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材料工学とはどんな学問?研究内容や学び方などを解説

材料工学

現代社会が求める新機能をもつ材料を開発

「そのままでは有効活用が難しい」とされている物質でも、加工することによって利用価値の高い「材料」にできます。このように、新たな材料を生み出すことや、それらを活用するための技術を開発・研究する学問が材料工学です。まず、化学、物理、数学といった科目と、材料工学の基礎を学びます。ここで物質の特性をしっかりと理解し、次のステップとして、現在使われている材料について、実験も交えて身につけていきます。金属、無機、有機材料について横断的に学ぶことで理解を深め、専門的な学びや研究へと進んでいきます。卒業後の進路としては、材料系をはじめとするメーカーが挙げられます。また、大学院に進学して研究をつづける人も多いようです。

材料工学の学び方

自然界の物質を加工し、新たな材料を生み出す

天然資源を精製、加工して、必要な性質と機能をもった材料を開発することを目的とした学問です。そのままではうまく利用できない物質でも、手を加えることによって利用価値の高い「材料」にすることができます。例えば、自動車のボディーなどに使われている鋼板も鉄鉱石を加工したものです。まずは原料である鉄鉱石に炭素を混ぜて高温で熱することで還元反応を起こし、どろどろに溶けた鉄だけを取り出します。これを鋳型に流し込んで成形し、さらに熱を加えたり圧延したりすることによって、強度が高く、かつ加工しやすい鋼板となるのです。このように、そのままでは利用価値のない、または利用することの難しい物質でも、加工によってさまざまな材料に変えることができます。 材料工学が探究するのは、こうした材料を生み出すためのあらゆる知識や技術です。具体的には、原料となる物質の特性、原料の加工方法、新しい材料の開発、材料の活用や加工技術といった領域があります。

ものづくりを支える学問

材料は、金属材料、無機材料、有機材料の3つに大別されます。金属材料はステンレスやアルミニウム、鉄など、無機材料はセラミックスやガラスなど、そして有機材料はプラスチックを中心とした高分子物質を指します。それぞれ特性が大きく異なるため、研究するうえではこのいずれかを選択することになります。 材料に関するすべてのことを扱うだけに研究テーマもさまざまです。加圧や加熱、メッキといった、材料を加工・処理する技術や、複雑な化学反応を正確にコントロールするための技術を研究する、あるいは複数の物質を合成することによって新たな材料を生み出す、加工技術を開発することで材料の用途を広げようとするなど、多彩な切り口があります。ほかにも、新たな材料を評価するための分析評価技術や、産業で活用する際の費用対利潤の評価など、材料を実際に有効活用するための手法を確立することも、材料工学の領域の学問と位置づけられています。 世間では新しい製品が次々と開発されていますが、どんなものを作るにも材料は不可欠です。その開発や活用のために技術を探究する材料工学は、ものづくりの根幹をなす学問といえるでしょう。

材料についての知識を基礎から身につける

まず、数学や化学、物理、そして材料工学の基礎に関する科目を履修します。特に、物質を構成している原子・分子、そして電子などの構造やはたらきを理解し、さらに物質そのものの性質を理解するためにも、化学や物理はしっかりと身につけておく必要があります。化学では、無機・有機・物理化学をバランスよく学びます。物理では、量子力学や統計力学を基礎とした物性物理学や、電磁気学を中心に学びます。この段階で重要となるのが、強度や重さといった物質の基本的な性能と、熱や電気の通し方や腐食性、人体への影響といった物質ごとの特性を知ることです。 基礎を固めたら、今あるさまざまな材料について、その理論と実践技術を学んでいきます。材料といってもその数は膨大で、新しいものもどんどん出てきていますから、すべてを学び尽くすことはできません。数ある中から代表的なものについて、実験をしながら理解していくということになります。材料は金属材料、無機材料、有機材料の3つに大別されます。大学の授業では、なんらかの金属材料と、無機材料からはセラミックス、有機材料からはプラスチックを扱う場合が多いようです。各材料を横断的に学ぶことで、材料についての理解を深め、研究の下地を作っていきます。

研究室で専門的な研究を

3年次には研究室に配属され、より専門的な理解を深め、4年次には卒業研究を行います。研究室によって、扱っている材料は異なりますし、専門領域もさまざまです。ゼロから材料を生み出す研究をしているところもあれば、加工技術に重点をおいているところ、合成に力を入れているところもあります。また、すべてのものづくりにかかわり、その発展への期待が大きい学問であることから、企業との共同研究を行っている研究室が少なくないのも特徴です。研究室によってどのような研究ができるのかはまったく違ってきますから、1、2年次の学びはもちろん、大学を選ぶ際にも、自分がどういった分野に携わりたいのか考えておくといいでしょう。

ものづくりや人々の生活を変える可能性のある研究

材料工学はものづくりの基本となる材料にかかわる学問です。また、新たな材料の開発にも取り組みますから、ものづくりをしたい、ものづくりを支えたいという人にとっては選択肢のひとつになり得る学問といえるでしょう。また、工学の中でも化学に関する知識が重要となるため、化学が得意、あるいは化学実験を通じて答えを出すのが好きならば、学びはよりおもしろいものになるはずです。 さらに、新たな材料やそれにかかわる技術の研究は、人々のライフスタイルを大きく変える可能性をもっています。例えば、プラスチックは20世紀に誕生した比較的新しい材料です。ほかの物質と合成することによってさまざまな性質をもつ材料ができるうえに、軽量で成形しやすいと瞬く間に広がり、さまざまな製品に活用されるようになりました。ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)は誰でも聞いたことはあるでしょうし、「プラ」のリサイクル表記はあちこちで目にしているはず。それだけ私たちの生活に欠かせないものになっているのです。材料はものづくりの基礎となるものですから、たった1つの材料でも、さまざまな製品に影響を与えられる可能性があります。そんなインパクトのある発明がしたいと考えるなら、材料工学が適しているといえるでしょう。

環境問題の解決に最先端の技術で挑む

今、世界で大きな問題となっていることの1つが、環境問題です。地球温暖化や異常気象、大気や水質の汚染などは、産業の発展とともに引き起こされてきました。当然、こうした問題を解決するためには、産業のあり方を変えていかなくてはなりません。材料工学もこの分野に積極的に取り組んでいます。例えば、環境への影響が少ない加工の方法や、自然界で分解できる材料など、さまざまな角度から研究が進められているのです。もし、環境問題に関心があり、それを最先端の技術をもって解決したいという思いがあるのならば、材料工学を選ぶことで、最適な環境が得られるかもしれません。

材料工学 学びのフィールド

材料工学は、その名のとおり材料に関するあらゆることを研究する学問です。自然界の物質の特性を知り、それを加工することで新しい材料を作り出したり、今ある材料に化学的な変化を加えたりほかの材料と組み合わせたりすることで別の特性を付加したり、また、生み出した材料を大量生産したり、実際に活用したりするための技術も研究します。 また、機械工学や電気・電子工学、建築学や医用工学といった、工学系の学問すべての基礎でもありますから、「材料工学がなくては、工学は存在できない」といっても過言ではありません。一方で、材料工学が目指すのは、必要とされる材料の開発とその利用技術の研究です。強くて軽く、成形しやすい材料、通電性に優れ、酸化に強い材料、従来のものよりも環境への影響が少ない材料など、ものづくりに関するさまざまな声を実現するために研究はどこまでも尽きることはありませんし、大きな期待も寄せられています。そういった意味では、ほかの工学系の学問分野が、材料工学の発展の原動力となっているといってもいいでしょう。

<物性・機能研究>

●金属材料
銅や鉛などの金属の精製・加工や、超伝導合金やアモルファス合金、形状記憶合金、ファインスチールなどの新素材を創ったり、そのための技術を開発する。

●無機材料
セラミックス材料を中心に、半導体やシリコン、ファインセラミックス、セラミックスペーパーなど、最先端技術に欠かせない無機の注目材料について学ぶ。

●有機材料
分子量の大きな高分子材料を中心に、新しい性質や機能をもつ材料を創るための研究をする。タンパク質、セルロースなどの天然高分子と、プラスティックや合成繊維など化学合成による石油化学系の材料について学ぶ。

●複合材料
金属、セラミックス、高分子のふたつ以上を混ぜ合わせた新材料や、混合を分子や原子レベルで行うハイブリット材料について学ぶ。

<加工・処理、生産工学>

●加工・処理
材料の腐食防食や、微細加工、レーザー加工など、加工や処理の方法について研究する。

●生産工学
材料の効率的な精製や結晶の育成、省エネルギーでの生産など、生産手法について研究する。

材料工学とは

材料工学ってどんな学問?

有効活用するにはそのままでは難しいとされている物質でも、加工することによって利用価値の高い「材料」にできます。このように、新たな材料を生み出すことや、それらを活用するための技術を開発・研究する学問が材料工学です。物質の性質の研究や、材料の大量生産方法など、材料に関するあらゆることがテーマとなります。

・自然界の物質を加工し、新たな材料を生み出す

天然資源を精製、加工して、必要な性質と機能をもった材料を開発することを目的とした学問です。そのままではうまく利用できない物質でも、手を加えることによって利用価値の高い「材料」にすることができます。
例えば、自動車のボディーなどに使われている鋼板も鉄鉱石を加工したものです。まずは原料である鉄鉱石に炭素を混ぜて高温で熱することで還元反応を起こし、どろどろに溶けた鉄だけを取り出します。これを鋳型に流し込んで成形し、さらに熱を加えたり圧延したりすることによって、強度が高く、かつ加工しやすい鋼板となるのです。このように、そのままでは利用価値のない、または利用することの難しい物質でも、加工によってさまざまな材料に変えることができます。
材料工学が探究するのは、こうした材料を生み出すためのあらゆる知識や技術です。具体的には、原料となる物質の特性、原料の加工方法、新しい材料の開発、材料の活用や加工技術といった領域があります。

・ものづくりを支える材料工学

材料は、金属材料、無機材料、有機材料の3つに大別されます。金属材料はステンレスやアルミニウム、鉄など、無機材料はセラミックスやガラスなど、そして有機材料はプラスチックを中心とした高分子物質を指します。それぞれ特性が大きく異なるため、研究するうえではこのいずれかを選択することになります。
材料に関するすべてのことを扱うだけに研究テーマもさまざまです。加圧や加熱、メッキといった、材料を加工・処理する技術や、複雑な化学反応を正確にコントロールするための技術を研究する、あるいは複数の物質を合成することによって新たな材料を生み出す、加工技術を開発することで材料の用途を広げようとするなど、多彩な切り口があります。ほかにも、新たな材料を評価するための分析評価技術や、産業で活用する際の費用対利潤の評価など、材料を実際に有効活用するための手法を確立することも、材料工学の領域の学問と位置づけられています。
世間では新しい製品が次々と開発されていますが、どんなものを作るにも材料は不可欠です。その開発や活用のために技術を探究する材料工学は、ものづくりの根幹をなす学問といえるでしょう。

材料工学と他の学問とのかかわり

材料はすべてのものづくりに欠かせませんから、材料工学は工学系のあらゆる学問の基礎であるといえます。また、類似の学問に応用化学があります。材料工学は材料というモノを生み出すことを目指しますが、応用化学では化学変化などの現象を活用することも考えるという違いがあります。

・材料工学は工学の基礎

材料工学は、その名のとおり材料に関するあらゆることを研究する学問です。自然界の物質の特性を知り、それを加工することで新しい材料を作り出したり、今ある材料に化学的な変化を加えたりほかの材料と組み合わせたりすることで別の特性を付加したり、また、生み出した材料を大量生産したり、実際に活用したりするための技術も研究します。
また、機械工学や電気・電子工学、建築学や医用工学といった、工学系の学問すべての基礎でもありますから、「材料工学がなくては、工学は存在できない」といっても過言ではありません。一方で、材料工学が目指すのは、必要とされる材料の開発とその利用技術の研究です。強くて軽く、成形しやすい材料、通電性に優れ、酸化に強い材料、従来のものよりも環境への影響が少ない材料など、ものづくりに関するさまざまな声を実現するために研究はどこまでも尽きることはありませんし、大きな期待も寄せられています。そういった意味では、ほかの工学系の学問分野が、材料工学の発展の原動力となっているといってもいいでしょう。

・材料工学と応用化学とはここが違う

材料工学と近い学問が応用化学です。どちらも工学系の学問で、化学の知識や技術を使って、人々の生活に役立つ新たな材料や技術を開発することを目指す学問という点では一致しています。その違いは扱う領域の広さと視点にあります。
応用化学では、理学系の基礎研究である化学の研究成果を、新しい物質や技術の開発に利用しようとします。つまり、まず化学的な現象があって、それを何かに利用できないか考えるというのが基本的な姿勢になるわけです。さらに応用化学では化学的な現象も扱います。例えば、水素と酸素を化合すると水ができ、エネルギーが発生します。これを安全で手軽に使えるように研究を重ねて生まれたのが燃料電池です。つまり、何か具体的な物質を開発するだけでなく、化学変化などの現象を有効活用するための研究も応用化学では行うのです。
一方の材料工学では、ものづくりに必要とされる特性をもった材料を生み出すための研究をします。どちらかというと、こういうものがほしいという願いをかなえるために、化学や物理の知識、技術を活用するという姿勢です。
細かな違いがあるとはいえ、2つの学問は非常に近く、また、応用化学に材料工学が含まれることもあります。大学によっては、これらをまとめて1つの学部・学科としているところもありますから、研究室や卒業後の進路など細かく調べたうえで、自分に合った大学をみつけましょう。

材料工学では何をどのように学ぶか

まず、化学、物理、数学といった科目と、材料工学の基礎を学びます。ここで物質の特性をしっかりと理解し、次のステップとして、現在使われている材料について、実験も交えて身につけていきます。金属、無機、有機材料について横断的に学ぶことで理解を深め、専門的な学びや研究へと進んでいきます。

・材料についての知識を基礎から身につける

まず、数学や化学、物理、そして材料工学の基礎に関する科目を履修します。特に、物質を構成している原子・分子、そして電子などの構造やはたらきを理解し、さらに物質そのものの性質を理解するためにも、化学や物理はしっかりと身につけておく必要があります。化学では、無機・有機・物理化学をバランスよく学びます。物理では、量子力学や統計力学を基礎とした物性物理学や、電磁気学を中心に学びます。この段階で重要となるのが、強度や重さといった物質の基本的な性能と、熱や電気の通し方や腐食性、人体への影響といった物質ごとの特性を知ることです。
基礎を固めたら、今あるさまざまな材料について、その理論と実践技術を学んでいきます。材料といってもその数は膨大で、新しいものもどんどん出てきていますから、すべてを学び尽くすことはできません。数ある中から代表的なものについて、実験をしながら理解していくということになります。材料は金属材料、無機材料、有機材料の3つに大別されます。大学の授業では、なんらかの金属材料と、無機材料からはセラミックス、有機材料からはプラスチックを扱う場合が多いようです。各材料を横断的に学ぶことで、材料についての理解を深め、研究の下地を作っていきます。

・研究室で専門的な研究を

3年次には研究室に配属され、より専門的な理解を深め、4年次には卒業研究を行います。研究室によって、扱っている材料は異なりますし、専門領域もさまざまです。ゼロから材料を生み出す研究をしているところもあれば、加工技術に重点をおいているところ、合成に力を入れているところもあります。また、すべてのものづくりにかかわり、その発展への期待が大きい学問であることから、企業との共同研究を行っている研究室が少なくないのも特徴です。研究室によってどのような研究ができるのかはまったく違ってきますから、1、2年次の学びはもちろん、大学を選ぶ際にも、自分がどういった分野に携わりたいのか考えておくといいでしょう。

材料工学はこんな人に向いている

材料工学はすべてのものづくりの基盤となる学問です。それだけに、1つの材料や技術の開発が、工業や人々の生活を大きく変える可能性をもっています。また、環境に配慮した加工技術や材料の開発にも、積極的に取り組んでいますから、ものづくりから世界を変えたいという人にはぴったりの学問といえます。

・ものづくりや人々の生活を変える可能性のある研究

材料工学はものづくりの基本となる材料にかかわる学問です。また、新たな材料の開発にも取り組みますから、ものづくりをしたい、ものづくりを支えたいという人にとっては選択肢のひとつになり得る学問といえるでしょう。また、工学の中でも化学に関する知識が重要となるため、化学が得意、あるいは化学実験を通じて答えを出すのが好きならば、学びはよりおもしろいものになるはずです。
さらに、新たな材料やそれにかかわる技術の研究は、人々のライフスタイルを大きく変える可能性をもっています。例えば、プラスチックは20世紀に誕生した比較的新しい材料です。ほかの物質と合成することによってさまざまな性質をもつ材料ができるうえに、軽量で成形しやすいと瞬く間に広がり、さまざまな製品に活用されるようになりました。ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)は誰でも聞いたことはあるでしょうし、「プラ」のリサイクル表記はあちこちで目にしているはず。それだけ私たちの生活に欠かせないものになっているのです。材料はものづくりの基礎となるものですから、たった1つの材料でも、さまざまな製品に影響を与えられる可能性があります。そんなインパクトのある発明がしたいと考えるなら、材料工学が適しているといえるでしょう。

・環境問題の解決に最先端の技術で挑む

今、世界で大きな問題となっていることの1つが、環境問題です。地球温暖化や異常気象、大気や水質の汚染などは、産業の発展とともに引き起こされてきました。当然、こうした問題を解決するためには、産業のあり方を変えていかなくてはなりません。材料工学もこの分野に積極的に取り組んでいます。例えば、環境への影響が少ない加工の方法や、自然界で分解できる材料など、さまざまな角度から研究が進められているのです。もし、環境問題に関心があり、それを最先端の技術をもって解決したいという思いがあるのならば、材料工学を選ぶことで、最適な環境が得られるかもしれません。

材料工学を学んだ後の進路と今後の展望

卒業後の就職先としては、材料系をはじめとするメーカーが挙げられます。また、特徴的なのが、大学院進学率の高さです。学生の半数以上が進学する大学も珍しくありません。医療、環境問題や宇宙開発など、最先端の課題に挑戦し続ける材料工学では、研究を続けるやりがいも大きいのかもしれません。

・主な進路は材料系メーカーや大学院進学

新たな材料の開発に挑む材料工学は、すべての工業の基盤となる学問です。卒業後の進路としては、材料系のメーカーはもちろん、電機、自動車、印刷、重工業など、幅広い道があります。また、化学知識と技術を生かして、薬品や食品系の企業で開発や研究に取り組む人もいます。
さらに特徴的なのが、大学院への進学率の高さです。機械工学や電気・電子工学など、ほかの工学系の学部・学科の多くではその技術や取り扱いについて身につけられるのに対し、材料工学では新たな材料や加工技術の開発を目指す、研究に重点をおいた学びになります。そのため、さらに研究を深めたい、自分の技術を高めたいと考えて、大学院へ進む人が多いようです。学生の半数以上が進学するという大学も珍しくはありません。

・医療・環境・宇宙など、最先端の技術を追究していく

今、材料工学の分野で注目されているのが、医療、環境といったキーワードです。これらは世界的な課題、目標であり、それにかかわる研究は、地球規模の問題の解決につながる可能性のある研究ということになります。
人工関節や人工血管、人工臓器といった医学の分野で活用される生体材料は、人体に入れても変性せず、かつ人体に悪影響を及ぼさないものでなくてはいけません。また、人の体という複雑な機構にうまく合わせるためには、精密な加工が容易にできなくてはいけません。
環境問題に関しては、材料を作るための原料の精製や加工段階の技術を工夫するという方法があります。例えば、薬品を使って原料を変質させれば、使った薬剤は廃液となります。また、熱や電圧、圧力を加えるなどの加工には、エネルギーが必要です。こうした部分を工夫し、省エネルギーで環境への影響が少ない方法を探るのです。もう1つの切り口が、環境にやさしい材料を作るというものです。生分解性プラスチックのように微生物が分解できるものや、リサイクル率の高い材料ができれば、今ある問題を少しは解決できるかもしれません。
ほかにも、宇宙研究・開発のための、宇宙の厳しい環境にも耐えうる材料の研究なども行われています。その時々のニーズに合わせて、常に最先端の技術を生み出す。それが材料工学の重要な役割なのです。

材料工学の先生に聞く(取材協力:山形大学大学院有機材料システム研究科 西岡昭博教授)

材料工学ではこんな研究をしています

プラスチック材料をはじめとする高分子材料について、その成形技術に関する研究をしています。材料に新たな性質をもたせたり、高品質で生産しやすい加工方法を確立したりすることが目標です。また、そこで培われた技術を食品加工にも応用することで、米粉100%のパンなど、今までになかったものを実現しています。(山形大学 工学部 高分子・有機材料工学科 西岡昭博教授)

・思いどおりのプラスチック材料を実現するために

数ある材料の中でも、私が専門に扱っているのがプラスチックをはじめとした高分子材料です。そして、主とする研究テーマは、レオロジーの制御についてです。
レオロジーとは、高分子材料の流動や変性を扱う学問のことをいいます。プラスチックなどの高分子材料を成形するときには、まず材料を溶かし、次に型に流し込み、最後に冷やし固めるという手順を踏みます。ですから、高温で溶かしたときの材料の性質(粘りなど)が製品の質に大きく影響するのです。思いどおりの加工を実現し、質の高い製品を作るためには、レオロジーをどのように制御すればよいか、それを研究しています。
もう一つの大きなテーマが、プラスチックコンポジットと呼ばれるものです。これは、プラスチックに別の材料を混ぜることで、元の材料の特性を強化したり、あるいは別の特性を付与したりすることを指します。例えば、硬さはあるけれど衝撃には弱いプラスチックに、衝撃に強いプラスチックを混ぜることで、硬く、衝撃に強い材料になります。これと同じように、必要に応じた性質をもつ材料を自在に作り出せるようになれば、ものづくりは大きく発展するというのがこの研究の醍醐味です。

・高分子材料の成形技術を食品に応用

材料工学は、新たな材料とその周辺技術の開発を目指す学問ですが、物質を分子や原子のレベルで理解し、加工する技術は他の分野にも応用することができます。そして、私たちが実際に研究を進めているのが、食品加工への応用です。まさに異分野技術の融合です。
2000年初頭から米粉を用いたグルテンフリー食品の開発を進めています。米粉パンは今では家庭の炊飯器などでも作られるくらい一般的になりましたが、ほとんどの米粉パンは、きれいに膨らませるためにグルテンを添加していました。せっかくお米を原料にしていても、これではグルテンアレルギーの人は食べられません。しかし、米粉100%で作ろうとすると、今度はうまく膨らまず、ぺしゃんこになってしまうのです。
この問題を解決するために活用したのが、プラスチック成形の技術でした。パンの断面にはいくつもの気泡がありますが、これは発泡スチロールのような成型品と同じ構造です。発泡スチロールなどを作るときには、高い粘度のプラスチックと、低い粘度のプラスチックを混ぜ合わせ、発泡に適した粘度にします。それと同じように、お米を普通に粉砕しただけの「結晶性米粉」と、加熱しながら粉砕することで炊いたご飯のような性質をもたせた「非結晶性米粉」を混ぜ合わせてみることにしたのです。結晶性米粉は水を加えても粘りが出ませんが、非結晶性米粉は強い粘りが出ます。このねらいは的中で、うまく混ぜ合わせることによって、米粉100%のパンを作ることに成功しました。
現在は、パンに限らず、さまざまな食品について、新たな可能性を見出いだすことができないかと研究しています。高分子材料と食品という一見して無関係に見える2つの『材料』が、私の研究の柱となっているというわけです。

高分子材料の成形技術を食品に応用
高分子材料の研究に取り組んでいる西岡昭博教授

材料工学のここがおもしろい

分子レベルの違いによって、物質の特性はさまざまに変わります。こうした違いについて知るだけでも、見える世界はきっと豊かになるでしょう。また、材料はものづくりの基盤ですから、材料工学の発展が他の分野の発展に大きく貢献します。材料工学は私たちの生活を大きく変えるかもしれない、やりがいある学問分野です。

・分子レベルの違いが特性の違いを生む

材料工学ではさまざまな材料を扱いますが、原料が同じでも、特性に大きな違いが出ることがあります。例えば、プラスチックとひとまとめにいっても、衝撃に弱いけれど硬いもの、熱や溶剤に強いもの、ダメージに強く、薄くのばすことが可能なものなど、それぞれに特徴をもった数多くの種類があるのです。反対にいえば、これらの材料はすべて先人の研究から生まれたものですから、ちょっとした工夫でさまざまな性質をもった材料を生み出せる可能性があるということになります。その可能性の大きさは、材料工学を研究するうえでの大きなやりがいになります。
また、こうした性質の違いは、分子や原子といった、普段は目に見えない、意識することのないスケールでの違いが影響しています。そうした小さな世界のちょっとした違いが、物の特性に大きな影響を与えるのです。それを知るだけで世界の見え方は変わるでしょうし、身の回りにあるものへの興味や関心もおのずと高まってくるのではないでしょうか。

・一つの発見が大きな可能性となる

もう一つのおもしろさ、そしてやりがいとなるのは、材料工学の発展が、他の学問分野の発展につながるという部分です。材料は、すべてのものづくりの基盤となるものです。新しい材料や加工技術が生まれれば、当然、それを応用した新たな製品が生まれます。たった一つの材料・技術でも、使い方は無限に広がっています。もしかしたらそれが、私たちの生活を大きく変えるものになるかもしれません。
また、私たちの研究室では高分子材料の成形技術を生かした食品加工の研究も行っています。そこでは、発泡スチロールなどの作り方を応用して米粉100%のパンを作ることに成功しました。こうした例は稀かもしれませんが、工学系の分野以外にも、その技術を応用できる可能性は十分にあり得るのですから、興味は尽きません。
材料工学は、人々の「欲しい」をかなえ、また、今ある問題を解決するための第一歩となる学問です。ものづくりを、そして人々の生活を豊かにしたいという気持ちがあれば、ここでの学びは非常に有意義なものとなるに違いありません。

一つの発見が大きな可能性となる
「こんなプラスチックが欲しい」をかなえる研究です

材料工学の学生に聞く(取材協力:山形大学)

材料工学を選んだ理由

高校1年生のときから大学は決めていましたが、学部や学科は未定でした。興味をもてる分野を探しているときに、ミラノ万博に出展された「でんぷんからできた皿」を見て、驚くと同時に興味をもち、また、環境問題の解決の糸口になると考え、材料工学に進もうと決意しました。(山形大学 工学部 高分子・有機材料工学科 学生)

・1枚の紙皿がきっかけに

尊敬していた高校の先輩が山形大学にいたので、高校1年生のときから大学は決めていました。その中から興味がもてるものを探したところ、たどり着いたのが材料工学だったんです。惹かれたきっかけは、1枚のお皿でした。ミラノ万博にも出展されたものなのですが、それはでんぷんから作られたものだったんです。それを見て、でんぷんからプラスチックが作れることに驚き、また、これなら環境問題の解決にも役立つのではないかと期待が膨らみ、ぜひとも研究に携わりたいと考えて、材料工学を志望しました。

・高専での学びから、もっと深めたいと思った

中学生の頃からものづくりは好きだったのですが、同時に医療分野にも興味がありました。医療系を志すことも考えたのですが、医学部はなんだかしっくりこず、親の勧めもあって高等専門学校を受験しました。そこでものづくりに関するさまざまな知識を身につける中で興味をもったのが材料工学でした。さまざまな分野があり、また、一つの材料や技術を幅広く応用できる可能性のあるところにおもしろみを感じ、高等専門学校を卒業して、3年次から大学に編入することを決めました。

高専での学びから、もっと深めたいと思った
材料工学を学ぶ学生たち

こんなふうに材料工学を学んでいます

再生繊維やセルロイド、バイオマスエタノールの生成などに活用されるセルロース。これを化学的に合成しようとすると、酸や有機溶媒を使うことになり、環境に悪影響を及ぼします。そうした問題をクリアしながら、より耐熱性に優れたセルロースができないかと、その合成方法などを研究しています。

・でんぷんと樹脂を合成し新たな材料を生み出す

私が研究しているのは、樹脂にでんぷんを混ぜることで新たな特性を付与できないかということです。すでに、微生物によって分解できる生分解性プラスチックは存在しますが、これと同じように、加工しやすく、環境にもやさしい材料を生み出せないかと考えています。今のところ、できる材料は水に弱く、まだまだ改良の余地はあります。合成比率やそれぞれの物質の分子構造、合成の段階での処理のしかたなど、あらゆる観点から工夫をしながら、実用に耐えうる材料を作りたいです。

・環境に配慮した、セルロースの合成方法を探る

私の研究テーマは、セルロースについてです。これは食物繊維とも呼ばれる炭水化物の一種で、その性質から、レーヨンやアセテートなどの再生繊維や、セルロイドに使われたり、バイオマスエタノールの生成に利用されたりしています。これの耐熱性を上げることで、さらに広い分野に応用できるのではないかというのが研究の目的です。セルロースは、化学的に合成しようとすると、酸や有機溶媒など、環境に悪いものを使わざるを得ません。こうした問題を解決する新しい合成方法や、作ったものの活用方法などを研究しています。

材料工学を学んでみて

材料工学では、原料となる物質を分子や原子のレベルから理解することが求められます。また、材料や技術ができても、実用化するためには、コストや環境への影響など、クリアしなければならない問題はたくさんあります。これらすべてを解決するのは大変ですが、その難しさが大きなやりがいになっています。

・一つひとつ課題をクリアしていくおもしろさ

材料について理解するには、原料となる物質を分子構造から理解し、その加工方法や化学変化による変質などまで学ばなくてはなりません。たとえ何かを開発できたとしても、生み出した材料や技術を活用するためには、そのコストと効果が見合っていなければならないなど、多くの課題が立ちふさがります。また、現代の人々の要求にこたえるには、環境問題といった課題も見逃せません。学ばなければならないこと、クリアしなければならないことが多いのは大変ですが、その難しさはやりがいにもなります。一つひとつ課題を解決していくのは、とてもおもしろいですよ。

幅広い分野があることのおもしろさと可能性

材料と一口にいってもその幅は広く、また、同じ研究室でもいろいろなものを扱っている人がいます。それだけの幅広さが、材料工学の魅力の一つだと思います。学んだことや研究成果が思いもよらない分野に応用できることもあるので、そうした可能性を考えるとどんどんおもしろさは広がっていくような気がしますね。研究をするにつれてその楽しさがわかってきたところなので、大学を卒業したら大学院に進学し、さらに学びを深めたいと思っています。

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