航空機(飛行機、ヘリコプターなど)は、現代社会になくてはならないものとなっています。短時間で長距離を移動できたり、ドアトゥドアで渋滞なく移動できたりと、非常に便利な乗り物です。私は小学生の頃すでに航空業界をめざそうとしていたのですが、当時大きな事故があり、恐くなってためらったこともありました。それでも航空機への思いがまさりました。だからこそ、航空機の最終目標である事故ゼロを実現するために役立つのだと。現在航空機の事故率は数万飛行時間に1回といわれ、安全性でも非常に優秀です。でも、事故ゼロではありません。電車やバスのように日常の足として利用されるようになった航空機を支え、「さらに安全な乗り物、事故のない乗り物に導いてくれる人材を育てたい」という思いで、日々学生と向かい合っています。
航空整備士学科で主に機体実習を担当する柳瀬先生。小型機のセスナを使って構造や機能を学生に十分理解させた上で、実際の整備作業へと進めていく。安全性を極めた作業となるよう、感覚を研ぎ澄ました危険察知能力を大切にしている。例えば燃料系統の実習では、実際の燃料を触ったり匂いを感じたりしながら、燃料を扱う際の注意事項を一つ一つ確認していく。その後、機体の燃料系統システムを理解し、燃料タンクや燃料フィルターの取り外し、洗浄、点検、取り付けなどの実作業へと移る。
安全を保つには、整備士になる前の勉強や整備士になってからの業務など、熱意がないと厳しい部分があります。また、すべての事が協力関係で成り立っていると言えます。
専門:航空機整備
1978年海上保安庁入庁。1979年鹿児島海上保安部(第10管区)配属。ヘリコプター搭載型巡視船航空整備員を初めに、以降第4管区(中部)、第5管区(近畿四国)にて海上保安官(航空整備士)として、中型ヘリコプター、小型双発ターボプロップ機などの整備にあたる。1等航空整備士(回転翼・飛行機)(制限付)資格保有。2007年より大阪航空専門学校航空整備士学科教官。