
看護師の仕事は、目の前の患者さんに対応するだけではありません。実は、現場に出てからも「どうすればもっと良いケアができるか」を追求する「研究」がとても大切です。この授業では、特に「質的研究」という手法に注目します。例えば、患者さんが「痛い」と感じているとき、量的研究では「1から10でどのくらい?」と数値化しますが、質的研究では「その人にとって、その痛みはどういう意味を持つのか」という、数字には表れない心の奥にある経験を深く読み解いていきます。現場での気づきを科学的に分析し、患者さんやご家族に寄り添うための「考える力」を養います。それが、より良い未来の看護を形作るための第一歩になります。

学生の考えを引き出し、挑戦を後押ししながら、未来の看護を考える視点と学びの場を提供
「研究」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、この授業では学生のみなさんが能動的に参加できる仕掛けを用意しています。まずは実際の看護研究の論文に触れ、「世の中にはどんな研究があるのか」を知るところからスタート。具体的な研究プロセスを、先生が噛み砕いて丁寧に伝えていきます。初めて研究に触れる学生でもイメージが湧きやすいよう、実習での経験など身近なエピソードを織り交ぜながら、研究の土台となる考え方を基礎からじっくりと学んでいくことができます。

研究プロセスを楽しめるようになると、主体的に考える力や学びへの意欲が向上します
質的研究は一人で進めるのではなく、複数の研究者がディスカッションを重ねて深めていくものです。授業ではグループワークを取り入れ、数人の仲間と対話しながらデータ分析に挑戦します。「人の経験とはどんなものだろう?」とみんなで話し合うことで、自分一人では気づけなかった視点に出会えるのがこの学びの面白さです。データに触れて分析の基礎を体験することもあり、4年生で行う卒業研究、さらには看護師として現場に出た後の実践に直結する、生きたスキルを身につけていきます。

グループワークでは協働力や多角的な視点を学び、現場で必要な判断力とコミュニケーション力を醸成
文章から相手の気持ちを読み解くのが好きな人や、社会の仕組み、倫理に興味がある人に最適です。患者さんの尊厳を守り、より良い社会の制度を考えるために、研究の視点は必ずあなたの強みになります。

地域の保健師として活躍した経験が活きる、温かな視点での授業
3年生の後期に開講される「看護学研究法」は、質的研究や事例研究などをオムニバス形式で学ぶ、卒業研究への架け橋となる授業です。担当の山下千絵子先生は、地域の保健師としての経験を持ち、小児看護学をお教えしながら、地域の家族支援サポーターなどの活動を続けています。「現場で患者さんの想いをどう汲み取るか」という温かい視点を大切に、学生たちの学びを支えています。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



