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看護学

看護学

患者のケアを通して、よりよい生き方について学ぶ

看護とは、人がもっている生命力を最大限に引き出し、自分らしく生きるためのサポートをすることです。看護学は、そんな看護の方法を、理論と実践の両面から探究する学問であるといえます。分野は人の発達段階によって、小児、成人、老人などのに分かれるほか、「基礎看護学」や「精神看護学」、「地域看護学」といった分野があります。大学では、1年次は、人を理解するために、哲学や心理学、化学や生物学など、幅広い教養を身につけます。学年が上がるとその学びは徐々に専門的になり、多くは、病院や診療所、福祉施設などでの実習を伴います。現場にでることでさらに知識を深め、技術を磨き、看護の方法を身につけていきます。

看護学の学び方

看護の役割とは
看護とは、生命力を最大限に引き出し、より健康で、自分らしく生きるためのサポートをすることです。これを職業としているのが看護師で、傷病者や産後の女性の診療の補助や療養上の世話を担っています。さらに、看護師に限らず、病気や怪我をした人や障がいのある人を家族がケアすることなども、広義の看護に含まれます。看護の役割は、病気や怪我の治療といった医学にかかわることだけではありません。例えば、病気の中には一生付き合い続けなければならないものもありますし、怪我が治っても完全に元の運動機能が戻らないということもあります。さらに、病気でなくても、老いによってこれまでできたことができなくなることもあります。そういったケースでは、できることが減った不安や落ち込みから、できるはずのことさえできなくなってしまうこともあります。こうした人々の体と心をどうケアし、どうすれば最大限健康に、自分らしく生きられるかを考えるのも、看護の大きな役割になります。看護学とは、こうした看護の方法を、理論と実践の両面から探究する学問です。大学では、臨床、研究に基づいて構築された看護の技術や知識を習得していくことになります。
看護学の分野
看護学の研究分野の区分の1つは、小児、成人、母性、老年といった発達段階による分類があります。ほかに、看護学の主要な概念や理論を体系化する「基礎看護学」や、患者の精神面をケアする「精神看護学」、災害時の看護を考える「災害看護学」といった分野もあります。近年注目されているのは、「地域看護学」や「在宅看護学」です。超高齢社会で、これからさらに高齢者人口の増えていく日本において、病院外での在宅診療や健康管理、そして看護は大きな課題となっています。それを解決していくためには、地域社会での健康・保健にかかわる問題と、その援助について研究を進めていかなければなりません。また、途上国での診療・看護や、感染症など、国際的な看護について考える「国際看護学」も、今後さらに重要になっていく分野だといえるでしょう。
人についての理解から徐々に専門へ
看護学は、人のトータルケアをするための学問ですから、まずは人についての理解を深めなければなりません。そのために、哲学、心理学、倫理学、教育学、生物学、化学など、人文学、自然科学の幅広い分野を学習します。学年が上がると、専門を学ぶための基礎として、医療や人体にかかわる知識を身につけます。医学、薬学、生理学、解剖学、病理学、栄養学、福祉学など学びは多岐にわたりますが、一人ひとりの患者の状態を理解し、支えていくためにはどれも欠かせない知識です。医学部や薬学部などのある大学では、他学部と連携することでより深い理解を促すとともに、チーム医療をはじめとする多職種連携に役立つ考え方を身につけられるように授業を展開しているところもあります。3、4年次にはいよいよ専門科目を学んでいくことになります。「基礎看護学」、「小児看護学」、「老年看護学」、「地域看護学」とさまざまな分野があり、多くが実習を伴います。また、地域の医療機関や行政、企業との連携で、より実践的に学べる場がある大学もあります。卒業資格を得ると、看護師の国家資格試験の受験資格が得られます。試験は毎年2月に行われ、看護学を学んだほとんどの学生は、4年生の秋ごろまでに国家試験に向けた勉強を始めます。
多くの実習で実践力を身につける
看護学を学ぶうえで欠かせないのが実習です。病院や診療所、福祉施設に配属され、まずは施設見学やオリエンテーション、コミュニケーションを経て、本格的な実習に入ります。看護教員や先輩看護師の下、実際に患者を担当しで学びを実践することになりますが、そこは実際の医療現場。教えてくれる人が常にそばにいるわけではありませんから、自分で考えなければならない場面も多く出てきます。簡単ではありませんが、看護の知識と技術を身につけるためには欠かせない過程です。実習中には毎日実習記録をつけることになります。担当している患者の様子や対応などを記録していき、看護教員や先輩看護師のチェックを受けます。慣れるまでは大変ですが、記録したことで自分の成長を実感できたという声も多く聞かれます。また、実際に看護師として働くことになっても、看護記録や日々の申し送りは重要です。実習記録は、そうした意味でも将来役立つ力となってくれるのです。

看護学 学びのフィールド

看護学は、一人ひとりがより健康に、自分らしく生きるにはどのようにすればいいかを探究する学問です。ですから、人にかかわるあらゆる学問が看護学の中には含まれます。具体的には、哲学や心理学、倫理学、教育学といった人文系、生物学や化学といった自然科学系など、さまざまな知識を身につけてこそ、看護の知識と技術が身につくのです。反対にいえば、どんな知識でも看護学を学ぶうえでは役立つといえるでしょう。また、近年盛んにいわれているのが「チーム医療」の推進です。これは、医師や看護師、薬剤師や管理栄養士といったあらゆる医療専門職が連携し、患者中心の治療をしようという考え方です。そうしたしくみが広がっていく中で活躍していくには、看護師であっても、看護学だけでなく、医学、薬学、福祉学、栄養学といった学問の基礎知識をもっていることが求められます。

<医療分野の基礎理論>
●病理学
病気の種類と症状、原因など病気全般の基礎を学ぶ。
●生理学
生体の仕組み、作用、働きなど身体全体を学ぶ。
●生化学
生体の反応、変化の仕組みを理解する。
●栄養学
栄養素の働きや欠乏時の身体の症状などを学び、食物への理解を深める。
●看護論
看護の専門家としての心構え、技術など患者への対処法を学ぶ。
<看護のための一般教養>
●心理学
患者の心の動きやありようなどを深く理解する。
●社会学
社会的立場や人間関係、医療を取り巻く社会情勢などを理解する。
●教育学
看護・指導のための心構えや方法論を学ぶ。
●哲学・倫理学
生と死、病を根本的にとらえ、患者を深く理解するための知識や考え方を学ぶ。


看護学の学び方

看護の役割とは
看護とは、生命力を最大限に引き出し、より健康で、自分らしく生きるためのサポートをすることです。これを職業としているのが看護師で、傷病者や産後の女性の診療の補助や療養上の世話を担っています。さらに、看護師に限らず、病気や怪我をした人や障がいのある人を家族がケアすることなども、広義の看護に含まれます。看護の役割は、病気や怪我の治療といった医学にかかわることだけではありません。例えば、病気の中には一生付き合い続けなければならないものもありますし、怪我が治っても完全に元の運動機能が戻らないということもあります。さらに、病気でなくても、老いによってこれまでできたことができなくなることもあります。そういったケースでは、できることが減った不安や落ち込みから、できるはずのことさえできなくなってしまうこともあります。こうした人々の体と心をどうケアし、どうすれば最大限健康に、自分らしく生きられるかを考えるのも、看護の大きな役割になります。看護学とは、こうした看護の方法を、理論と実践の両面から探究する学問です。大学では、臨床、研究に基づいて構築された看護の技術や知識を習得していくことになります。
看護学の分野
看護学の研究分野の区分の1つは、小児、成人、母性、老年といった発達段階による分類があります。ほかに、看護学の主要な概念や理論を体系化する「基礎看護学」や、患者の精神面をケアする「精神看護学」、災害時の看護を考える「災害看護学」といった分野もあります。近年注目されているのは、「地域看護学」や「在宅看護学」です。超高齢社会で、これからさらに高齢者人口の増えていく日本において、病院外での在宅診療や健康管理、そして看護は大きな課題となっています。それを解決していくためには、地域社会での健康・保健にかかわる問題と、その援助について研究を進めていかなければなりません。また、途上国での診療・看護や、感染症など、国際的な看護について考える「国際看護学」も、今後さらに重要になっていく分野だといえるでしょう。
人についての理解から徐々に専門へ
看護学は、人のトータルケアをするための学問ですから、まずは人についての理解を深めなければなりません。そのために、哲学、心理学、倫理学、教育学、生物学、化学など、人文学、自然科学の幅広い分野を学習します。学年が上がると、専門を学ぶための基礎として、医療や人体にかかわる知識を身につけます。医学、薬学、生理学、解剖学、病理学、栄養学、福祉学など学びは多岐にわたりますが、一人ひとりの患者の状態を理解し、支えていくためにはどれも欠かせない知識です。医学部や薬学部などのある大学では、他学部と連携することでより深い理解を促すとともに、チーム医療をはじめとする多職種連携に役立つ考え方を身につけられるように授業を展開しているところもあります。3、4年次にはいよいよ専門科目を学んでいくことになります。「基礎看護学」、「小児看護学」、「老年看護学」、「地域看護学」とさまざまな分野があり、多くが実習を伴います。また、地域の医療機関や行政、企業との連携で、より実践的に学べる場がある大学もあります。卒業資格を得ると、看護師の国家資格試験の受験資格が得られます。試験は毎年2月に行われ、看護学を学んだほとんどの学生は、4年生の秋ごろまでに国家試験に向けた勉強を始めます。
多くの実習で実践力を身につける
看護学を学ぶうえで欠かせないのが実習です。病院や診療所、福祉施設に配属され、まずは施設見学やオリエンテーション、コミュニケーションを経て、本格的な実習に入ります。看護教員や先輩看護師の下、実際に患者を担当しで学びを実践することになりますが、そこは実際の医療現場。教えてくれる人が常にそばにいるわけではありませんから、自分で考えなければならない場面も多く出てきます。簡単ではありませんが、看護の知識と技術を身につけるためには欠かせない過程です。実習中には毎日実習記録をつけることになります。担当している患者の様子や対応などを記録していき、看護教員や先輩看護師のチェックを受けます。慣れるまでは大変ですが、記録したことで自分の成長を実感できたという声も多く聞かれます。また、実際に看護師として働くことになっても、看護記録や日々の申し送りは重要です。実習記録は、そうした意味でも将来役立つ力となってくれるのです。

看護学の先生に聞く(取材協力:城西国際大学看護学部 井上映子教授)

こんな研究をしています
人の健康を保つためにできることはさまざま。しかし、高齢者にとっては、運動をしたり、食事に気を使ったりといったことが難しいこともあります。では、高齢者の健康を保つにはどのようにすればいいのか。そこで注目したのが、日常生活動作です。例えば、日常生活動作である“おしゃべり”を食事の前に行うだけで誤嚥(むせ)の危険性が減るということが経験からわかってきています。それを理論的に証明し、看護の方法として確立するために、日常生活動作を科学することをテーマに日々研究しています(取材協力:城西国際大学看護学部 井上映子教授)。
・日常生活動作で健康寿命を延ばす
看護というと検温や注射など病院で医師のお手伝いをしているように思われる方もいるかもしれませんが、これは「診療の補助」という仕事です。患者への検査や処置、治療の介助、病状報告など、病気や治療に必要な補助やサポートです。また、看護の仕事には病気や障害をもつ人の生活を支えるという「療養上の世話」があります。病気や障害により一人で身の回りのことができない人に、身の回りの世話をしてその人らしく安心して療養生活を送れるよう手助けをすることです。さらに、看護するのは病人や怪我人とは限りません。人々が健康で、その人らしく健康な生活が送れるように手助けもします。
私は高齢者看護を専門としています。人は歳をとるとともにさまざまな力が衰えていきますが、そのなかで健康を保つにはどうすればいいか、単に長生きするというだけでなく、健康寿命を延ばすにはどうすればいいかということを研究しています。そのなかでも注目しているのが、日常生活動作です。
日常生活動作は、読んで字のごとく、日常生活のなかで当たり前にしている動作です。健康を保つために特別な運動や食事をしましょうといっても、高齢者にとってはそれが難しいというケースが少なくありません。要介護者などになれば歩くこともままならないという人もいます。しかし、運動ができないならできないなりに、できないことに目を向けるのではなく、その人のもつ力、強みは何かをみつけ、その強みを強化して最大限の健康を保つことはできます。高齢者にとって非日常となる負荷を与えるのではなく、日常的な動作をていねいに行うことでその人の生活を豊かにすることが私たちのテーマです。
・おしゃべりが誤嚥性肺炎を防ぐ?
高齢になると、物を飲み込む嚥下機能が落ちていきます。健康な若者でも、飲み物が気管に入ってむせることがありますよね。歳をとるとそれと同じようなことが起こりやすくなってしまうのです。すぐにむせて吐き出せればいいのですが、食べ物や飲み物が誤って肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を起こし、それが元で死に至るということが多くあります。実際、高齢者の死因のなかでも誤嚥性肺炎は高い割合を示しています。
これを解決するヒントが、日常生活動作にあります。それが“おしゃべり”です。“おしゃべり”と飲み込むときの器官は同じで、食事の前に“おしゃべり”をすることで喉の筋肉のウォーミングアップになり、誤嚥(むせ)の危険性が減ることがわかってきています。話す内容は朗読でもよいですが、人と昔話をするという“おしゃべり”にすると満足感ももてることから、“昔話のおしゃべり”は、誤嚥(むせ)予防とこころの栄養になる一挙両得なケアであることが経験から見えてきました。
ただし、経験だけでは看護「学」とはいえません。また、経験を伝えることはできても、「食事の前におしゃべりをする」という曖昧な指示だけでは、現場の担当者も困惑するでしょうし、ケアの効率性や拡大など大きな効果が期待できません。今後、筋電図やサーモグラフィーなどを用いておしゃべりの効果を測定し、どんな話をどのくらいすればいいかというケアモデルを構築して、「経験」を「学問」としていきたいと考えています。
看護学のここが面白い
その人にとって一番いい状態は何かを考え、実現するのが看護の役割。どんな状態がいいのかは、人によって異なります。100人いれば100通りの方法があるのが、看護の難しさであり、同時に面白さでもあり、看護の醍醐味なのです。また、看護が対象とするのは病人や怪我人ばかりではありません。目の前にいる人の苦痛を取り除こうと考えるのは、すべて看護の精神。その考え方は、食品製造や医薬品、衛生管理など、幅広い分野で役立つものとなります(取材協力:城西国際大学看護学部 井上映子教授)。
・百人百様のケア
看護は、人とかかわる行為です。その人が何で苦しんでいるかを理解し、それを取り除く、あるいは、苦痛を感じないような環境を整えるのが看護の役割。ですから当然、看護する相手が変われば看護も変わります。
例えば、空調の設定ひとつとっても、ある人は夏は28度、冬は20度で快適だと感じるかもしれませんが、別の人は夏は20度、冬は28度に設定するのが快適だと感じるかもしれません。あるいは、コミュニケーションを図ろうとたくさん話しかけたところが、相手が萎縮して距離が遠ざかってしまうこともあります。なかには話しかけてもなかなか心を開かなかった人が、質問するのをやめて聞き役に徹した結果、向こうから話しかけてくれるようになったということもあります。
相手が100人いれば、そこには100通りの看護があります。看護する側が最善だと思っても、それがいいこととは限りません。決まりきったマニュアルがないのです。それが、看護の一番の難しさであり、同時に面白さであり、看護の醍醐味なのです。
・看護学が対象とするのは病人だけではない
看護学で探究しているのは、人が最もいい状態であり続ける方法です。その対象は、病気や怪我を抱えた人ばかりではありません。
例えば、健康な人の健康を保つことも、広い意味では看護ですし、病気が治るようにサポートするのも、治らない病気とのうまい付き合い方を考えるのも、病人を支える家族の心をケアするのも、すべて看護です。高齢者を若い状態に戻すことはできませんが、老いたなりに楽しく豊かに健康に過ごす手助けができるのが看護学なのです。
また、妊婦さんをサポートするというのも看護の仕事の一つです。妊婦さんは病人ではありませんが、産前産後の母子のサポートは大事な仕事になります。いうなれば、看護学はすべての人を対象とした学問なのです。
看護学部は看護師になる人が入るところだと思われるかもしれませんが、何もそんなことはありません。保健師や助産師、養護教諭という道もありますし、人の健康をサポートする知識や技術を身につけるのですから、食品や衛生を考える力にも長けているでしょう。もちろん、専門的な学びは決して楽ではありません。それだけに志がないと続きませんが、看護師だけを目指す学部ではないということも、ぜひ知っておいてほしいと思います。
向いている人
人に関心を向けて人の心に寄り添い、理解することが重要な学問ですから、自ら主体的に動き、相手を理解しようとする姿勢が求められます。チーム医療や地域包括ケアシステムなど、さまざまな分野の人々の連携が求められる現代において、看護師の役割もどんどん広がっていきます。本学は、看護学部、薬学部、福祉総合学部(福祉総合学科・理学療法学科)との専門職連携教育を入学時から毎学年実施しており、チーム医療人育成が充実しています。ぜひ主体性をもって、看護学の今後を切り開いていく人材になってほしいと願っています。
・すべての力が看護に生きる
すべての人にかかわる学問ですから、今まで培ってきたものがどんな経験であれ生きてきます。わかりやすい例が性別の差です。看護師というと女性のイメージ強く、実際に女性が圧倒的多数ですが、近年男性も少しずつ増えています。泌尿器科系やがんには男性特有の疾患がありますし、入院生活を送る男児にとっては、男性が近くにいることでロールモデルとなり、成長にいい影響があることもわかっています。こんなふうに、誰の、どんな能力でも必要とされるのが看護なのです。
・求められるのは主体性

その中でもぜひもっていてほしいのが、自ら主体的に取り組む気持ちです。医療は日進月歩しており、診断や治療に必要なサポートに対する知識と技術の学習を怠ることはできません。加えて重要な目的として、その人がその人らしく、健康な暮らしが送れるように支えることを忘れてはなりません。そのためには目の前の人の身体と心、そして社会のなかで生活している人としてしっかり理解し、看護師として何をすべきかを考える必要があります。受け身の姿勢では、それはとても敵いません。自らが主体的に動き、考えることから看護は始まります。
・今後の看護学を支える人材へ
看護学は、まだ歴史の浅い学問です。経験で培われたことが多く、また、病院ごとのルールも少なからずあります。看護師の仕事は「診療の補助」と「療養上の世話」であり、看護師だけが行える独占業務であることをしっかりと理解して、人々の健康回復と健康維持・増進に向けて、人々の健康な暮らしを支える存在になってほしいです。
しかし、今は、チーム医療や地域包括ケアなどが盛んに言われている時代です。医療専門職、医療機関、行政、民間企業などが横のつながりをもち、連携して、予防を含めた医療や、生活者のサポートに当たることが強く求められています。これからは看護師も一専門職としての地位をますます確立していくでしょうし、一人ひとりの心に寄り添うという看護学を学んだ人は、多職種が連携するうえで、欠かせない人材となるでしょう。医療システムが転換を迎える今の時代だからこそ、これからの看護学を、そして医療を支え、先頭で切り開いていける人材が育ってくれることを期待しています。

看護学の学生に聞く(取材協力:城西国際大学看護学部 学生)

看護学を選んだきっかけ
斎藤さん
先天性の心疾患をもっていて、幼いころ入院生活を送っていたんです。家族の支えはもちろんありましたが、ずっとそばにはいてもらえませんよね。そんなときにサポートしてくれたのが、看護師さんだったんです。寂しいときも心細いときもずっと近くにいてくれたので、病気や入院生活を乗り越えることができたんだと思います。
また、出身地の福島で東日本大震災を経験したことも進路に影響しました。あのとき国内外からさまざまな支援を受けて、私もそんなときに人を支えられるようになりたいと感じたんです。それをきっかけに、看護学のなかでも、災害看護や国際看護といった分野に興味をもちました。

宮田さん
母が看護師だったので、その大変さもやりがいもずっとそばで見ていたんです。その姿にあこがれて、看護師になるんだろうなとおぼろげに考えていました。
はっきりと道を決めたのは、高校生のとき。看護師になるとしたらどんなふうになりたいか、真剣に考えたんです。そこで浮かんだのが、地元の医療に貢献したいという思いでした。私の地元であり、本学もある東金市は高齢化が進んでいて、これからますます地域医療や在宅医療が必要とされていく地域です。それを目の当たりにし、看護師になるなら地元のために活躍できるようになりたいと考えて進路を決めました。

小松さん
小さいころから喘息にかかっていて、よく病院に通院していたのが医療関係の仕事をしたいと思うようになったきっかけです。ただ、進路選択のときにも、看護師か薬剤師か悩んでいました。そんな私の気持ちを決定づけたのは、中学の職業体験での看護師さんの言葉でした。看護師さんに「人生の最期にそばにいられる仕事」といわれたのを思い出したんです。人の最期まで関わることができるのは、家族以外には医師か看護師しかいませんよね。もともと人とかかわるのが好きだったこともあって看護師を目指そうと決意しました。大学を調べていくうちに、城西国際大学なら薬学についても深く学べることを知り、ここで学びたいと考えました。
こんなことを学んでいます
斎藤さん
学外のワークショップへの参加や留学経験は、自分の強みになっていると感じます。例えば、災害医療のワークショップに参加したとき、建築学部の学生に会ったんです。災害時の建物の倒壊や救出についての話を聞いて、医学や看護学以外の視点に気づけました。
また、本学では1年次に全員がアメリカで研修するのですが、それは大きな刺激になりました。看護の知識が少ないうちにアメリカの最新医療のすごさを目の当たりにした経験が忘れられず、4年次のインターシップでは自ら志願してアメリカ研修を経験。今度はある程度の知識をもち備えていたので、より深く学ぶことができましたね。さらに、ホストファミリーとの生活で、自分とは違う価値観を知れたのも勉強になりました。文化の違いや宗教観など、日本にいては実感できない違いを感じられたことは、看護師として患者さんを理解していくのに大いに役立つに違いないと思います。

宮田さん
本学では、看護師のほかにいくつかの資格を取得できます。そのなかで私が目指すことにしたのが保健師と養護教諭の資格です。将来、地域医療に貢献したいという目標は決まっているのですが、どういう形でどんなふうにというのはまだ決まっていないんです。だからこそ、できることは全部やろうという気持ちで取り組んでいます。
また、大学のある東金市の取り組みに参加させていただいたのは、貴重な経験になりました。これは高齢化が進むなかで、地域の高齢者をどのようにケアしていくかを考える協議体で、市と地元の企業、病院などが参加しています。そんななか、看護学を学ぶ学生として意見を述べ、同時にさまざまな立場から地域医療、高齢者ケアについての考え方を知り、深く学ぶことができたと感じています。

小松さん
入学当初は、看護師になるための学びだけで精いっぱいだろうと思っていたんです。しかし、学ぶうちにもっと深めたいと感じるようになり、本学が共催している医療人育成を目的とした地域に開かれた医療系セミナーに参加しました。学生事務として運営から発表まで務めたことで、本学の薬学部の学生とも接する機会ができ、看護学と薬学ではものの見方が違ったり、同じ用語でも微妙に意味が違ったりといったことを知ることができ、大いに勉強になりました。
チーム医療や地域医療の重要性が高まっていく現代において、医師や看護師、薬剤師といった専門家が、お互いのものの見方を理解していくこともとても重要だと思うんです。その意味で、学生のうちからさまざまな視点を知ることのできる環境は非常にありがたいですね。
学んでみて感じたこと
斎藤さん
患者さんのなかには、苦しい治療をするくらいなら穏やかに死を迎えたいという人もいます。そういうときはジレンマを感じますね。でも、看護師は生き方から亡くなり方までトータルでケアする仕事。患者さんが一番いい状態でいられるように、最善を尽くせる看護師になりたいです。
将来的には、アメリカでナースプラクティショナーの資格を取得したいと考えています。日本にはない資格なのですが、この資格をもった看護師は、医師の指示なく医療行為ができるんです。これが日本でもできるようになれば、よりトータルで患者さんのケアができるようになります。その日に備えての勉強という位置づけですね
日本では、看護師はまだ医師のサポートという印象が強いですが、チーム医療など、医療専門職の連携が強くなれば、看護師の地位も高まっていくはずですし、そうなっていってほしいと思っています。だからこそ、私自身がこの資格を取得して、日本に広めていければいいなと思います。

宮田さん
看護師、保健師、養護教諭の三つの資格取得を目指して勉強するなかで、看護と一口にいってもさまざまな考え方があるんだということを学びました。立場によっても時代によっても看護のあり方は変わるので、そのとき必要とされることを見極めてできる看護師を目指しています。
看護師としてのキャリアを積んでいったら、将来的には多職種連携マネジメントができるようになりたいと思っています。高齢化が進み、これからは在宅医療や地域包括ケアの必要性が高まっていきます。大きな病院は大掛かりな手術や重症患者を、その他の患者さんは地域の病院や診療所で、といった形も増えていくと思うんです。そんなときに必要とされるのが、各医療機関や地元企業、行政を結ぶマネジメントなんです。どういった立場からかかわるのかなど、はっきりとした姿を思い描いているわけではありませんが、そうした道を探しながら、まずは病院で看護師としての力を磨いていきます。

小松さん
何年かは看護師として病院に勤め、そのあとは、治験の被験者をケアする治験コーディネーターや、感染症研究など、看護学と薬学の両方を生かせる仕事をしたいと考えています。
そして、最終的には大学の教員になりたいですね。私ひとりが直接かかわれる患者さんの数はとても少ないですが、教員になれば、教え子を通して多くの患者さんにかかわることができますよね。そのときに看護学の発展に寄与できるよう、しっかりと学びを深め、技術を身につけていきたいです。

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