近年では演技だけでなく体の動きや声、歌、表情を用いて、あらゆる分野の垣根を超えて表現できる役者が求められています。「声表現/演劇融合」はそのような流れに対応できるよう、ミュージカルや声優などの声に関する表現を幅広く学ぶ授業。ミュージカルの世界に憧れて入学してくる学生も多いですが、授業を通して新しいものを知り、自分の知らない可能性に気づく場となることを目指しています。また、苦手なことにもあえて挑戦するマインドも重視。完全には克服できなくても、試行錯誤することが新たな個性の形成につながるからです。表現というものには正解がなく、演者一人ひとりで異なるもの。もちろん基礎は重要ですが、「こんな表現もあるんだ」と学生の指導中に驚かされることもあり、唯一無二の表現をできるよう成長して欲しいと願っています。
学生とはまず最初に話をすることで、芯となる強みを把握するよう心がけているという麻生先生。その強みに加えて、さらに良い表現や自己アピールができるようアドバイスをしているという。また、授業では学生のチョイスした曲を題材として取り入れたり、録音した音声を聞いて自身の声とのギャップを理解するなど、興味をもって取り組める工夫が盛りだくさん。「ただ一方的に教えるのではなく、学生の考えや思いを受け止めることが良い学びにつながります」と語る麻生先生。学生たちには内面も伴った愛される役者になって欲しいそうだ。
時には失敗を重ねることも成長のためには重要なこと。失敗を気にするよりも、自分が「こうしたい!」という気持ちで一生懸命取り組むことで、その先の道はおのずと広がっていき、人生もより豊かなものになります。
専門分野は声表現・演技融合、オーディション対策。15歳から舞台活動を開始。『ミス・サイゴン』、『レ・ミゼラブル』など舞台を中心に活動していたが、1993年に声優デビュー。『おじゃる丸』、『それいけ!アンパンマン』を始め、数多くのアニメで有名キャラクターの声を担当している。近年では「様々な分野」をモットーに、ナレーターや歌手、ドラマなど活躍の幅を広げており、初舞台から40周年を迎える2023年の活動にも注目だ。