地域・在宅看護は、2022年から専門基礎分野として新しくカリキュラムに加えられました。看護師が活躍する場は病院に限らず、在宅や施設など多様化しています。特に、高齢化が進む中、今は「ときどき入院、ほぼ在宅」と言って、病院で治療を行ったら療養は在宅というスタイルに移っていますが、自宅で医療ケアや介護を行うことに不安を感じる療養者や家族も少なくありません。看護師は病気や障害を持っていても住み慣れた家、地域で望む暮らしができるよう、医療的な視点から知識や技術を伝え生活を支えることができます。地域包括ケアシステムが進められる中、その役割は今後ますます大きくなっていきます。療養者一人ひとりの暮らしに寄り添い、その人らしい人生を支援できるやりがいや楽しさを伝えます。
「幅広い視点を持って支援に結びつけることができる力を養ってほしい」と藤原先生。1年次から必修の実習では老人福祉センターの利用者の健康づくりや生きがいづくりについて学んだり、市内の各地域を歩き、地域の特性を掴んで暮らしの課題を洗い出したり、相手の背景に配慮する視点を学ぶ。3年次には訪問看護師とともに療養生活の現場を訪れ、療養者、家族の様子や看護師がどんな看護を提供しているか実態を学ぶ。グループディスカッションなどで情報共有、議論を重ね、互いの気づきを共有しながら、主体的に学ぶことを大切にしている。
資格取得の勉強は簡単ではないですが 人の生死や人生に関わる責任の大きい分、得られることも大きい。働き方も多様化しており、人生経験を生かしながら長く続けられます。ぜひチャレンジしてください。
専門:地域・在宅看護論
福島県出身。看護師の母の影響で、「たくさんの人の支えになれる」看護師を目指した。宮城県内の大学に進学し、看護師・保健師免許を取得。卒業後は東北大学附属病院にて勤務。10年以上の経験を積み、新人教育や実習指導を経験する中で看護教育に興味を持ち教員の道に進む。