パティシエとして美味しいお菓子を作ることは大前提。基礎となる技術や材料の知識、器具の使い方に加えて、美味しくなる秘訣+αパティシエの心得も教えています。例えば、現場で役に立つ技術や、お店で実際に使っている実用的な器具、使いやすいおすすめの道具、ケーキデザインや手法の流行、お客さんに人気の商品など。これまでプロのパティシエとして長い経験で得てきたスキルと知識を、惜しむことなく学生の皆さんに伝えています。また、パティシエの仕事は、お菓子作りだけではありません。店頭に立つこともその一つです。そのためチームワークを培いながら学生それぞれが声を掛け合い、積極的に考えて行動できるように、実習を通して現場で役立つ対応力やコミュニケーション力も育んでいます。
実習で気を付けていることは「まずは飽きさせないこと」という田中先生。その言葉通り、為になる話を交えた面白く軽快なトークとともに実習は進みます。そして「本物を知ってほしいから、お店から持ってきた贅沢な材料を使い、レシピはお店で実際に売っている人気ケーキのオリジナル」というこだわりよう。味の強弱について言及したり、材料の配合の応用例を紹介したり、売れ筋商品を教えたり。甘い香りに包まれた実習は、トリビアの宝庫! 開業する卒業生にも実践的なアドバイスをするなど、学生の活躍をプロの視点で応援してくれます。
パティシエは、挨拶をはじめ、コミュニケーションも大切なスキルです。「お菓子作りが好き」といった自分のしたいことから一歩踏み出して可能性を広げてみてください。きっと新しい世界と素敵な仲間に出会えますよ。
専門:洋菓子。福岡工業大学卒業後、電気系会社に4年間勤務。和菓子屋の娘だった奥さんとの結婚を機に、菓子職人へ転職。「プランタン」で修行するうちに洋菓子の世界に魅了され、「銀のすぷーん」ではトップパティシエとして商品開発や店舗管理を任される。2006年、佐賀県みやき町に「クルール・ド・銀月」を開店し、今や地元の人々に愛される有名店に。2013年より洋菓子の魅力を伝えるべく非常勤講師として実習を担当。