高1の今だからできる!共通テスト対策“これだけ”3選

高校1年生にとっては、共通テストの本番はまだ2年先のこと。それでもこの記事を開いたってことは、キミのなかでは「そろそろ動きたい…!」という気持ちが芽生えているからかもしれない。そんなキミは受験という長距離走で1歩リードしていると思っていい。高校1年の学習範囲が終わりに差しかかってくる冬は、少しやっておくだけで“未来の自分がぐっと楽になるタイミング”なんだ。

そこでこの記事では、共テ対策のなかでも高1の冬にやるべきポイントを3つに絞って、「何を」「どこまで」やっておくといいのか具体的に解説していくよ!

教えてくれたのは堀浩司 先生
堀浩司 先生
滋賀県の公立高校(守山高校、草津東高校など)で教員歴37年。3年間の体系的な進路指導を推進している。現在は、龍谷大学高大連携推進室フェロー、旺文社『蛍雪時代』アドバイザー、さんぽう講師としても活躍中。

共通テストって「まだ先」じゃない?

共通テストまであと1年。“ここから”が勝負!
早いうちから共通テストについて理解を深めておくことが大切

「まだ2年もあるし、余裕。どうにかなる」はある意味事実。だけど、“まだ先”と思い続けているうちに“もう目前”になってしまう受験生も、決して少なくはないんだ。実際に、共通テストを受験した先輩たちは「いつから勉強しておけばよかった」と思っているんだろう。リアルな声をいくつか紹介してみよう!
高1の時は部活で忙しく、共通テストもまだ受けるかわからないので対策はしませんでした。でも結局、受けることになって本気で焦りました。(埼玉県・20歳)

共通テストは問題量が多いので、国語も英語も時間が足りない!高1の冬に過去問を1セット見るだけでも、心構えはぜんぜん違ったと思います。(長野県・19歳)

高3になってから本気でやろうと思ってたけど、想像以上に時間がなかったです。(東京都・18歳)

共通テストの対策は高1から少しずつやるのが一番よいと思います。高3で一気にやるのは、けっこうきついので。(愛知県・19歳)
また、堀先生にお話をうかがってみると「高校1年生のうちは、共通テストに対するイメージを深めておくことが大切」なんだそう。それって、どういうことなんだろう?
共通テストは、全国で50万人ほどが受験するテストで国内最大級(部活でいえば全国大会クラス)の受験イベントです。学校内の定期考査や、大学ごとの試験、受験者の少ない模試などよりも大規模な試験なので、『変な問題だった』という批判を受けないように「大学入試センター」の専門チームが練りに練った、隙のない問題が出題されます。それゆえ難問・奇問は少なめ。かつ、ふつうの試験とは異なる“共テならでは”のポイントがいくつもあります。

高校1年生の皆さんにとっては、この冬から『すぐに対策しなきゃ!』といって焦る必要はありません。ただ、『基礎知識をしっかり理解することが大切』『そのうえで専用の対策が必要なテスト』というイメージをもっておくと、この冬にやらなきゃいけないことは明確になりやすいですよ。

共通テストは「教科書レベル」が6~7割!

共通テストは「教科書レベル」が6~7割!
出典:令和7年度 共通テスト「国語」第4問(古文) 問1、第5問(漢文)問1

堀先生が「難問・奇問は出題されない」と教えてくれたように、共テにおいては高校の学習範囲のなかでも「基礎がしっかり身についているか」を問われる問題が多い。つまり、参考書を細かく読み込んだり、応用問題集を解いたりするのではなく、「教科書レベル」の知識をしっかりと理解して身につけておくことが大切なんだ。

ただし、そこに「共テならでは」のポイントがあるんだとか。詳しく聞いてみよう!
共通テストは、資料や図表が多く、問題文の量も多め。そのうえ時間制限があるので、どうしても“スピード”が求められます。私はよく生徒に「共通テストは難しい試験というより、忙しくてちょっとめんどくさい試験だよ」と伝えています。ただ、それはあくまで試験の形式や構成の話。問題の難易度でいえば、その多くが教科書に書いてある内容で解けるレベルです。だからこそ、共通テストに臨むときには、教科書の内容を深く、そして正確に理解しておくことが何より大切になってきます。

例えば、古典であれば単語や助動詞の意味を問う一問一答の問題は少なく、文脈上の意味を押さえたうえで、複合的な文法知識をもとに判断する問題が多い傾向があります。つまり、部分的な“丸暗記”ではなく、背景や原理まで含めて確実な理解にまで落とし込めているか否かを問われるわけです。全体を見渡した「本質的な理解」ができていれば、どんな形式の問題が出ても対応できるようになります。

これだけでOK!高1の冬にやるべきこと3

教科書の知識を深く、正確に理解しておくことが共通テスト対策につながるということがわかった。だけど、教科書の内容を正しく理解しておくためには、高1の冬の段階でどんなふうに勉強を進めておけばいいんだろう。

そこで、高1の冬に手をつけたい“共テ対策”を堀先生に尋ねてみたら以下の3つのことが大事だと教えてもらったよ!

1.1年間の重要単元をまとめてチェックリストを作る …1割
2.文系科目は知識のインプット、理系科目はA問題のマスター …7割
3.より発展的な問題などに挑戦 …2割

※()内は割くべき時間の割合

1. 1年間の重要単元をまとめてチェックリストを作る

共テに限らず、多くのテストは7割程度が基本問題で、2割応用、1割難問という構成です。受験で差が出るのは、じつはこの基礎問題の理解度なんです。近い将来、皆さんが受験期を迎えるに当たって優先度を意識した勉強はとても大切です。そして、テストの配点を考えれば一番優先すべきは基礎、という戦略が見えてきます。

そのためには、各教科、まず現時点での理解度を明確にしておく必要があります。そこで、おすすめなのが各単元の重要項目ごとにチェックリストを作り、定期テストの結果に応じて、現時点での理解度を図示しておくこと。そうすることで、教科書に対する理解度が単元ごとに可視化され、それぞれの復習にかけるべき時間が見積りやすくなります。

チェックリスト例

2. 文系科目は知識のインプット、理系科目はA問題のマスター

次に、これまで授業で習ったことをしっかりと復習していきます。「これがわかってないと2年生の勉強が理解できないかも」という箇所、つまり授業で先生が強調していたポイントや、教科書・参考書の太字・赤字部分、各単元の重要項目や基礎知識をしっかりとマスターしておいてください。特に、①のチェックリストで「理解が浅い」とチェックがある箇所については、きちんと理解できるまで繰り返し教科書を読む、例題・基本問題を解き直すなどして、重点的に復習しておきましょう。ゴールラインは、教科書の「どこに」「何が」書いてあるのかを、おおよそ思い出せるようになるくらい。目次を眺めて、各単元のページにどんなことが書いてあるのかを思い出せるようになってくれば、教科書の内容がかなり頭に入っている証拠です。

◆文系科目
現代文のキーワード、古文単語、古典文法、漢文の句法、英単語、英熟語、イディオム、英文法など、知識を中心に教科書・参考書やノートを中心に振り返りながら、ざっと全体をおさらいします。特に理解が甘い部分は、重点的に対処しましょう。授業中に小テストが出ていた場合は、その小テストを解き直してみるのもおすすめです。

◆理系科目
教科書傍用問題集を使って、例題・基本問題などを中心に解いていきます。例えば数学では、定理や公式などをいくら覚えていてもそれを適切に使いこなせなければテストの点数にはつながりません。そのため、実際に手を動かして問題を繰り返し解き、アウトプットとインプットを同時に行う必要があります。化学、物理なども同様です。間違えたら解説を読んで、必要な知識を入れてからもう一度解く。これを解けるまで繰り返します。

3. より発展的な問題などに挑戦

高1冬の段階では、②までがしっかりできていれば十分ですが、それが終えられたという人は、それぞれ以下のことに手をつけておくのがおすすめです。

◆文系科目
共通テスト本番で点数を積み重ねるには、単語と文法の知識に加えて、それを使って正確に長文を訳せる力が大事になってきます。可能であれば、長文読解の問題を解いてみて「パラグラフリーディング」と呼ばれる文章の構造把握の力を身につけることを意識してみてください。

◆理系科目
②の段階で教科書傍用問題集の例題・基本問題を押さえられたら、今度はA問題まで手をつけてみましょう。やり方は同じで、間違えたら解説を読み、解き直す。というのを繰り返し行って行きます。

まとめ:受験にフライングなし!早めのスタートが超有利!

共通テストまであと1年。“ここから”が勝負!
走り出しが早ければ早いほど、余裕が生まれる!

堀先生に、先ほどの3つの勉強を「どこまでやることを、ゴールラインにすればいいですか?」と聞いてみると、「何となく教科書のそのページに何が書いてあるかを思い出せるようになること」という返事が返ってきた。

一言一句覚える必要はないけど、「どこに」「どんなことが」書いてあるのか、おおよそ思い出せたらそれは教科書の内容がかなり頭に入っている証拠なんだって!特に授業の振り返りでは、記憶の定着を意識して勉強を進めていこう!最後に、堀先生からもアドバイスをもらったよ!
あるアンケート調査では、高校1年生から受験を意識して勉強に取り組んでいる人の志望校合格率は、なんと90%!特に文系強化は実力がアップするのに時間がかかるので、早めのスタートがかなり有効です。受験には“フライング”はないので、この冬、早めに共通テスト対策を始めてみてください。早くスタートしたらその分、ゴールにも早くたどり着けますよ!
取材・文/郡司 しう 取材協力・監修/堀浩司 構成/寺崎彩乃(本誌)
※2025年11月〜2026年1月の取材に基づいています。