最近は上司と部下のコミュニケーションが減り、リモートワークが増え…働き方は変化し若手が仕事を覚えることが難しくなっています。
成長できる環境がないのに、現場は「即戦力」を求める。上司もどう対処すべきかわからない。そんな状況を解決に導くのが私の専門「産業・組織心理学」。若手と上役がお互いを理解しあい、仕事を円滑に進められる仕組みやコミュニケーションのあり方などを研究し、企業研修も行います。
学生にはキャリア教育やインターンシップの指導をしてきましたが、心理学の授業でも毎回必ずグループワークを取り入れ、人間関係を良好に保つことや、集団の中でうまくいった体験を積み上げてもらうようにしています。学生達が安心できる環境を用意すれば、やがて自分の力で走っていけるようになります。これも心理学の知見なんですよ。
宮本先生は1年前期の「リーダーシップ開発演習I」を担当。経営学科の新入生は必ずこの科目を履修する。
リーダーシップといっても「絶対的な権力者」を目指すのではなく、得意分野や状況などに応じて柔軟に他者に働きかける能力を養っていく。その基礎として、まずは学生達の人間関係の構築から始めるのが先生のやり方だ。
お互いがお互いの鏡となり、耕しあえるような関係ができてこそ、それぞれの長所に気づき、発揮し、伸ばしていけるようになる。「そのための舞台を用意するのが私たちの仕事です」と先生は胸を張る。
卒業時には、見違えるほど逞しくなった学生をたくさん見てきました。大学の4年間はそのくらい濃密な時間。みなさんもこの学校を出る頃には、今からは想像できないような自分になっているはずです!
専門:産業・組織心理学、臨床心理学
九州大学大学院人間環境学府行動システム専攻博士後期課程修了。博士(心理学)、公認心理師、臨床心理士。前任校ではキャリア教育やインターンシップを担当。2023年度に北海道武蔵女子短期大学経済学科准教授に着任、2024年度より現職。スクールカウンセラーや発達教育センターでの教育相談員としてのキャリアもあり、幅広い経験も研究の強み。