4人兄弟の環境からか、 昔から人と一緒に遊ぶことが好きだった。 一人でゲームをするよりも、 みんなとしたいし、その方が何倍も面白かった。 一方で、幼い頃から自分用のおもちゃを作ったり、 ものづくりをする時間も好きだった。 大学進学を決めるときに、たまたま授業の中で 自分の身の回りにあるものが科学の力でできていることを知り、 理工学部へ目指すことにした。 その中でも、父がかつて通っていた 関東学院大学について教えてもらい、 色々なことが学べるここがいい、と入学を決めた。
「研究室の広報をお願いー。」 わたしが所属する研究室の先生から ある日突然言われた一言が、 きっと人生のターニングポイントだったと思う。 それまでろくに触ってこなかったSNSを駆使して、 100人程度だったフォロワーは気がついたら数千人になっていた。 研究のこと、イベントのこと、研究室のこと 自分が良いと思うことを、人にどうしたら伝えられるかを トライ&エラーしていくことが楽しくてしょうがなかった。 気がつけば、就職活動を控えていた4年生のわたしは、 大学院生として研究室に残っていた。
「最初はあんなに消極的だったのにね」 よく言われることだけれども、 企業連携をした方と臆せずにわたしが話す姿からは 想像できないかもしれない。 友野研究室に入ってから 本当にたくさんの社会人の方と話す機会が増えた。 時には企業の社長たちの懇談会に、 先生が帰ってからも残って話を続けることもあったし、 企業に取材をしてPR冊子を作ったり、 イベントを運営したりもした。 ただ参加しただけでなくて、社会人の人たちと一緒に 自分たちが運営側として活動してきた時間が 積極的な自分へ変えてきたんだと思う。
研究をしていると、 自分が想像していた結果がでないことは、度々起こる。 先輩から「数値が上がる」と教えてもらった 内容を実験したら逆の結果がでて焦ったことがあった。 そんな時に「その結果、面白いね。」 と言ってくれた先生の言葉はまさに衝撃だった。 研究に、失敗はない。あるのは結果だけ。 それをどう活かすか。だから恐れる必要はない。 今わたしが色んなことに挑戦できるのは、 きっとそんな研究マインドを教えてもらったからだ。
リサイクルを軸にエネルギー創生と貯蓄に取り組む研究室。産学官のイベントにも積極的に参加し、学生たちの能動的な力を育む。
わたしの居心地の良い場所をあげるとすれば 実家と研究室と、あとはバイト先の居酒屋。 アルバイトは辞める理由がなければ 続けるだろうなと思っていたけれど、 辞めたくない理由ばかりが増えていった。 店長、同じ大学のバイト仲間、常連客… たくさんの好きな人たち。 自分が試行錯誤しながら、 おすすめしたメニューを頼んでくれる楽しみ。 わたしにとってバイト先は、 仕事であると同時に、癒やしの場所だ。
学部を卒業する前は、 なんとなく理工学部だから 品質管理や生産管理の仕事がいいかなと思っていた。 だけど、研究室の広報をしたり、 たくさんの社会人の人と話したりする中で 先生からの後押しもあり、 技術営業が向いていると思えるようになった。 兄弟がいるわたしにとって経済面を考えても 大学院への進学のハードルは低くはなかった。 だけど、この2年間があったからこそ、 やりたいことが見つけられたんだなと改めて思う。
「わたしの軸は?」と聞かれれば きっと楽しいかどうか、だと思う。 今も楽しくて、過去も楽しくて。 未来も絶対に楽しくしたい。 どれだけ大変でも、どれだけ苦労してもいい。 その中で新しい出会いや学び、新しい発見があれば わたしはきっと楽しめる。 そして、それを自分の大切な人や多くの人と 分かち合えればいいなと思う。
阿部さんの参加団体
1,000社以上の事業所が集積する全国でも有数の横浜市金沢臨海部産業団地の魅力を伝えようと、産学官が協働して誕生。友野研究室からもイベントの主催者として多数学生が参加。
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