土木工学とはどんな学問?
土木工学とはどんな学問?
人々が社会生活を行ううえで不可欠な社会基盤施設(社会インフラ)を作る
道路、鉄道、水道、発電所など、人々が社会生活を行ううえで不可欠な施設、つまり社会基盤施設(社会インフラ)を作るのが土木工学です。そこにはシビアな現実問題があり、それをどうクリアしていくのかを考えるのが、土木工学に課せられた重要なテーマです。
土木工学と他の学問とのかかわり
土木工学の作った社会基盤の上に、建物を建てるのが建築学
建築学とはよく似たイメージをもたれますが、土木工学の作った社会基盤の上に、建物を建てるのが建築学という棲み分けがあります。それ以外にも、さまざまな工学分野や社会科学の知見を使うことから、土木工学は「総合工学」といわれます。
土木工学では何をどのように学ぶか
数学や物理に加え、「三力」といわれる土質力学、水理学、構造力学が基礎に
数学や物理に加え、「三力」といわれる土質力学、水理学、構造力学が基礎となります。また、材料力学や測量学といった分野も学びます。こうした知識の習得を目指すと同時に、各大学ごとに特色ある実験科目で、学びを深めていきます。
土木工学はこんな人に向いている
人との関わりや貢献を直に感じたい人
人々の生活と密接に結びついた学問だけに、人との関わりや貢献を直に感じたい人にはおすすめです。外に出て何かをするのが好きな人、コミュニケーションが得意な人、リーダーシップが取れる人なども向いています。高校時代は幅広くいろいろなことに挑戦すると、土木工学を学ぶ素養が育つでしょう。
土木工学を学んだ後の進路と今後の展望
国家・地方公務員をはじめ、ゼネコンや鉄道、エネルギー産業などに安定的な実績
現在、首都を中心に行われている大規模な都市再開発が終わっても、防災につよい街づくりなど新しい視点が求められ、土木工学の需要は高まっていくでしょう。国家・地方の公務員をはじめ、民間企業でもゼネコンや鉄道、エネルギー産業などといった就職先に安定的な実績を持っているのも土木工学の魅力です。
土木工学の先生にきく
土木工学ではこんな研究をしています
さまざまな環境を想定して、コンクリートの劣化のしかたを明らかに
土木・建築構造物を作るうえでコンクリートは欠かせない素材の一つ。しかし、気温や湿度、風雨、海水などさまざまな自然環境にさらされるため、劣化のメカニズムが複雑で、検証が追いついていないのが現状です。そこでさまざまな環境を想定して、コンクリートの劣化のしかたを明らかにする研究をしています。(芝浦工業大学 工学部 土木工学科 伊代田岳史教授)
河川の氾濫が起きる経緯を探り、どうすれば被害を減らせるのかを考える
記録的な豪雨が頻繁に起こるようになった日本列島。各地で多くの被害が発生しています。こうした状況下で河川の氾濫が起きる経緯を探り、どうすれば被害を減らせるのかを考えるのが私の研究です。他分野とも協働して研究結果を周知するための活動も行っています。(東京理科大学 工学部 土木工学科 二瓶泰雄教授)
土木工学のここが面白い
コンクリートの化学的な性質を明らかにする
しくみが完全に解明されていなくても、必要性や費用といった現実問題の中でちょうどよく折り合いをつけていかなければならないのが土木工学の特徴的な考え方です。そんななかで、原点に立ち返ってコンクリートの化学的な性質を明らかにするのが研究の醍醐味です。(芝浦工業大学 工学部 土木工学科 伊代田岳史教授)
さまざまな現実問題と向き合う「人間臭い学問」
人々の生活に直接的にかかわり影響を与える学問であることは何よりの魅力です。土木工学は人間の生活と自然環境との折り合いを考え、さまざまな現実問題とも向き合わなければならない「人間臭い学問」でもあり、そんなところも魅力といえるでしょう。(東京理科大学 理工学部 土木工学科 二瓶泰雄教授)
もっと先生たちに聞いて見よう

行政・市民と連携し災害被害者ゼロの街づくりを目指す先生
静岡理工科大学 理工学部土木工学科松本 健作教授

地震や豪雨による土砂災害を防ぐ先生
東京都市大学 建築都市デザイン学部都市工学科伊藤 和也 教授

コンクリート構造物の設計と保全を学生と共に研究する先生
北海学園大学 工学部金澤 健先生
土木工学の学生にきく
土木工学を選んだ理由
ものづくりが好き、作るなら橋や道路といったスケールの大きなものを
元々ものづくりが好きで、作るなら橋や道路といったスケールの大きなものを作りたいと思い、土木工学を選びました。(芝浦工業大学 工学部 土木工学科 4年 小笠原拓海さん)
土木関係の仕事をしていた祖父や父に現場に子どもの頃から連れて行ってもらっていたので、土木工学は身近な存在でした。特に橋の作り方に興味があったのが、土木工学を選んだ理由です。(同 澁谷亜香里さん)
「橋を作る人になりたい」と思ったのがきっかけ
小学生のころに本州四国連絡橋(本四架橋)のような大きな橋を見て、「橋を作る人になりたい」と思ったのが、土木工学に興味をもったきっかけです。物理や数学も得意だったので、希望どおり土木工学科に進みましたが、道路や橋を作るために必要な水理学、構造力学、土質力学など思っていたよりも学ぶ内容が深くて驚いています。(東京理科大学 理工学部 土木工学科 4年 伊藤毅彦さん)
こんなふうに土木工学を学んでいます
セメントが固まるところを実演され驚く
測量の演習が印象的でした。機械の扱いに不慣れで始めは手こずりましたが、土木工学らしい演習だったので楽しんで取り組めました。(芝浦工業大学 工学部 土木工学科 4年 小笠原拓海さん)
材料について学ぶ座学で、セメントが固まるところを実演してもらったのが印象深いです。セメントの種類によって固まる速さが違うことに驚きました。(同 澁谷亜香里さん)
自分たちで橋の設計・製作に挑戦
実験科目が魅力的でした。とりわけ印象的だったのが、ペットボトルロケットや川の流れを再現する水理学実験です。また、構造力学実験では自分たちで橋の設計・製作に挑戦しました。どちらも大学での初めての体験だったので刺激的でした。(東京理科大学 理工学部 土木工学科 4年 伊藤毅彦さん)
実際に土木工学を学んでみて
思っていたよりも幅広く、飽きずに学べた
元々「将来のため」という意識はありましたが、この4年間で現場に立ちたいという思いは一層強くなりました。卒業後はゼネコンに就職をして、現場で大きなものを作る仕事をしたいです。(芝浦工業大学 工学部 土木工学科 4年 小笠原拓海さん)
土木工学は思っていたよりも分野が幅広くて飽きずに学べました。学部だけではまだ自分の目指すレベルまで知識が身についていないと感じたので、大学院に進学してさらに知識を深めたいです。(同 澁谷亜香里さん)
土木工学が実社会でどのように生かされているのかを見いだせた4年間
土木工学が実社会でどのように生かされているのかという土木工学の意義を見いだせた4年間でした。防災への興味から河川工学に興味をもち、洪水を予測する技術の開発に挑戦しています。研究を続けるために大学院に進学し、将来は河川の整備に携わる仕事に就きたいと考えています。(東京理科大学 理工学部 土木工学科 4年 伊藤毅彦さん)
もっと在校生たちに聞いて見よう

災害復興から人々の生活をより良いものとするために土木技術者になる
福岡建設専門学校 土木科昼間
妹尾 泰晴さん

将来は学んだ知識を生かし、地方公務員としてまちづくりに貢献したい
大同大学 工学部 建築学科 土木・環境専攻
小澤 綾花さん

橋やダムや高速道路など大きなモノを作りたい。その夢は多彩なことが学べる東海大学で実現できると感じました。
東海大学 工学部 土木工学科
S.Gさん
もっと卒業生たちに聞いて見よう

「土木のプロに何が必要か」を、基礎から学べた経験は一生の財産
修成建設専門学校 土木工学科 卒
嶋本 勝さん

道路整備を通してライフラインを守り、市民の役に立つことを忘れずに働き続けたい
北海学園大学 北海学園大学 工学部 社会環境工学科 社会環境コース 卒
小倉 玲奈さん

「家づくり」を通して、お客様にも、会社にも貢献していきたい
岡山科学技術専門学校 建築工学科 卒
原野 愛菜さん
土木工学に関連する本
全国のオススメの学校
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徳島大学(理工学部)国公立大学/徳島
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新潟日建工科専門学校(建築インテリアデザイン科)実践的な授業で即戦力として活躍できる、建築・インテリア・大工・測量のプロを目指す専門学校/新潟
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法政大学(都市環境デザイン工学科)大学憲章「自由を生き抜く実践知」の精神に基づいた実践知教育を展開私立大学/東京
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日本工学院八王子専門学校(土木・造園科(2年制))専門力と人間力を高める「教育設計図」で、確かな就職・デビューへと導く専門学校/東京
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東京デザイナー学院(建築デザイン学科)好きなことをシゴトに。多様化するデザインの世界で活躍できるチカラを身につける!専門学校/東京
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秋田大学(理工学部)国公立大学/秋田
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愛媛大学(工学部)国公立大学/愛媛
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大阪産業大学(都市創造工学科)学生が主役!つながり続ける「人間力」! 企業や地域との連携プロジェクトが充実!!私立大学/大阪
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崇城大学(建築学科)一人ひとりの心に火をつける!「専門力」「英語力」「発想力」を伸ばす未来人になる!私立大学/熊本
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ものつくり大学(建設学科)理論と実技を融合した工学教育を行う、21世紀をリードする革新的な工科系大学私立大学/埼玉