データサイエンティストとは?資格は必要?年収は?気になる職業のアレコレを徹底解剖
近年、「データサイエンス学部」を新設する大学が増えている。だけど、肝心のデータサイエンティストって、一体どんな仕事をしているんだろう。この記事では、データサイエンティストの具体的な仕事内容、役立つ資格、気になる年収、そしてデータサイエンティストをめざすにはどんな学部を選べばいいか、そのアレコレを徹底的に解説していくよ!目次

佐伯 諭 さん
一般社団法人データサイエンティスト協会・事務局長兼スキル定義委員会副委員長。SIerでデータ分析システム開発エンジニア経験後、外資系金融で金融アナリストに転職。その後、電通にてデジタルマーケティング黎明期からアナリティクス、データサイエンス部門を担当。電通デジタル創業時にはCDOとして組織組成、データ戦略をリード。データサイエンティスト協会創立メンバーの1人。2021年に独立し、協会事務局長、事業会社のCMO、COOなどを兼任。
データサイエンティストとは?
ただ、それだけ聞いても具体的にどんなことをしているのかまでは想像しにくいよね。そこで、より具体的な仕事の内容について、佐伯さんにお話を聞いてみたよ!
データを駆使して、あらゆることに最善の結果を導く
このように、膨大な調査データを解析した結果をもとに、最善の結果が出るようなアクションを起こしていく、その一連の仕事に関わるのがデータサイエンティストという仕事なんだ、ということです。(佐伯さん)
データから「ビジネス価値」を生み出す役割
もう一つ、例として音楽配信サービスのspotifyを挙げてみましょう。例えば、spotifyが自動で、あなたが気に入りそうな曲を提案したり、プレイリストを作成したりしてくれますよね。あれも、データサイエンティストがAIを活用している例なんです。聴く人の傾向を分析するだけでなく、歌詞やリズム、メロディなど、曲そのものも解析しています。そうして共通する要素を持った曲をおすすめすることで、ユーザー体験の価値が向上し、それが競合との差別化やサービスの継続利用につながったりしているんですね。
ほかにもネットショッピングや、動画配信プラットフォームなど、ありとあらゆる場面でじつはデータサイエンスが発揮されているんですよ。(佐伯さん)
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データサイエンティストが注目される背景
じゃあ近年、どうしてこんなにデータサイエンティストが注目されるようになったのか、佐伯さんに質問をしてみたよ!
ビッグデータが取得できるようになった
例えば「買い物かごには入れたけど買わない」となれば、消費者のその製品に対する購買意欲がより具体的に見えますし、「会員から2年経って、高額商品をよく買うようになった」となればライフステージが上がった、という推測が立つように。このように、まずインターネットの普及で取得できる情報が格段に増えたこと。そして、それを解析することで見えるものが、より具体的でビジネスに役立てられるものとわかったこと、データサイエンティストに対する注目がぐっと高まったのだと考えられます。(佐伯さん)
AI技術の発展や、AI活用に近い場所にいる
データサイエンティストの仕事の魅力
自分の知識や技術を駆使して直接的に貢献できる!
最先端の技術に触れながら仕事する
データサイエンティストにしかできない役割がある
ここにデータサイエンスが加わると、1年で数百〜数千もの米農家さんからデータを集めることができます。そのデータから「美味しいお米の作り方」がわかれば、もしかしたらこれから農家を目指す人に、より効率的なやり方をお伝えできるかもしれない。経験自体には大きな価値がありますが、一方で、まだまだ改善の余地もある。それを見つけ出し、科学の力でより良い方法へとアップデートしていくことは、データサイエンティストにしかできないことだと思います。(佐伯さん)
データサイエンティストの年収事情は?
その結果によると、以下のことがわかっている。
- 2023年の平均年収は839万円
- 2016年の調査開始以来、つねに上昇傾向
データサイエンティストの仕事内容と流れ
1. 課題発見、ビジョン構想
例えば、あるアパレルメーカーが新店を出すときの立地戦略を考えてみましょう。まずは、過去のデータを解析しながらブランドとしての課題を発見します。そして見えてきたのが、「客単価が低く、高額商品があまり売れていない」。これが一つの課題になります。
新店を出すときに、この課題解決を目標にすれば、ブランドイメージを変えるチャンスになるし、利益アップにもつながります。ここから、新店舗のビジョン(目指すべき理想の姿)が見えてきます。あとは、このビジョンに向かってプロジェクトを進めていくわけです。(佐伯さん)
2. データ収集、加工
3. データ分析
いろいろな仮説を立てて分析した結果、「潜在顧客が多い」「周りに競合店がいない」など、チャンスが大きそうなエリアを見つかったとします。そうすると続いては、実際に出店地を決めるのはデータサイエンティストだけじゃなく、関係部署との合意も必要なので、分析結果をわかりやすく伝えなければいけません。例えば、A、B、Cと3つの街があったら、それぞれの売上予測を比較しやすい形にして、プロジェクトに関わる人たちに共有していきます。(佐伯さん)
4. 実務への実装と効果検証
出店後も現場のデータを取り続けて、分析結果が効果を出しているか検証したり、売り場や運営の改善点を見つけたりしていきます。また、失敗したときのダメージを最小限にするために、撤退基準も決めておきます。万が一、売上目標に届かず撤退することになっても、そこで集めたデータは次の出店に役立ちます。だから効果測定は必ず行うんです。大きな企業になれば、世界中からそういうデータが集まるので、より精度が高まったり、傾向を発見しやすくなったりするんですよ。
(佐伯さん)
5. コミュニケーション
どんなにデータの精度が高くても、プロジェクトメンバーの理解が得られなければ、机上の空論として扱われてしまうこともあります。そういう意味では、常にデータとにらめっこしている仕事というより、社内の各部門との連携がとても大事な役割を担っている仕事だと言えます。
(佐伯さん)
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データサイエンティストと「AIエンジニア」「データアナリスト」「データエンジニア」の違い
データアナリストとの違いとは?
データアナリストとは、さまざまなデータを集めて分析し、それらをもとに企業の課題解決や意思決定を形作っていく仕事をする人のこと。具体的には、売上やユーザー行動などのデータを整理して現状を把握し、改善策を提案したりするんだ。データサイエンティストとは、ほとんど仕事内容に違いがなく、企業や組織の方針でどっちで呼ぶかが変わったりするんだって。
データエンジニアとの違い
データサイエンティストが分析する人だとすると、データエンジニアは、データを分析するための土台となるシステムや環境を作っていく仕事をする人のこと。ネット上のビッグデータや、装着型デバイスのセンサーから収集したデータなど、データにも色々な種類があって、大量のデータを正しく安全に扱えるように、技術的に整備・整理したりするんだ。データサイエンティストが分析する前に、データを整える役割を持っているけど、佐伯さんが所属するデータサイエンティスト協会が定める「広義のデータサイエンティスト」の場合、データエンジニアもデータサイエンティストに含まれるものとして扱っているんだって。
AIエンジニアとの違い
AIエンジニアとは、最先端の技術で人工知能(AI)を開発し、製品やシステムに組み込む仕事をする人のこと。具体的には、大量のデータをコンピュータに学習させることで、目的に沿ったAIモデルを実用可能な状態にまで作り上げていくんだ。データサイエンスの知識や、それをプログラミングする技術力が必要となる。データサイエンティストとは、業務内容も範囲も重なる部分が多く、ほとんど同意義。AIを開発する企業だと、「AIエンジニア」と呼ばれるケースが多いんだって。
データサイエンティストに必要なスキルは?
価値想像力:課題背景を理解し、それをビジネスにし、価値を生み出す力
自分が関わるビジネスの全体を理解して見渡したり、AIとデータを駆使して新しい発想でビジネスに変革をもたらすリーダーとして活躍したり、戦略を自ら考えだして、チームや組織の中でコミュニケーションを取りながら、価値を生み出すことがデータサイエンティストの本質的なスキルなんです。(佐伯さん)
データサイエンス力:情報技術やAI、統計学などを駆使する力
色々なデータを正しく扱う力がなかったり、「分析力」が中途半端だと、どれだけデータを集めても求めるゴールには辿り着きません。さらに、分析には論理的思考とは別の、発想力が求められる場面もあります。一見、まったく関係なさそうに見えるデータ同士に、因果関係が隠れていたり、現実の中で見落としている要素があったり。そうしたことまで含めたデータサイエンス力は、データサイエンティストとしてとても大事なスキルになってきます。(佐伯さん)
データエンジニアリング力:データを活用し、業務に組み込む力
データサイエンティストに必要な資格は?
続いては、データサイエンティストになるために必要な資格だけど、結論から言うと、データサイエンティストと名乗るための条件となる資格はない。だけど、持っていると役立つ資格や、その勉強をする過程でデータサイエンティストとしてのスキルや知識が幅広く身に付くような資格はある。ここでは、その代表的な3つの資格について解説していくよ!
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は佐伯さんが所属するデータサイエンティスト協会が認定する資格。データ分析に必要な価値想像力、データサイエンス力、エンジニアリング力の3つの基礎スキルが必要で、持っているとデータ活用の基礎力が証明できる。G検定
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験。データサイエンティスト検定よりも、内容がAIに特化していて、その活用方法を体系的に身に付けていることを認定する。ITパスポート
ITパスポートは、ITを使うすべての人を対象にした「情報処理の基礎知識」を証明する国家試験。直接的にデータサイエンティストのスキルや知識を認定する資格ではないけど、広くITの基礎知識を習得していることの証明になるため、前者2つの資格の前に取得しておく人も多い。データサイエンティストになるためには何学部に行けばいい?
また、情報科学や情報工学系の学部という手もある。情報科学の理論体系を学んでおくことは、仮説作りなどに役立つし、技術的な分野を重点的に学ぶ機会も多くなりそう。もう一つ、考えられるのは経営学・経済学系の学部。経営的戦略的視点はデータサイエンティストには必要だし、マクロ経済学のような市場動向を見ることも大事だといえる。
データサイエンスが学べる大学の学部学科を紹介!近年、注目される背景も解説
まとめ:データサイエンティストは、変化を楽しむ仕事!
最後に、佐伯さんからもみんなにアドバイスをいただいたよ!
今日よりも明日、明日よりも明後日……というふうに、日々変化し続ける世界と、自分自身を面白がるつもりで目指してみてください。それが楽しい人には、きっとたまらない世界が待っていると思いますよ!(佐伯さん)
取材・文/郡司 しう 取材協力・監修/佐伯 諭 構成/寺崎彩乃
※2025年10月の取材に基づいています。
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