国立病院機構 名古屋医療センターの看護師として、主に整形外科を担当しています。事故や転倒でケガをした患者さんが安心して入院生活を送ってもらえるように、検温やバイタルチェック、清潔ケア、食事介助をすることが主な仕事内容です。特に高齢の患者さんの場合、認知機能の低下や食欲不振が治療に影響することもあるため、日頃からコミュニケーションを欠かさず、ちょっとした変化にも気づけるよう心を配っています。もし気になることがあれば、医師や管理栄養士といった医療チーム内で共有し、解決策を考えます。患者さんが手術からリハビリを経て、無事に退院する姿を見るたびに、この仕事のやりがいを感じています。
キャンパスに隣接する名古屋医療センターで実習を経験でき、医療現場に即したリアルな看護学を学べそうと思い、名古屋学芸大学に入学しました。入学後は「胃とは何か、消化器とはどういう器官か」といった人体の基本を学ぶ「解剖生理学」に始まり、名古屋医療センターの医師がさまざまな疾病と治療法を解説する「病態治療学」に至るまで、段階を追って専門知識を深めていきました。3年次の「急性期実習」では、実際に手術を受ける患者さんのケアを担当させていただき、患者さんとご家族の不安をどうすれば解消できるかを考えるきっかけになりました。実習後、このテーマを深く掘り下げて卒論を執筆。4年間の学びの集大成にすることができました。
入職1年目は現場のスピード感についていけず、先輩にフォローいただきながらの毎日でした。2年目からようやく仕事に慣れ、余裕を持って患者さんに接することができるようになり、整形外科だけでは気づきにくい疾患もあることが分かってきました。例えば骨折が原因で入院中の患者さんでも、心臓に疾患をお持ちの場合があります。手術後の合併症対策のため、それに伴った知識とケアが求められるのです。これからは別の診療科についても知識を広げ、さまざまな疾患に対応できる看護師をめざしたいと思います。いずれはICUや救急外来のような、より迅速な判断が求められる部門や、特定の専門分野に特化した専門看護師への道も視野に入れています。
独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター/看護学部 看護学科/2022年3月卒/整形外科と膠原病内科の病棟に勤務する角谷さん。「急性期で入院した患者さんが、手術からリハビリを経て、自分の足で歩いて帰宅する姿を見るのが本当に嬉しいです。リハビリはモチベーションの維持が大切ですから、ベッドでの寝返りや車いすへの乗り換えなど、自分でできたことに自信を持ってもらえるよう、応援するのも看護師の役割です」と話している。