
人間の脳の働きは、神経細胞(ニューロン)のネットワークとしてモデル化できます。この仕組みを模したのがAI(人工知能)なのですが、個々の神経細胞には知能の働きはありません。無数の神経細胞がネットワークを形成してはじめて「知能」が誕生するのです。私は、この不思議な現象に注目。「ニューロンが集まって相互に作用すると、どうして人工知能が生まれるのか」をネットワークの観点から研究しています。具体的には、環境の変動に対応して動作するロボットなどに適用可能な「フィジカルAI」の新しいモデルづくりを進めています。さらにその先には、物流の分野に展開することで、流通情報学部ならではの「流通と情報のネットワークをAIで掛け合わせて、最適なサプライチェーンを構築する」といった未来社会の問題解決につながると期待しています。

オープンキャンパスでは、対話型のAIや生成AIによる画像づくりを高校生が体験できるコーナーも用意している
小川先生は授業・ゼミを通じて、「情報とは何か」を徹底的に考えることの重要性を強く伝えている。「データやプログラムは情報のほんの一面。例えば一万円札の原価は約25円なのに、じゃあ25円と交換してと言ってもOKする人はいない。10,000円の価値があると社会の共通認識があるからで、つまり一万円札もひとつの情報なのだ」など、身近な事例で説明したり。生成AIで作成した画像や動画は情報と呼べるものなのか? 実際に生成AIを使いながら、みんなで議論したり…様々な角度から「情報」を題材に問いかけて、学生たちを触発している。

ゼミ生が高校生に画像生成やプログラミングを教えているシーン。AIとは何かが手にとるように分かると好評だ
大学生の4年間は、まとまった自由な時間を取れる期間です。コスパやタイパや成績を気にするより、好奇心のアンテナを張りめぐらして、自分の興味があること、楽しいと感じることに思う存分時間を費やしましょう。

「お笑いのAIをつくるといったテーマも考えられるので、理系はもちろん文系の人も大いに歓迎します」
専門/理論物理学、理論生物学、情報科学
略歴/東京工業大学理工学研究科物理学科博士課程修了、東京工業大学総合理工学研究科知能システム科学専攻、東京工業大学情報理工学院勤務を経て、2019年4月流通経済大学流通情報学部に着任。
学生時代はあらゆるジャンルの読書と映画鑑賞、旅行やサークル活動に熱中。学問的には「数学と物理学」に魅了されて熱心に勉強したことが、その後の研究の方向性を決定づけたとのこと。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



