映像作品に音楽は欠かせないのですが、なかでもゲーム音楽の特長は「インタラクティブ(相互作用)性」です。あらかじめ作る曲の長さが決っているテレビや映画に対して、ゲームはプレーヤーの行動によって音楽が鳴るタイミングも長さも変わるので、あらゆる状況に対応できる曲を作る必要があります。また、音楽を作る時点ではゲームもまだ制作途中ですので、映像や演出を想像で補完しながら作っていく柔軟性が求められます。オーダーを正確に理解してくみ取りつつ、自分の個性も入れ込んだ楽曲に仕上げるのが、面白くやりがいのあるところですね。プレーヤーをゲームに没入させるために様々な技術や手法を使いますが、そんなことをプレーヤーに意識させないのがいいゲーム音楽。人知れず楽しませる縁の下の力持ちと言える存在なのかも知れませんね。
細井先生が担当するのは、パソコンを使って音楽を作成・編集するDTMの授業です。これまでまったくパソコンやソフトに触ったことがなくても大丈夫。独学で作曲やアプリの使い方を習得してきた細井先生が、現場目線・実務目線でわかりやすく指導してくれます。「最初は私が用意した素材を使って、簡単な曲を作るところから始めます。作曲について学ぶだけでなく、作る曲がどういうシーンで使われるのか、プレーヤーにどういう感情を抱かせたいのかなど、作品全体を把握しながら作る大切さを伝えていきたいと思っています」。
「エンターテインメントで人を喜ばせたい」そんな思いを持つ学生の皆さんをサポートしていきたいと思っています。現場を知るプロとして、自分なりの表現ができるスキルを身につけるお手伝いをしていきます。
専門:音楽制作
略歴:幼い頃から映像音楽に興味を持ち、80年代のゲームミュージックに強く魅了される。1992年、京都のゲーム制作会社「ビデオシステム株式会社」に入社。BGM、効果音、主題歌など幅広く担当したのち、1997年よりフリーとして活動。ゲームやテレビアニメのサウンドを中心に、自身のアーティストとしての活動でも注目を集める。ライブやアルバム制作など、多方面で活躍を続けている。