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経営工学

経営工学

企業の資源について、より合理的で有効な活用法を考える

経営に関する問題を工学的アプローチによって解決し、効率的で合理的な経営システムを構築しようとするのが経営工学です。経験や勘だけではたどり着けない、経営における真理をみつけるため、種々の問題を数学的に分析。より普遍的で、ムリ、ムダ、ムラのない経営体系を考えます。経営学は実際の組織運営から方法を学ぼうとするのに対し、経営工学が数学的分析に基づいて課題解決を目指す、といった違いがあります。卒業後の進路としては、生産管理、品質管理をはじめ、人事、財務、企画広報など、さまざまな選択肢があります。物事を俯瞰して分析する力は、システムエンジニアやプロジェクトマネジャーとしても重宝されるでしょう。もちろん、起業して経営者になるという道もあります。

経営工学の学び方

経営を工学的に分析する
経営とは、企業、行政、教育機関や医療機関、NPOといったあらゆる組織において、それを管理し、運営することです。そして工学とは、仮説、試行、分析、改善の一連のプロセスを通じて、社会に役立つ物を生み出したり、物事を実現させる方法やシステムを作り出したりするための学問です。経営工学は、これらを融合した学問。つまり、人や材料、時間やお金といった、経営に関するさまざまな問題を解決し、より効率的で合理的な経営システムを作り出すことを目指す学問です。
経験や勘ではたどり着けない理論を導く
経営は人が行うものですから、そこには経験や勘による判断というものが存在します。もちろん、それがうまく働くこともありますが、時にうまくいかないこともありますし、それまで何ごともなく回っていた考え方が、時代や場所が変わると途端に通用しなくなってしまうこともあります。さらに、経験や勘を第三者に伝えるのは簡単ではありません。経営工学は、工学ですから、多くの場合、数学的に物事を分析し、数理モデルによってシステムを構築しようとします。これによって経験や勘だけではたどり着けない理論を導くことができるのです。また、今まで何となくうまくいっていた方法でも、分析することでその根拠が明確になり、モデル化することで誰にでも容易に伝えることができるようになるのです。
経営者にも労働者にも最善の環境を
経営工学が目指す効率的で合理的な経営とは、ムリ、ムダ、ムラのない経営です。ムリとは、実行できない計画を立てる、あるいは人や時間、お金といった経営資源を切り詰めすぎること。また、ムダとは、製品の作り過ぎや、お金や時間を過剰に消費することです。そしてムラとは、ムリとムダの間を行ったり来たりするようなことをいいます。どんなに利益が上がっていても、資金削減のために人材を切り詰めて、一人ひとりに大きな負荷をかけているようではいつか破綻してしまいますし、お金や時間をたっぷりかけていい製品をたくさん作っても、それが需要に見合っていなければ利益を上げられません。利益やコスト、労働環境といったすべての条件がうまく調和してこそ、安定して長く続けられる経営が成り立つのです。ですから、効率的で合理的な経営をするためのシステムの確立を目指す経営工学は、経営者だけでなく、そこで働く、あるいは活動する人たちにとっても良い環境を作り出そうとする学問といえるでしょう。
必要な知識を基礎から身につける
まずは、人の行動を分析するための心理学や行動科学、問題を数理的に分析するための数学、データを正しく扱うための統計学といった基礎科目を学習。合わせて、経営工学の基礎を学びます。経営学や経済学、工学的な分析手法など、基本的な知識は1年次に身につけられるようになっています。2年次には、ソフトウエアやプログラミングといった情報系の授業や、生産管理や品質管理といった生産システムに関する授業も設置されています。プログラミングなどの情報系の知識はデータの解析や理論の検証に欠かせません。また、情報社会である現代において、情報も経営を左右する重要な要素となっています。多くの場合3年次には研究室に配属されます。そこで、多くのデータを正確に読み解くデータ処理や、システムやその課題を数理モデルで表すモデル化の手法を身につけます。課題の数理モデル化によって解決策を求めようとする分野をオペレーションズリサーチ(OR)、または経営科学と呼び、これは経営工学の中でも主要なテーマとなっています。
経営工学研究の5系統
4年次には卒業研究に取り組みます。研究分野は、生産システム、管理システム、社会システム、情報システム、経営数理の大きく5つの系統に分けられます。生産システム系は、物資の調達から、生産・販売までの「ものの流れ」を管理し、経済的でスムーズに行うための方法を研究します。管理システム系は、組織が行う活動において、その妥当性を保証し、それが機能的に行われるようにするもので、品質管理や原価管理などがこれにあたります。社会システム系では、企業や社会、そして地球規模の複雑なしくみ全体をシステムとして理解しようとします。そこからそれぞれの関係性を数理的に読み解くことで、経営の改善策を見いだそうとするのです。また、情報システム系では、大規模なデータの収集方法や解析方法を、経営数理系では、組織活動や現象の数理・統計モデル化の手法を探究します。相互に重なり合う部分はありますが、扱うものやアプローチのしかたが少しずつ異なります。自分の興味を見極めるためにも、1、2年次の学びは非常に重要になります。
物事の分析や数学が得意なら経営工学
企業経営全体や、その内部にある細かいシステムについて、より効率的で合理的な体系を構築しようとするのが経営工学です。具体的には、生産システムや人事システム、会計システム、販売システムなどを分析し、知識を深めていきます。ですから、物事を分析したり、問題を細分化して突き詰めたりといったことが得意な人に向いている学問だといえるでしょう。また、効率的なやり方や合理的な方法が好きな人にも、経営工学の考え方は適しています。経営工学は、その名のとおり経営に関して扱う学問ですが、工学の一分野でもあります。研究では、経営上の課題を数理モデルで表し、分析することになります。また、統計やデータ分析などでも、数学は非常に重要になります。もし、理系科目のほうが得意、あるいは数学が得意だけれど経営にも興味があるとしたら、数学の知識を活用しながら、同時に経営システムについて理解を深めていける経営工学は、うってつけの学問だといえるでしょう。
幅広い学びが将来の選択肢を広げる
将来、経営者になりたい、あるいは組織の運営の中枢に携わりたいと考えているとしたら、経営工学の学びは非常に役立ちます。また、経営工学では経営に関する諸問題を科学的に分析し、解決することを目指します。社会のあり方や経済、労働環境などにおける課題を解決したり、もしくは解決するための考え方を学べたりするので、こうした分野に興味がある、問題意識をもっているという人にとっても、有意義な学びを得られるでしょう。もう1つの大きな特徴が、卒業後の進路の選択肢の広さです。生産管理や品質管理が代表的ですが、それだけでも、モノやサービスを提供するすべての企業にとって必要な力です。さらに、人事や会計、情報、環境、そしてマネジメントなど、経営工学には多くの分野、領域があります。これだけの学びが広がっているのですから、それだけ、卒業後の道も大きく広がるというわけです。自分の道を狭めたくない、まだ将来の目標が定まらないという人は、経営工学を学ぶなかで自分の道をみつけるというのもいいのではないでしょうか。

経営工学 学びのフィールド

経営工学は経営に関する諸問題を解決しようとする学問です。経営と一口にいっても、そこにはさまざまな要素がありますから、それぞれについて詳しく知っている必要があります。経営の要素にかかわる多様な学問の知識や手法を、経営工学では応用するのです。例えば、人に関していえば、その考え方や行動を分析するために、心理学をはじめとする人間科学の手法を用いることがあります。また、生産、あるいは販売するものについては、生産管理や生産技術、品質管理についての知識が求められます。これは、機械工学の領域です。お金については経済学、情報については情報工学や通信工学、そして理論や方法を設計するに当たっては、システム工学の学びが欠かせません。

<基礎研究>
●機械工学
機械工学全般の幅広い知識は、経営工学の一分野として基本にある。
●統計工学
複雑に入り組んだ社会のあらゆる出来事を数学的に整理・分析し、事象の説明や予測に応用する。
●情報理論
情報システムをいかに活用するかが、これからの経営の決め手になる。そのために情報をどうとらえるかを学ぶ。
●人間工学
機械が複雑かつ高度になるにしたがって広がってきた人間と機械との間のギャップを埋めるために、心理学、解剖学、生理学的な面から人間本位の設計を研究する。
<個別研究>
●生産管理
一つの商品を生産するための、生産ライン、機械から品質管理まですべての面にわたって理想の生産管理システムを研究する。
●管理工学
生産ラインや機械などの作動を、正常な状態にあるか管理し、誤作動をチェックするためのシステムを研究する。
●環境管
生産過程を含めて企業活動全般が必要とするエネルギー、その結果生まれる排出物などをいかに少ないレベルで抑えるか。そのシステム全体を研究する。

経営工学とは

どんな学問?
経営に関する問題を工学的アプローチによって解決し、効率的で合理的な経営システムを構築しようとするのが経営工学です。経験や勘だけではたどり着けない、経営における真理をみつけるため、種々の問題を数学的に分析。より普遍的で、ムリ、ムダ、ムラのない経営体系を考えます。
・経営を工学的に分析する
経営とは、企業、行政、教育機関や医療機関、NPOといったあらゆる組織において、それを管理し、運営することです。そして工学とは、仮説、試行、分析、改善の一連のプロセスを通じて、社会に役立つ物を生み出したり、物事を実現させる方法やシステムを作り出したりするための学問です。経営工学は、これらを融合した学問。つまり、人や材料、時間やお金といった、経営に関するさまざまな問題を解決し、より効率的で合理的な経営システムを作り出すことを目指す学問です。
・経験や勘ではたどり着けない理論を導く
経営は人が行うものですから、そこには経験や勘による判断というものが存在します。もちろん、それがうまく働くこともありますが、時にうまくいかないこともありますし、それまで何ごともなく回っていた考え方が、時代や場所が変わると途端に通用しなくなってしまうこともあります。さらに、経験や勘を第三者に伝えるのは簡単ではありません。
経営工学は、工学ですから、多くの場合、数学的に物事を分析し、数理モデルによってシステムを構築しようとします。これによって経験や勘だけではたどり着けない理論を導くことができるのです。また、今まで何となくうまくいっていた方法でも、分析することでその根拠が明確になり、モデル化することで誰にでも容易に伝えることができるようになるのです。
・経営者にも労働者にも最善の環境を
経営工学が目指す効率的で合理的な経営とは、ムリ、ムダ、ムラのない経営です。
ムリとは、実行できない計画を立てる、あるいは人や時間、お金といった経営資源を切り詰めすぎること。また、ムダとは、製品の作り過ぎや、お金や時間を過剰に消費することです。そしてムラとは、ムリとムダの間を行ったり来たりするようなことをいいます。どんなに利益が上がっていても、資金削減のために人材を切り詰めて、一人ひとりに大きな負荷をかけているようではいつか破綻してしまいますし、お金や時間をたっぷりかけていい製品をたくさん作っても、それが需要に見合っていなければ利益を上げられません。利益やコスト、労働環境といったすべての条件がうまく調和してこそ、安定して長く続けられる経営が成り立つのです。ですから、効率的で合理的な経営をするためのシステムの確立を目指す経営工学は、経営者だけでなく、そこで働く、あるいは活動する人たちにとっても良い環境を作り出そうとする学問といえるでしょう。
他の学問とのかかわり
経営には、人、物、お金など、さまざまな要素がからんでいます。ですから経営工学を研究するにあたっては、心理学や機械工学、経済学などの知識が欠かせません。また、同じく経営について扱うのが経営学。経営工学が数学的分析に基づいて課題解決を目指すのに対し、経営学は実際の組織運営から方法を学ぼうとするといった違いがあります。
・人、物、金、情報…経営の要素はさまざま
経営工学は経営に関する諸問題を解決しようとする学問です。経営と一口にいっても、そこにはさまざまな要素がありますから、それぞれについて詳しく知っている必要があります。経営の要素にかかわる多様な学問の知識や手法を、経営工学では応用するのです。
例えば、人に関していえば、その考え方や行動を分析するために、心理学をはじめとする人間科学の手法を用いることがあります。また、生産、あるいは販売するものについては、生産管理や生産技術、品質管理についての知識が求められます。これは、機械工学の領域です。お金については経済学、情報については情報工学や通信工学、そして理論や方法を設計するに当たっては、システム工学の学びが欠かせません。
・経営学と経営工学の違いは
経営に関する学問には、経営工学のほかに経営学があります。では、これらはどう違うのでしょうか。
経営学は、社会科学系統、つまり文系に分類されます。簡単にいうと、経営に必要な知識や手法を学ぶ学問です。人、物、お金といった経営資源の管理方法や、流通・販売の流れ、そして経済も含めた市場全般について学び、製品やサービスを売る方法や利益を上げるための方法を考えたり、実際の企業の活動や市場の動きを分析したりしていきます。さらに、そこから経営における課題や、効率的な経営方法を見いだすなど、より実践的で現在の社会情勢に沿った知識や手法を身につけられるのが特徴です。
一方の経営工学は、効率的で合理的な経営のために、ムリ、ムダ、ムラをなくす手法を考える学問です。自然科学系統、つまり理系に分類されますが、経営や経済、人の行動心理なども扱うので、文理融合の学問といえるでしょう。理系的な特徴としては、数学が必須であるということがあげられます。経営上のあらゆる問題を数理モデルにして一般化し、その解決と、実際に使えるシステムの構築を目指すからです。また、工学ですから、追究するのは絶対普遍の真理です。今だけでなくこれから先も通用し続ける考え方や手法を生み出そうとするのが、経営工学というわけです。
まとめると、経営学では経営の全体像を把握し、利益を上げる手法を学び、経営工学では経営の諸問題を数学的に分析し、経営における真理を追究するというふうにいえるでしょう。
何をどのように学ぶか
1、2年次では、心理学や生産管理、経済学などを学んで経営の要素に関する理解を深めると同時に、数学や統計学、プログラミングなど、経営工学の基礎となる力を身につけます。ここで学んだ知識を基に自分の興味の方向を見定め、3年次には研究室を選択。4年次には、集大成となる卒業研究を行います。
・必要な知識を基礎から身につける
まずは、人の行動を分析するための心理学や行動科学、問題を数理的に分析するための数学、データを正しく扱うための統計学といった基礎科目を学習。合わせて、経営工学の基礎を学びます。経営学や経済学、工学的な分析手法など、基本的な知識は1年次に身につけられるようになっています。2年次には、ソフトウエアやプログラミングといった情報系の授業や、生産管理や品質管理といった生産システムに関する授業も設置されています。プログラミングなどの情報系の知識はデータの解析や理論の検証に欠かせません。また、情報社会である現代において、情報も経営を左右する重要な要素となっています。
多くの場合3年次には研究室に配属されます。そこで、多くのデータを正確に読み解くデータ処理や、システムやその課題を数理モデルで表すモデル化の手法を身につけます。課題の数理モデル化によって解決策を求めようとする分野をオペレーションズリサーチ(OR)、または経営科学と呼び、これは経営工学の中でも主要なテーマとなっています。
・経営工学研究の5系統
4年次には卒業研究に取り組みます。研究分野は、生産システム、管理システム、社会システム、情報システム、経営数理の大きく5つの系統に分けられます。
生産システム系は、物資の調達から、生産・販売までの「ものの流れ」を管理し、経済的でスムーズに行うための方法を研究します。管理システム系は、組織が行う活動において、その妥当性を保証し、それが機能的に行われるようにするもので、品質管理や原価管理などがこれにあたります。社会システム系では、企業や社会、そして地球規模の複雑なしくみ全体をシステムとして理解しようとします。そこからそれぞれの関係性を数理的に読み解くことで、経営の改善策を見いだそうとするのです。また、情報システム系では、大規模なデータの収集方法や解析方法を、経営数理系では、組織活動や現象の数理・統計モデル化の手法を探究します。
相互に重なり合う部分はありますが、扱うものやアプローチのしかたが少しずつ異なります。自分の興味を見極めるためにも、1、2年次の学びは非常に重要になります。
こんな人に向いている
数学が得意で経営にも興味がある場合、経営工学はうってつけの学問です。物事を細かく分析したり、効率的、合理的に進める方法を探ったりするのが好きな人にとっても、やりがいがあるでしょう。また、社会のシステムや経済、労働環境について関心がある人にとって、経営工学の扱うテーマは興味深いものでしょう。
・物事の分析や数学が得意なら経営工学
企業経営全体や、その内部にある細かいシステムについて、より効率的で合理的な体系を構築しようとするのが経営工学です。具体的には、生産システムや人事システム、会計システム、販売システムなどを分析し、知識を深めていきます。ですから、物事を分析したり、問題を細分化して突き詰めたりといったことが得意な人に向いている学問だといえるでしょう。また、効率的なやり方や合理的な方法が好きな人にも、経営工学の考え方は適しています。
経営工学は、その名のとおり経営に関して扱う学問ですが、工学の一分野でもあります。研究では、経営上の課題を数理モデルで表し、分析することになります。また、統計やデータ分析などでも、数学は非常に重要になります。もし、理系科目のほうが得意、あるいは数学が得意だけれど経営にも興味があるとしたら、数学の知識を活用しながら、同時に経営システムについて理解を深めていける経営工学は、うってつけの学問だといえるでしょう。
・幅広い学びが将来の選択肢を広げる
将来、経営者になりたい、あるいは組織の運営の中枢に携わりたいと考えているとしたら、経営工学の学びは非常に役立ちます。また、経営工学では経営に関する諸問題を科学的に分析し、解決することを目指します。社会のあり方や経済、労働環境などにおける課題を解決したり、もしくは解決するための考え方を学べたりするので、こうした分野に興味がある、問題意識をもっているという人にとっても、有意義な学びを得られるでしょう。
もう一つの大きな特徴が、卒業後の進路の選択肢の広さです。生産管理や品質管理が代表的ですが、それだけでも、モノやサービスを提供するすべての企業にとって必要な力です。さらに、人事や会計、情報、環境、そしてマネジメントなど、経営工学には多くの分野、領域があります。これだけの学びが広がっているのですから、それだけ、卒業後の道も大きく広がるというわけです。自分の道を狭めたくない、まだ将来の目標が定まらないという人は、経営工学を学ぶなかで自分の道をみつけるというのもいいのではないでしょうか。
卒業後の進路と今後の展望
経営に関するあらゆる分野を学べるので、生産管理、品質管理をはじめ、人事、財務、企画広報など、さまざまな選択肢があります。物事を俯瞰して分析する力は、システムエンジニアやプロジェクトマネジャーとしても重宝されるでしょう。もちろん、起業して経営者になるという道も大いに可能性があります。
・あらゆる業種・職種で活躍できる力
経営工学は、経営に関するあらゆる問題を扱う学問です。具体的には、生産管理や品質管理、ロジスティクス(物流管理)、財務会計、マーケティング、環境マネジメントなどが挙げられます。身につけられる力が多彩なので、卒業後の進路もそれだけ多岐にわたります。
就職先としては、各種メーカー、経営コンサルタント、シンクタンク、金融、流通、商社などが代表的です。職種の選択肢も、生産管理、人事、会計、マーケティングや企画広報など、大きく広がっています。また、全体を俯瞰して課題をみつけ出し、それを改善していくという高いマネジメント力も養われます。この力はシステムエンジニアやプロジェクトマネジャーといった職種をはじめ、多くの場で生かせます。さらに起業して経営者になりたいという場合にも、経営工学は大いに助けになってくれるでしょう。
・日本経済を支える経営工学
日本は今、過剰労働や賃金の低下、過度な予算削減による競争力の低下など、経営に関する多くの問題を抱えています。その一方で、経営工学の手法を活用して、生産現場のムリ、ムダ、ムラを徹底的に排除し、良いものを短時間で効率よく作ることを実現し、大きな利益を上げている企業もあります。これに続こうとする企業はどんどん増えていくでしょう。従って、科学的な分析に基づいて最適な経営システムを設計し、それを改善しながら最適な運用を実現する経営工学的手法の需要がますます高まっていくことは間違いありません。
また、情報社会の発展に伴って広がっているのが、情報系の分野です。ビッグデータを集めて活用したり、コンピュータによって意思決定の補助をしたりと、その活用のされ方は際限がないほどの広がりを見せています。また、経営工学の考え方や手法は企業以外の組織や都市のシステム作りなど、多種多様な場面で応用されるようになっています。これらをまとめて管理工学やシステム工学とよぶ場合もあります。経営工学の扱う領域はこれからも広がり、さらに多くの場面での活躍を求められるようになるに違いなく、日本のこれからの発展を支えていく重要な学問だといえるでしょう。

経営工学の先生に聞く(取材協力:近畿大学 経営学部経営学科 古殿幸雄教授)

こんな研究をしています
経営を行うのは人ですから、その判断には曖昧さといったものが介在します。その曖昧さを受け入れた上で、うまく理論化できないかという課題に取り組んでいます。具体的には、物事を真偽、つまり1か0で判断するのではなく、段階的に評価するファジィ理論を、経営工学に応用する方法を研究しています(近畿大学 経営学部経営学科 古殿幸雄教授)。
・人が経営するからこその曖昧さ
経営工学はより効率的で合理的な経営システムの構築とその最適な運営を目指す学問です。経営は人が行うものですから、そこには人の主観的な判断や曖昧さが含まれます。今まではこの曖昧さは無視あるいは軽視されてきました。そのほうが、モデル化するのが容易になり、分析や改善も簡単になるからです。しかし、そうして作られたシステムは、実際には機能しないことが少なくありません。組織を形作り、経営を行う「人」を排除したシステムでは、現実と差異が生まれてしまうのは当然です。工学は実学ですから、どんなに理論的に正しいものを構築しても、それが現実に使えなければ意味がありません。
私が研究しているのは、そんな人の曖昧さを排除するのではなく、それが含まれることを前提に、上手に処理する方法です。これを解決してくれる理論がファジィ理論です。ファジィ(fuzzy)とは、ぼやけた、曖昧ななどと訳される英語で、ファジィ理論とは、そのものずばり人の曖昧さを論理的に表現しようとする理論です。この理論は、家電や自動運転技術などにはすでに活用されています。
・ファジィ理論の応用で曖昧さをカバー
論理学では、物事は真か偽、つまり、1か0で表されます。しかしこれでは、物が入っているか入っていないか、動いているか動いていないか、気温は10度以上か未満かなど、二者択一の問題しか扱えません。また、同じ二者択一でも、「今日は暑いか否か」という問いはどうでしょう。暑さの基準は人それぞれで、同じ条件でも答えは変わってしまうでしょう。経営工学では経営に関する諸問題を分析し、数理モデルを作ることが主要な課題になります。ですから、こうした1か0かで表せない問題が出てきてしまうと、非常に頭を悩ませることになり、こうした曖昧さはこれまで無視あるいは軽視されてきたのです。
ファジィ理論では、1と0の間に度合いを設けることによって、これらの問題を解決しようとします。暑いか否かといった問題では、暑さの度合いを1~0の間の数値を使って表現するのです。すると、例えば、35度は暑いので1、30度も1、25度なら0.8、20度は0.5、15度は0.2、5度なら暑くはないので0、0度の場合も0のように、段階的に表現できるようになります。これを応用すれば、「暑くなったらアイスクリームを通常の○倍生産しよう」といった曖昧な判断が、「気温がいくつの値になったらアイスクリームを通常の○倍生産しよう」といったように、論理的に導きだせるようになるのです。
この理論がうまく使えれば、これまで経験や勘によってカバーされてきた部分がよりシステマチックにできるようになります。人が判断する部分が減ればそれだけほかのことに力をさけますし、人的ミスによる損失も減るでしょう。経営の効率化に大いに貢献する研究だと信じています。
ファジィ理論の応用で曖昧さをカバー
「人の曖昧さを理論化して経営に生かす術を研究しています」語る古殿幸雄教授
経営工学のここがおもしろい
経営工学の研究は、実社会に役立てることを目的に行われています。ですから、その成果が実際に役立ち、効果が目に見えるというのは大きなやりがいです。また、経営工学でいうところの効率化、合理化、課題解決の考え方は普段の生活にも役立ちます。きっとそれは、人生を豊かにする力となってくれるでしょう(近畿大学 経営学部経営学科 古殿幸雄教授)。
・社会を変えうる、実社会に役立つ研究
工学は実学ですから、経営工学の研究も、実社会に役立てることを目的に行われています。学びや研究が実際の生活で役立てられるというのは、非常にやりがいのあることです。自分の構築した理論が、発見した改善方法が、組織で実践されて、目に見えて効果を発揮する、そんなよろこびを感じられるのです。
もちろん、はじめからどこにでも通用するような素晴らしい理論やシステムが作れることは稀ですし、ましてや大学の4年間でそれを成し遂げるのはさらに難しいことになります。たとえ研究に専心して何かを生み出しても、それをすぐには受け入れてもらえないこともあります。しかし、初めは一つの組織の中の、それも一部分の改善でも、その一部が変わることで、その効果は組織全体の経営にも少なからず影響を及ぼします。その組織の運営が、業界や地域など、ほかの組織にも波及するかもしれません。するとやがて社会に、そして、いつかは国や世界にもインパクトを与えることになるかもしれないのです。
少し大げさですが、経営工学というのはこうした可能性をもった学問だと思っています。もし経営工学を学ぶのであれば、そうした広い視野と志を持って臨んでほしいですね。
・人生を有意義にする力
経営工学は組織の経営をより効率的で合理的に行うための手法を探究する学問ですが、この考え方は日常生活にも応用できます。例えば、実行できない計画や、過剰なコストカット、時間の削減といったムリがないか、だらだらと時間ばかりかけてしまったり、何度も同じことを繰り返したりといったムダがないか、そして自分のやり方にムラがないかなどを検証し、そしてそれを改善する力が、経営工学を学ぶことによって身につきます。そしてこれは、学習や研究をしたり、仕事をしたり、あるいは何か大きな目標に向かって行動したりといったときに、大いに役立ってくれるでしょう。
経営工学は、単に学問として有用でおもしろいというだけでなく、何か問題にぶつかったときにそれを解決するための知恵と、人生を有意義に過ごすための力を授けてくれる学問なのです。
経営工学を学べる学校を探すならスタディサプリ進路