私は、デザイナー、クリエイテイブディレクターの仕事をしています。デザイナーのやりがいは、「自分のクリエイションで人の笑顔が見れる」ということです。そのためにはパタンナーや生産管理、プレスといったスタッフの力が欠かせないため、自ら「株式会社CODE.9(コードナイン)」という会社をつくり、企画から販売までを運営しています。新作の展示会やショーの準備をはじめ、直営のセレクトショップ「DraSTic」(ドラスティック)のバイイングにも携わるなど多忙な毎日ですが、大きな山を越えていった時にしか味わえない達成感を、大切なスタッフたちと一緒に楽しんでいます。
私自身、学生時代は「本当にデザイナーになれるだろうか」と不安になることもありました。でも、諦めたらそこで終わりです。多くの課題をこなしつつ、授業にも集中して学んでいけば、必ず道は開けると思いました。学園では「パターン理論」をはじめ、服づくりの基礎からしっかり学べたことが印象に残っています。また、洋楽のプロモーションビデオなどをたくさん見て、海外の一流アーティストが手がける作品からも自分のイマジネーションを養っていきました。卒業して社会に出てからも、パタンナーやバイヤー、ショップ運営などファッションビジネスに関わることを貪欲に学び、挑戦し続けてきたことが、今の自分につながっていると思います。
若い時の経験は、どんなことでも無駄になりません。勉強でも、遊びでも、常に「一流の世界」を見聞きし、体験することを意識して取り組んで欲しいと思います。モード学園での学びは、その第一歩となるはずです。夢はすぐにかなうほど甘くはないのですが、どんな時も高い志を持って努力を続けていると、その姿を見てチャンスをくれる人が必ずいるんです。パリで開催された合同展「トラノイ」で、「AULA」というコレクションを発表した際には、ヨーロッパをはじめ、アメリカやアジアなどさまざまな国からバイヤーが集まりました。自分たちの価値観やこだわりを世界中に広めていくために、このチャンスを活かしていきたいと思います。
デザイナー・クリエイテイブディレクター/ファッションデザイン学科/1997年9月卒/モード学園を卒業後、大手アパレル会社にパタンナーとして入社、後にデザイナーとなる。1999年に転職した株式会社パルではセレクトショップのプロデューサーとしてバイイングや店舗設計、オリジナル商品のデザイン、ショップ運営などで手腕を発揮。2002年、株式会社マーキュリーデザインにてレディスブランド「AULA AILA」を立ち上げ2005年に独立して株式会社CODE.9を設立。クリエイテイブディレクターとして同ブランドを引き続き運営すると共に、直営のセレクトショップ「DraSTic」をオープンさせ、バイイングや運営に携わるなど、幅広い分野で活躍中。