英検、TOEIC、TOEFL! 注目のTEAP!? …英語の検定試験の違いって?
英検やTOEIC(R)、TOEFL(R)など、大学受験やAO入試に役立つと言われている英語の検定試験。
一定以上の点数や級をとれば大学入試で英語が免除されることも!
ただ、いろいろな検定があるなかで、それぞれにどんな違いがあって、自分は何を受ければいいのかわからない…という人も多いのでは?
そこで今回は、自分の進路に合った検定を選ぶべく、英語専門塾「J Prep斉藤塾」の講師の方に英語検定の違いについて詳しく解説してもらうことに!
<<目次>>
総合的な英語力をアピールするなら「英検」
リスニング(聞く)、リーディング(読む)、ライティング(書く)、スピーキング(話す)という4つの技能がまんべんなく問われるので、英検を取得することで『総合的な英語力』があることをアピールすることができます。
また、2017年4月以降からは、3級以上の試験すべてに英作文が出題されるようになり、『アメリカ大統領選挙の結果を受けてどう思うか』など、時事や倫理について自分の意見を英語で伝える能力が求められるようになります。
そのため、3級以上を取得していると、英語力だけでなく『論理的な思考力がある』という評価にも繋がりますね。
英検の難易度は、準2級が高校中級レベル、2級が高校卒業レベルなので、高校生は2級合格を目指したいところ。
2級をもっていると、入試の際に英語の試験が免除されたり加点されたりすることもあるので、1年生のうちから徐々に先取り学習を始めて、2年生で2級に挑戦できるのが理想ですね」
試験回数:年3回
会場の数:全国230都市(団体受験の場合は学校や塾での受験も可)
受験料:準2級…4500円、2級…5800円、準1級…6900円、1級…8400円
試験形式:<筆記試験>マークシート方式(作文は記述式)
<面接試験>対面式(3級以上)
ビジネスコミュニケーション力をアピールするなら「TOEIC」
出題内容は、『社外の相手との商談』や『顧客とのEメールのやり取り』などビジネスシーンを想定したものが中心ですね。
そのため、将来英語を使って仕事をしたい人が目指す国際関係学部や観光学部などの入試で、スコアが評価される傾向にあります。
TOEICは、リスニング(聞く)とリーディング(読む)の能力を測る“LR型”とよばれる試験が一般的で、広く普及しています。
ただ、一部の大学ではスピーキング(話す)とライティング(書く)の能力を測る“SW型”の採用も進んでいます。
また、海外ではSW型のスコアがないとあまり評価されないので、これからTOEICを受ける人は、LR型、SW型両方の対策をしておいたほうがいいですね。
ビジネスで使う難しい単語が多いので、正直、高校生がTOEICで高スコアを出すのはかなり厳しいですが、ビジネスに特化している分、大学卒業後の就職活動の際にもスコアがアピールできます。
入試だけでなく、将来の就職にも役立つ検定なので、チャレンジしてみる価値はあると思いますよ」
〈LR型〉
試験回数:年10回
会場の数:全国80都市
受験料;5300円
試験形式:マークシート方式
〈SW型〉
試験回数:年24回
会場の数:全国13都道府県
受験料;9500円
試験形式:パソコン上で回答を入力
<ライティング>タイピング
<スピーキング>録音式
海外留学を目指すなら「TOEFL」
願書出願時に、スコアを記入する必要がある場合が多いので、留学を考えている人は受けておいたほうがいいかもしれませんね。
出題内容は、大学の講義の一部を聞いて質問に答えたり、専門的な論文を読解したりと、実際の大学の授業で必要な英語力を問うものが中心。
馴染みのない単語が多く、思考力も求められる難問ばかりなので、日本の高校生にとってはかなりハードルが高いですね。
120点満点中80点を超えていないと大学の受験資格が得られない場合が多いので、留学を考えている人は、英語圏の大学で実際に使われている教科書をネット通販などで取り寄せて読んでおくなど、スコアを伸ばすための対策が必要です。
また、TOEFLの試験はすべてパソコンで行うのも大きな特徴。
記述式の問題は英文をタイピング入力し、スピーキングはパソコンに向かって話したものが録音されるなど、特殊な環境での試験となります。
受験料が高めではありますが、留学を視野に入れている人は、早い段階で一度受験して形式に慣れたほうがいいかもしれませんね」
試験回数:月2~4回
会場の数:約90カ所
受験料:235ドル(約2万3070円)
試験形式:パソコン上で回答を入力
<リスニング・リーディング>選択問題
<ライティング>タイピング
<スピーキング>録音式
また、このほかにも、近年注目されているのが「TEAP」という試験なんだとか。
日本の大学で求められる英語力を問う「TEAP」
英検と同じく、リスニング(聞く)、リーディング(読む)、ライティング(書く)、スピーキング(話す)の4技能の能力を測るものなのですが、英検が“学校の授業の理解度”を測定するのに対し、TEAPは“日本の大学で求められる英語力”を総合的に問う試験といえます。
出題内容は、英語の論文を読み解いたり、自分の考えを英語で話すなど、日本の大学で英語の授業を受ける際に遭遇するシーンを想定したアカデミックなものが中心。
“日本版TOEFL”ともいわれていますが、TOEFLよりも難易度は低めで、日本の高校生の英語レベルを正確に測定できるものになっています。
そのため、TEAPをそのまま大学入試の問題として採用したり、400点満点中で各技能70点、合計280点のスコアがあれば大学入試の英語を免除する大学も増えていますね。
上智大学、立教大学ではTEAPを利用した入試がすでに行われており、2017年度からは早稲田大学でも、一部の学部でTEAPのスコアを利用できるようになります」
試験回数:年3回(高校2年生の7月より受験可能)
会場の数:全国12都市
受験料:1万5000円(4技能の場合)
試験形式:<筆記試験>マークシート方式(作文は記述式)
<面接試験>対面式
受験形式や出題傾向など、同じ英語の検定試験でも、こんなに違いがあるんだ!
自分の進路に合った検定を選ぼう!
これらの違いを理解したうえで、自分の進路に合った検定を選びましょう」
入試に活用するだけでなく、今の自分の英語力を知るという意味でも、早いうちから検定試験を受けておくといいのかもね。
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