考古学とはどんな学問?
考古学とはどんな学問?
ヒントと答えはすべて地中に
中学や高校の社会の授業で、旧石器時代や縄文時代の人々の暮らしぶりを学習したと思いますが、文字のない時代のことですから、手掛かりは遺跡から出土した遺物以外にいっさいありません。ヒントと答えはすべて地中にあるのです。そこで彼らが生活した場所(遺跡)を発掘調査します。こうした学問を考古学といいます。
考古学と他の学問とのかかわり
自分に合った分野を選ぶことが大切
考古学には歴史学や文化人類学、自然人類学、文化財科学など、類似する学問がいくつかあります。大学選びにおいてはそうした学問との違いを理解したうえで、自分に合った分野を選ぶことが大切でしょう。またテクノロジーの進化によってこれまでわからなかった事実がより詳細に判明するようになっています。現在の考古学はこうした領域間をまたぐような研究も盛んに行われています。
考古学では何をどのように学ぶか
実習を通して発掘調査の技術を身につける
考古学を学べる学科としては、「歴史学科」「史学科」「文化財学科」「歴史遺産学科」などがあります。これらの学科では、考古学の歴史や国内外の地域史を学びながら、実習を通して発掘調査の技術を身につけるというのが一般的です。
考古学はこんな人に向いている
発掘調査の仕事に就く先輩も
意外と知られていませんが、国内では毎年約9000件の発掘調査が行われており、学生時代に身につけた調査技術を生かして、発掘調査の仕事に就く先輩もいます。また学芸員として文化財の保護・活用に携わるという選択肢もあります。
考古学を学んだ後の進路と今後の展望
さまざまな学問領域への興味も必要
考古学を学ぶうえでは、歴史に関心があることはもちろん、さまざまな学問領域への興味も必要になります。さらに発掘調査には忍耐強さやチームワークが欠かせません。また、発掘後には小さな破片をつなぎ合わせて修復することから、細やかさも求められます。
考古学の先生にきく
考古学ではこんな研究をしています
古代エジプト文明の真相を探る
私が専門とするのは、古代エジプト文明。ピラミッドやツタンカーメン王の黄金のマスクなどに代表される、とてもユニークな文化を築いた文明です。研究するうえでは発掘調査によって発見されたミイラや生活道具、美術品、さらに文字による記録を手がかりにして、歴史の真相を探ります。(駒澤大学 文学部歴史学科 外国史専攻 大城道則教授)
人々の暮らしを物語る遺物はすべて研究対象
縄文時代が私の テーマです。その時代に生きた人々がどんな暮らしぶりだったのか、どんな社会であったのかを研究しています。人の骨や土器や石器、どんぐりの実や魚の骨といった食べ物など、当時の人々の暮らしを物語る遺物はすべて研究対象になります。また研究の成果はわかりやすく、合理的に説明することが大切です。複雑な難問も最後には美しく解ける数式のように説明したいと心がけています。(明治大学 文学部 史学地理学科考古学専攻 阿部芳郎教授)
考古学のここが面白い
新たな遺跡が発掘されれば大発見!というロマン
新たな遺跡が発掘されれば大発見!というロマンがあるのが考古学。なかでも古代エジプト文明には、ピラミッドはなぜ造られたのか、ツタンカーメン王はなぜ死んだのかなど、研究しがいのある謎が多い地域ですね。(駒澤大学 文学部歴史学科 外国史専攻 大城道則教授)
骨や石や木などのさまざまな遺物から想像力を働かせる
縄文時代には文字がありません。ですから、文献も残されていません。したがって、当時の様子を知るのに、記録を頼りにすることはできません。 そこで、土の中から出てきた骨や石や木などのさまざまな遺物を分析し、そこから想像力を働かせていくのですが、それこそが考古学の醍醐味です。科学の進歩とともに化学や数学といった理系分野との学際研究が著しく進んでおり、その結果、さまざまな新しい発見によって定説が覆されるというのも珍しくありません。(明治大学 文学部 史学地理学科 考古学専攻 阿部芳郎教授)
考古学の学生にきく
エジプト史学・外国史学を選んだ理由
謎が多いことに魅力を感じ、考古学にあこがれ
高校で一番好きな授業といえば世界史で、なかでもエジプト、メソポタミア文明にひかれました。その魅力は謎が多いこと。そうした謎に迫るのが考古学と知り、あこがれるようになりました。(駒澤大学 文学部 歴史学科 3年 小野詠美さん)
考古学を選んだ理由
古いものの中へ隠された物語に興味しんしん
子どものころから、町の片隅にお地蔵さんや石碑をみつけると、なんでここにこんなものがあるんだろう? と不思議に思い親や周囲の人に疑問をぶつけたりしていました。その後も家族旅行で遺跡めぐりなどをするうちに、古いものに隠された物語に興味が沸くようになり、受験のころには考古学を学んでみたい! と思うようになっていきました。(明治大学 文学部 史学地理学科 考古学専攻 3年 竹林香菜さん)
こんなふうに考古学を学んでいます
古代エジプト王国の研究
外国語で書かれた文献を読みながら、古代エジプト王国の研究をしています。高度な科学技術とユニークな文化をもった文明で、建築、美術、政治、宗教などいずれも興味深いですね。サークル活動では考古学研究会に入り、仲間と歴史談話を楽しんでいます(駒澤大学 文学部歴史学科 外国史専攻3年 小野詠美さん)
遺跡の発掘調査と出土品の分析は欠かせない知識
考古学を学ぶうえで、遺跡の発掘調査と出土品の分析は欠かせない知識です。「考古学研究法」という授業では、実際の出土品を手に取って観察したり、「拓本」といって出土品を図化する方法などを学んでいます。「考古学実習」という授業では、実際に遺跡で発掘調査を体験します。自分の手で遺物を掘り出すのは、ワクワクする瞬間です。(明治大学文学部史学地理学科考古学専攻3年 竹林香菜さん)
実際に考古学を学んでみて
現在の私たちの社会にも通じる
考古学を学ぶことの魅力は、今を知ることにつながることです。考古学を通して過去の人々が作り上げた文化、宗教、建築、政治などを知ると、現在の私たちの社会にも通じることが多いと感じます。(駒澤大学 文学部歴史学科 外国史専攻3年 小野詠美さん)
自分の手で遺物を掘り出す
考古学を学ぶうえで、遺跡の発掘調査と出土品の分析は欠かせない知識です。「考古学研究法」という授業では、実際の出土品を手に取って観察したり、「拓本」といって出土品を図化する方法などを学んでいます。「考古学実習」という授業では、実際に遺跡で発掘調査を体験します。自分の手で遺物を掘り出すのは、ワクワクする瞬間です。(明治大学文学部史学地理学科考古学専攻3年 竹林香菜さん)
もっと在校生たちに聞いて見よう

日本伝統文化の着物を学問として突き詰め、後世に継承していきたい
鶴見大学 文学部 文化財学科
加藤 美優さん
もっと卒業生たちに聞いて見よう

博物館を訪れて興味や知識を増やしてみよう
別府大学 文学部 史学・文化財学科 日本史・アーカイブズコース
高木 翔太さん
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