
生物学的な視点から捉える「色の見え方の違い」というサイエンスの知見と公共空間におけるサイン計画や案内表示のデザインを結びつけて学びます。私たちが普段「当たり前」と感じている色の使い方やデザインが実は特定の人々にとっては見えにくく、無意識の内に排除に繋がっている場合があることを色覚の多様性の観点から分析します。授業では、誰もが心地よく利用できる公共性の高い環境づくりのため、社会の情報提示が「初めから」人の色覚の多様性や加齢に伴う変化を前提に、適切な視覚表現で色のみに依存しない情報として設計され、共有されるべきであるというカラーユニバーサルデザイン(CUD)の基礎を学び、当事者の立場に立って考える力を養います。こうした学びを通じて多様性を尊重し、社会の課題をデザインで解決する視点を身につけます。

色覚の多様性を知り、誰もが使いやすい表示を考える
サイエンスの知見と社会のデザインを結びつけ、誰もが快適に過ごせる空間づくりを考察します。授業では教室内の学習に留まらず、実際の公共空間を舞台に「調査・実践・分析」を行う点が特徴です。街中で適切なサインと課題のあるサインを探すサイン・ハンティングや札幌地下歩行空間でのイベント参加、当事者インタビューで身近な案内表示に潜む社会的課題を発見します。さらに2027年度、JR駅直結の地域交流拠点に隣接して誕生する「手稲駅前キャンパス」のサイン計画の検討など、実社会と直結した課題解決のプロセスを体験します。

調査と実践を通して、案内表示の課題を見つける
授業は「そのサインは何のため、誰のためにあるか」を問うことから始まります。事前課題で日常の不便さや工夫を可視化し、対話を通じて自身の「普通」を再考。色覚疑似体験アプリの活用やNPOとの連携、ICTによる共有など実践的環境も整備しています。公共空間は全ユーザーに寄り添えているか。作り手の「願い」と使い手の双方が理解し合える関係をどう築くか。地域社会をフィールドにデザインの本質を自ら考え、体験を磨くことで、他者への深い想像力と共生社会を生き抜く対話の力を養います。

多様性を尊重する視点から、デザインを学ぶ時間
身の回りの違和感に気づき、自分の足で調べて考える探究型の学びに興味がある人に向いています。色や感覚の科学、社会の仕組みを横断的に捉え、多様な人の視点から公共空間をより良くしたい人におすすめです。
後期必修科目・2単位/全15回。社会専攻の教員3名が分担、各教員の専門性に基づきリサーチ・実践・分析のスキルの網羅的な習得が可能です。講師紹介:第1部/第1~6回、最終回/第15回の総まとめを担当。NPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構の理事であり、専門的知見と社会活動を融合した授業を展開し、最新の色覚理論と現場課題を結びつけ、共生社会を自分事として捉える本専攻ならではの学びを提供します。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



