私は「量子コンピュータの実用化に向けたデバイス技術」を研究しています。量子コンピュータの実用化に向けた回路を設計するには、約-270℃という極低温でのトランジスタ動作の理解が不可欠です。しかし極低温での特性は室温とは大きく異なります。例えば、電流のオンとオフの切り替えは温度を下げるほど容易になりますが、約-250℃以下ではそれ以上良くならず、消費電力の増加が問題となってしまいます。この現象はこれまでの物理では十分に説明できていません。私たちは、極低温で起こる不思議なトランジスタ動作の観測や原因の解明をするために研究を進めています。最先端の技術を支える研究に関われることに大きなやりがいを感じています。
学部時代は室温でのデバイス技術の習得を目標に、プロセス技術と評価技術の両面から研究に取り組んでいました。トランジスタの作製には約100にも及ぶ工程が必要になります。それぞれの工程は相互に緻密に関連しているので、一つの工程を変更するだけでも、全体の工程を見直さなければなりません。プロセスシミュレーションを駆使してプロセス全体を再検討し、実際にデバイスを作製・評価して期待通りの結果を得られると、大きな達成感がありました。この学びは極低温でのデバイス技術という現在の大学院での研究テーマにつながっています。また、原因と解決策を自ら考えながら研究を進めることで、研究の基礎を身につけることができました。

研究室は、設備が豊富に整っています
室温でのトランジスタの動作は、先人たちの努力と研究の積み重ねによって仕組みが解明され、現在では教科書にまとめられてきました。では、トランジスタを絶対零度に近い温度まで冷やすと、どのような動作を示すのでしょうか。 その論理はいまだ十分に解明されておらず、もし確立することができれば、未来の教科書の礎になるかもしれません。私は、未解明の新しい知見を発見し、深く追究する研究を博士課程でも続けていきたいと考えています。そして、自身の研究成果がより良い社会の実現に少しでも貢献することを目指しています。

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東京電機大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 先端マテリアデバイス研究室所属/工学部 電気電子工学科/2025年卒
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