東海道新幹線の運転士として勤務しています。通常、新幹線は16両編成、定員は約1,300人。その命をお預かりする責任は非常に大きく、安全が絶対の使命です。運転士としては安全はもちろん、1秒も誤差なく運行するために集中を切らすことはありません。仕事は忙しいですが、お客様から「ありがとう」と言っていただいたり、お子さまに写真撮影を依頼されたりするとうれしいです。またプライベートで新幹線の速さ、正確さを目の当たりにすると「こんなすごいものを動かし、子どもに夢を与える仕事に就いているんだ」と実感します。
進路や将来の仕事を決める時、鉄道科という存在自体に興味をそそられて入学しました。そのため、クラスメイトの大半は鉄道について詳しかったのですが、私は全国の路線だけでなく、地理の知識もあやふやな状態。しかし、鉄道業界出身の先生たちが1から丁寧に指導してくださり、難しい運賃計算もスムーズにできるほど成長しました。また、手話や英会話の授業で学んだこともお客様のご案内や車内放送など行う際、とても役に立っていますね。就職活動では何度も面接練習をしていただき、適切なアドバイスをもらったおかげで、希望していたJR東海に就職できました。
新幹線の運転士になるには、駅やみどりの窓口での経験を重ねた後、車掌として乗務。さらに1年以上の研修を経て、ようやくデビューできます。運転士になってからも時刻通りに運転することはもちろん、天候や状況に合わせてブレーキを操作するタイミングを変えるなど、技術の向上が必要です。また、新幹線は運転士一人ではなく、たくさんのスタッフによって、はじめて走らせることができます。だからこそ、鉄道の仕事に就くには、鉄道だけに偏らず、幅広い視野と知識、コミュニケーション能力のほか、サービス業でもあるので、お客様をおもてなしするホスピタリティの気持ちが必要。これらすべてを身につけられるのが鉄道科だと思います。
東海旅客鉄道株式会社勤務/鉄道科/2007年卒/学生時代はクラスメイトと一緒に電車の旅によく出かけたという本多さん。「時刻表を細かく調べたり、ローカル線に乗り換えながら遠方まで行ったり、運賃を計算したり、授業で学んだ知識を駆使するのが楽しく、復習や知識の定着にもなりました」。クラスメイトはもちろんのこと、鉄道科の先生とも交流が続き、休日には食事に行くことも。「それぞれの仕事の話など、情報交換できるのがいいですね。改めてこの学科出身でよかったなと思います」と笑顔で語ってくれた。