専門は臨床微生物学です。病原微生物には細菌や真菌、ウイルスなどがありますが、私の研究では細菌を対象としています。全身の皮膚、口から肛門までの消化管内などヒトの身体は細菌だらけです。その中で抗菌薬が効かない菌の割合はどのくらいか、早く菌種名を調べるにはどうしたらよいかなど、現場に直結した研究を通して感染症診療に貢献したいと考えています。臨床微生物学の興味深いところは、検査結果が患者さんの予後に直接影響すること。感染症の検査には、スピード・正確性・知識・経験が求められます。正しい結果を出さないと適切な治療が行えず、最悪の場合は患者さんが死に至ることもあります。優秀な臨床検査技師は、患者さんの背景や検査の初期段階で原因菌の候補を絞りこめたりします。その鋭い感性が患者さんの命を救うのです。
臨床検査学科では、1~3年次にかけて臨床微生物学の基礎から応用までを学修。大瀧先生が担当する「微生物検査学」では、感染症の原因となる細菌や真菌、ウイルスなどの病原体の性質や病原性を知り、その検査方法を中心に感染症の概要を学べる。『微生物検査は感染症診療において欠かすことのできない重要な検査。臨床検査技師の知識やスキルは患者さんの予後に大きく影響します』と先生。授業では、現在も病院で臨床検査技師として活躍する大瀧先生が、臨床現場で重要となる最新情報をもとに熱心に指導。3年次から始まる実習に備える。
病院では患者さんと接するのはもちろん、医師や看護師、薬剤師などと連携して「チーム医療」を行うため、コミュニケーションがとても重要。ぜひ、自ら発信する努力を続けてください!
高校生の頃は文系クラスに所属。生物が得意だったことから、臨床検査技師に興味を持ち、高校3年生の夏に進路変更、藤田保健衛生大学(現 藤田医科大学)短期大学衛生技術科へ進学。編入先の大阪大学医学部保健学科を卒業後、岐阜大学医学部附属病院検査部に入職。2012年に岐阜大学大学院医学系研究科博士課程を修了。2014年から現職。学生教育はもちろん、病院の検査室とコラボレーションした教育・研究活動を実施している。