からなんとなくはあったのですが、本格的に転職へ気持ちが傾いたのは、後期に入った頃でしたね。
栄田さん :
青山学院大学大学院に入学を決めた当初は、修了後にどうするかは決めていませんでしたね。当時は金融系SEだったんですが、今後、このままでいいのか、どの分野の専門家としてやっていくべきかを模索していた時期でした。それを見つけるために大学院に行ったんです。
渡部さん :
もともと起業志向が強く、デジタルハリウッド大学大学院に進学する前から、個人事業主としてECサイトの制作などをしていたんです。大学院に進学したのは、事業を拡大していくうえでプラスになると感じたから。知人にMBAホルダーがいたので、大学院で学ぶことにどういう意味があるのかも理解していましたしね。
はじめから「人」目的でした。個々の実務家教員から経営のベースになる考え方やテクニックを吸収していこうと考えていました。デジハリ大学院を選んだのも、実務家教員が揃っているからです。1人の教員から1つの理論・哲学・テクニックを学ぶとして、10人いれば10通り学ぶことができます。1つの正解がある世界ではないので、そこから、取捨選択して自分にとっての成功のファクターをつかんでいければと思っていました。

Q2.大学院在学中に転職を決めたプロセスは?

栄田さん :
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科は、2年目までに専攻を決めればいいシステムだったので、1年目は興味がある科目をいろいろと取りました。ファイナンスのほか、会計学やITなども視野には入っていましたから。1年目が終了した時点で、自分の関心がファイナンスにあることがわかったので、社内FAでシステム部門からファイナンス部門に異動。そして修了直前の今年2月には、投資情報サービス会社に転職し、希望していた日本株投資のデータアナリストに転身しました。大学院の2年間がなかったら、このキャリアチェンジはできなかったでしょうね。
狩野さん :
大学院で学ぶうち、自分のやりたいことが徐々に固まってきました。その頃、会社で人事異動があり、自分が志向していたコンサルティングが今の会社では当分できそうもなくなったという事情もあって、会社軸ではなく自分軸でキャリアを選択していこうという決断をしたんです。

Q3.どんなことが転職・起業への刺激になりましたか?

渡部さん :
実際に成功している経営者から直接話を聞けること。先生を囲んだ飲み会では、事業アイデアやビジネス上の悩みなど、いろいろと相談しました。その答えの1つ1つが刺激になりましたし、「世の中へのメッセージ性」を重視する起業家マインドも養われました。また、自分にはない能力、バックグラウンドを持つ学生仲間との交流を通して、ものの見方が多面的になりました。
狩野さん :
同級生に転職経験者が多く、「転職する」ということが身近に感じられるようになったことが1つ。それから、教授に「自分が何のためにコンサルティングを志向しているのか、そこがブレてはいけない。自分軸で判断するべきだ」とアドバイスされたことも大きかったですね。

Q4.大学院で学んだことは転職・起業にどう役立ちましたか?

栄田さん :
大学院で学んだことが、完全に実務とリンクするわけではありません。でも、やりたいことがハッキリしていれば、必要なことを自分で取捨選択できますから、完全にリンクする必要もないんですよね。また、特定の分野について大学院で学んだ経験は、例えば、異動を希望したり、転職したりする際に、まわりの理解を得るのに役に立つと思います。2年間学んだ根性が認められることもありますしね(笑)。また、お金も時間もかけて学んだわけですから、「何とか結果を出さないと!」と自分を鼓舞する気持ちも自ずと強くなります。
渡部さん :
自分にない能力を持っている人たちとのつながりができたことで、予期しない問題が起きても、「この場合はあの人に相談すればいい」という発想ができるようになりました。その結果、構想するビジネスプランの幅が広がりました。今は、新しいビジネススキームを考えることがすごく楽しいですね(笑)

先輩プロフィール

栄田育子さん(36歳)
青山学院大学大学院
国際マネジメント研究科修了
栄田育子さん(36歳)
投資情報サービス会社
データアナリスト

プロフィール

北海道大学法学部を卒業後、情報サービス会社に。転職を重ねながらプログラマーからSEとキャリアアップ。金融系SEだった当時、青山学院大学専門職大学院国際マネジメント研究科に進学した。在学中に社内FAでファイナンス部門に異動。さらに今年2月に転職して現職に。

大学院に進学した理由

SEとしてキャリアを重ねてきたが、今後、自分がどの分野に専門特化するべきか決めかねていたため、それを探すために進学した。

進学してよかったこと・苦労したこと

大学院での2年があったからこそ、ファイナンスの分野に進む流れが自分の中でできた。通学中に大変だったのは、やはり時間管理。

狩野尚史さん(32歳)
金沢工業大学大学院
知的創造システム専攻
ビジネスアーキテクトコース修了
狩野尚史さん(32歳)
(株)HRIインスティテュート
コンサルタント

プロフィール

大学で経営学を学んだ後、英へ留学。帰国後国内の建材メーカーに就職。当初は技術職だったが、その後、営業部門に異動。ルートセールスや代理店のIT導入コンサルティングに携わる。働きながら2005年4月から金沢工業大学大学院(虎ノ門キャンパス)に進学。1年で修了後、06年11月現在の会社に転職。

大学院に進学した理由

代理店のコンサルティングを担当し「戦略的経営+IT」を学ぶ必要性を実感したから。

進学してよかったこと・苦労したこと

よかったのは、教授や他の学生と自分のキャリアについて率直に話せたこと。苦労したのは、強いて言えば、学費を捻出するための節約生活。

渡部嘉巳さん(29歳)
デジタルハリウッド大学大学院
デジタルコンテンツ専攻修了
渡部嘉巳さん(29歳)
有限責任事業組合バニラマン
代表組合員

プロフィール

建築系の専門学校を卒業後、WEBのスキルを習得し、計5社のベンチャー企業でWEB企画、経営企画などの業務に携わる。その後、独立し、ECサイトの企画・構築に携わりつつ、2004年5月から2年間、デジタルハリウッド大学院に通学。06年3月に修了生仲間とLLP(有限責任事業組合)バニラマンを設立。

大学院に進学した理由

起業家としてのベースとなる考え方やテクニックを習得するため。

進学してよかったこと・苦労したこと

よかったのは、大学院でなければ会えない経営者や多様な専門分野を持つ学生仲間と出会えたこと。そのせいで、飲み代は増えた(笑)