急増中! “強くがむしゃらに働く女性”を小説でのぞいてみよう
女子高生の60%が結婚、出産後も働きたいと考えているとアンケートに答えるなど、女性が就く仕事やそのやりがいについて年々関心が高まっている。(※)
でも、ひとくちに「女性の仕事」と言っても働き方や種類はさまざま。そこで、今回はさまざまな人がいる会社のなかで、働く女性たちがどのように日々仕事に向き合い、自分に向き合い、人生に向き合っていくのかがわかる小説をご紹介。
みんなにも読みやすい小説を通じて社会人になったときのことを今から想像してみよう。
■『ガール』(奥田英朗著)
…華やかなメディアの裏側を支える!“広告代理店”で働くOL
香里奈さん主演で2012年に映画化されたので記憶に新しい人も多いかもしれない。
主人公は大手広告代理店に勤めて10年、32歳になる女性。テレビなどでおもしろい企画を考えるという、一見華やかな広告業界だけど、実情は多くの人との人間関係を裏で調整する地味で大変な仕事だ。本作はどこか少女の心が残る主人公の心情を鮮やかに描いており、悩みながらも厳しい世界で生き抜く彼女の姿に勇気づけられるはず。
広告代理店という仕事は深夜までの激務や、クライアントとの意見のぶつかり合いも少なくない。その分、やりがいも多いので仕事に夢中になっている人が多い業界だという。
■『エンジョイしなけりゃ意味ないね』(麻倉かすみ著)
…大変な毎日も明るく笑い飛ばす!“メーカー企業”で働く12人のOL
会社では、物事をスムーズに進めるためのうわべだけの関係や、反対に、その場を盛り上げるためだけの明るさが求められることも。コロコロと色んな顔を使い分ける姿は何かを演じているようで疲れてしまう。
この短編集に登場する主人公たちはそんな「面倒」で「シビア」な状況をも明るく笑い飛ばし、コントのような日常を生きている。登場するのは、新入社員から秘書、作家志望の女性まで、生き方や考え方はさまざま。でも、どのエピソードにも通じることが1つ。
「辛いことも自ら楽しんでエンジョイすること」こそ、OLとして生きる醍醐味だということを教えてくれる。
■『プラダを着た悪魔』(ローレン・ワイズバーガー著)
…好きなことを仕事に!ファッション誌の“編集者”
部下に作らせたページが気に入らなければ何度でも却下し、仕事に関していっさいの妥協を許さないことで有名な名物編集長のミランダ。そこは、昨年放送された沢尻エリカ主演ドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ系列)のような世界観。誰もがあこがれるファッション誌を編集するということは、それだけライバルが多くきつい仕事で、紙面のような華やかさは一切ない。
高校生の中には、好きなことを仕事にしたい人も多いだろう。本作はその、「好きなこと」と「仕事」の両立について考えるきっかけにもなる作品だ。
■『無印OL物語』(群ようこ著)
…行きたくない部署に配属された!“出版社の営業”
「普通の会社に勤める、普通のOL」を描いた作品。出版社の本社ビルにあこがれて就職したのに、配属されたのは倉庫裏にある「地獄の営業部」とまで呼ばれる部署。出版社の営業は全国への転勤や出張がたくさんある仕事。自分の思いどおりの会社に就職できたからといって、そのなかでやりたい仕事ができるとは限らない。でも自分の仕事に対して明るく向かっていく主人公の姿が描かれており、そこには見習いたい点がたくさん。
日々の仕事や一つひとつのできごとはハッピーエンドでもバッドエンドでもないことが続くなかで、毎日どう向き合っていくのか。そんなリアルな光景が詰まっている。
いかがだっただろうか。紹介した作品に描かれているのは、さまざまな企業でがむしゃらに生きている女性たちの姿。女性ならではの辛いことや苦しいこともたくさんあるけれど、それでも負けずに懸命に働くことで、結婚・出産等の自分のライフスタイルを見つめていけるのだろう。「あ、こんな生き方、働き方もあるんだ」と、話題になった作品の登場人物を参考にしてみるのもオススメだ。
※リクルート進学総研より