親の影響もあるけれど、 子どもの頃からなんでも恐れず飛び込むタイプ。 ピアノ、スイミング、バレエ、そろばん…。 挑戦した習い事は数えきれない。 やってみて、嫌だったらやめる。 そう思って生きてきた。 そんな私に高校2年生で舞い込んだ カナダへの1年間の留学の話。 特に英語は好きじゃなかったし、話せない。 海外に一人で行った経験もない。 そんなことはどうでもよかった。 とにかく行ってみたかった。 世界にはどんな人がいて、どんな景色が待っているのか。 ワクワクが止まらなくて、日本を飛び出した。
今なら笑い話。でも、当時の私にとっては 悲劇でしかなかった。 旅先で待ち受けていたのが、 トランジット問題(飛行機の乗り継ぎ)。 初めての空港で右も左もわからない。 道行く人に拙い英語で尋ねながら、 とにかく乗り継ぎ場所まで全力疾走。 それでも遅かった。 掲示板に光る“ファイナルコール”の文字。 結局、飛行機に乗せてもらえなかった。 「どうしよう…。」 まだ、ホームステイ先に着いてもいないのに、 日本に帰りたくて仕方なかった。
それから新たに航空券を買って、 なんとか辿り着いたホームステイ先。 台湾人のマザーとファザーの家だった。 「え?カナダ人じゃないの?」 想定外はその後も続いた。 英語じゃなくて中国語が飛び交う家の中。 「英語を勉強しに来たのに…」 モヤモヤが頂点まで達し、最終的には、 ホストファミリーを変えてもらうことにした。 思い返せば困難も多かったけれど、 たくさんの海外の友達、 忘れられない景色と出会えた1年だったと思う。 特に鮮明に覚えているのが 友達と行った「ナイアガラの滝」。 滝が水面に打ち付ける、大迫力の音と光景が 今もまだ忘れられない。
「英語をもっと学びたい」、 「もっと話せるようになりたい。」 そう思って選んだのが、関東学院大学。 一番の決め手は、グローバル人材の育成を目指す 「GAP制度」があったこと。 授業の60%以上を英語で受講できるプログラムや、 最大40万円の留学費の補助も受けられる。 もう一度、留学を考えていた私にとっては うってつけの制度だった。 授業もカナダの授業に近い。 先生はネイティブで、話していいのは英語のみ。 周りの仲間もレベルが高い人たちばかり。 「負けたくない。」 仲間の存在が私の英語力をさらに高めてくれている。
留学を疑似体験できる「English Camp」への優先受講や最大40万円の留学給付金など、次世代のグローバル人材の育成を目指した英語文化学科の特別プログラム。
英語以外にも夢中になっているのが昆虫食。 「昆虫食をテーマにした活動を一緒にしない?」 きっかけは友達に誘われたこと。 「サークルも入ってないし、やってみるか」。 ここでも何でも挑戦してみる性格が出た。 「どうすればいろんな人が食べたくなるかな?」 毎週月曜日にメンバーで集まって、 昆虫食について話し合い、時には味わうことも。 この前は、コオロギのせんべいを食べた。 「えびみたいでおいしかった。」 今後は昆虫食レストランにもみんなで行く予定。 学部外のメンバーとも関われるのが嬉しくて、 いつも毎週月曜日が待ち遠しい。
ゆとりのある日はひと駅離れた「金沢文庫駅」から 大学まで、40〜50分かけてゆっくり歩く。 すれ違う人を目で追ったり、 海が見られるベンチで立ち止まったり、 川を泳ぐ魚を眺めたり。 英語に目覚める前までは、イルカの調教師になりたかった。 水族館でイルカと泳ぐプログラムに参加して心が惹かれた。 トレーナーになるための専門学校に見学へ行ったこともある。 人生何が起こるかわからない。 英語に出会わなければ、また違った私がいたんだろうな。 いつもそんなことを思いながら、 お気に入りの場所を歩いている。
私はまた、留学を目指している。 次の舞台は「アメリカ」。 向こうでの生活費ぐらいは親に迷惑をかけず 自分で工面できるようにバイトに励む日々だ。 70~80万円を貯めるのが目標だけど、 まだまだ達成には程遠い。 そして、将来は留学コーディネーターになりたい。 私がカナダで助けてもらったように、 次は私が不安でいっぱいの留学生を 助けられる人になれたらいいな。 そのために英語力を鍛えるのはもちろん、 留学先でさまざまなことに挑戦できればと思う。 海外で苦労してきた私だからこそ、 救える、サポートできる人が 世界中のどこかにいるはずだから。
四宮さんの学内での活動
「昆虫食でフードロスを減らす」を達成するためにInstagramの開設や自分たちで昆虫を使ったお菓子を作り、学内で配るなど昆虫食の良さを広める活動を行っている。