
建築における根源的な要素である「光」を通じ、建築の三大要素を体感します。古代の遺跡から現代の建築に至るまで、光と空間は切っても切れない関係にあります。この授業では、建築デザインを学ぶ導入として、光の魅力を引き出す実寸空間を学生自身が構築します。建築には「強(構造)」「用(機能)」「美(意匠)」の三大要素が不可欠ですが、これらを頭で理解するだけでなく、実際の素材に触れ、寸法を感じ、光を操作することで、建築と向き合う「素地」を養うことが目的です。最初の課題は、10円玉を20枚載せた時に壊れる三角柱を1枚のコピー用紙だけで作る「三角柱10×20コンテスト」です。その試行を起点に、最終的には仲間と共に光を味わう空間を創り上げます。こうした実践を通して、建築の魅力を実感できる授業となっています。

「三角柱10×20コンテスト」では、学生3~4名のグループでオリジナルの三角柱を制作し挑戦します
授業の後半では8名程度のグループで、1.8m四方の実寸空間の構築に挑みます。建築の実務では、チームワークが不可欠です。そのため異なる考えを持つ他者と意思疎通し、自分の思いを正しく伝える力を養います。使用する素材は、木材や紙管、ペットボトル、時にはキャンプ用のアルミ皿など多種多様。グループごとに1種類の素材を選び、その特性と向き合います。部分的な「モックアップ」を作って強度の検証を重ね、失敗から学ぶプロセスを大切にすることで、確かな構築力を身につけていきます。

グループメンバーはランダムなので、新たな友人との出会いの場にもなっています
グループワークでは、メンバー全員が共感できる「光の魅力」を一つに絞り込みます。「陰影の美しさなのか」「透ける光なのか」。あえて扱う魅力を絞ることで、設計中に迷った際も「その光の魅力を表現できているか?」と問いかけ、全員で深い思考を共有することができるとのこと。最終回では学内に設置し、1週間にわたって作品が展示されます。学生同士で相互評価を行い、形にした光の魅力を競い合います。歴代の優秀作品を「壊して更新する」という勝ち抜きスタイルの目標もあり、刺激的でクリエイティブな経験を積むことができます。

完成した作品を相互評価することで、次につながる新たな視点・意見を得ることができます
「数学や物理が苦手だから…」と諦める必要はありません。哲学的な思考や、他者との丁寧な対話が授業では大きな力になります。ものづくりへの好奇心と、自分の感性を形にしたいという熱意を持った方に向いています。

都市や住環境計画を専門とし、文理の枠にとらわれない建築の魅力を多面的に伝える岡本教授
2年生の1学期に山鼻キャンパスで開講される、週1回2コマ連続の演習科目です。講師は、プロダクトデザイナーと建築デザイナーの非常勤講師、そして都市・住環境計画を専門分野とする岡本教授の3名体制。身の回りの小物から都市スケールまで、異なる専門領域の講師陣から複眼的なアドバイスを受けることができます。新しい友人と語り合いながら建築の深淵に触れる、建築デザインを学ぶ最初のステップとなる授業です。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



