近畿大学とSBI生命 人工知能を活用したがん遺伝子パネル検査の実施可能性を問う臨床研究を開始

SBI生命保険株式会社(代表取締役社長 飯沼邦彦、以下「SBI生命」)と近畿大学(学長 細井美彦)は、2018年5月14日(月)から、近畿大学医学部附属病院で治療中のがん患者さまを対象にAI(コグニティブ・コンピューティング・システム)を活用したがん遺伝子パネル検査の実施可能性を問う臨床研究を開始します。
 
本研究によってSBI生命はがん遺伝子パネル検査の費用負担軽減に繋がる新たな保険商品(*1)の開発が可能かどうかを調査します。
 
 
臨床研究の概要
 
がん遺伝子パネル検査は、患者さま一人ひとりの微小ながん組織または血液から遺伝子情報を解析して、その方に最適な治療法を診断するものです。
がんの標準治療が効かなくなり使用できる薬がなくなった場合でも、効果が期待できる薬物治療を見つけられる可能性があるという、遺伝子検査技術です。
 
近畿大学医学部ゲノム生物学教室(教授 西尾和人)は、「近大クリニカルシークエンス」プロジェクトとして全国に先駆けてがん遺伝子パネル検査に取り組み、これまでに1000件以上のがん組織サンプルの遺伝子解析を実施してきました。
 
本臨床研究では、「近大クリニカルシークエンス」にAI(コグニティブ・コンピューティング・システム)の技術を取り入れることで、電子化された2000万件を超える論文情報をはじめ、がん腫瘍部分の遺伝子変異や生命のメカニズムに関するAIの膨大な知識情報を活用して、患者さま一人ひとりに適した抗がん剤とその標的となる遺伝子を解析します。
 
さらに一連のプロセスにおいて、経過日数、検査費用や臨床的意義などや人工知能や保険商品(*1)を活用するためのノウハウを研究し、より最適ながんゲノム医療提供体制の構築につなげるソリューションの検討・開発を行います。
なお、本取り組みで解析を行う遺伝子は、がんの病変部分の遺伝子で、通常の「親の体質が子に伝わる」遺伝子とは別のものです。
 
 
研究開始:2018年5月14日(月)
対  象:近畿大学医学部附属病院で治療中のがん患者さま 30名(予定)
 
 
※目標数に達し次第、患者さまの登録は終了させていただきます。
※がん患者さまからの直接のお問い合わせは受け付けておりません。
 
本臨床研究へのご参加をお考えの方は、かかりつけの医療機関の先生にご相談いただき、近畿大学医学部附属病院の担当医師にご連絡ください。
 
 
実施内容:がん遺伝子パネル検査
目  的:遺伝子パネル検査の費用負担軽減を目的とした保険商品(*1)の開発が可能かどうかを調査する。
 
 
本件の背景
がん遺伝子パネル検査は、近畿大学医学部附属病院だけでなく国内の一部医療機関ですでに提供されていますが、現在のところ保険診療ではなく、検査費用や検査後に薬物治療を受ける場合の費用が高額であることから、多くのがん患者さまが利用するには社会環境が整っていないという課題を抱えています。
 
 
特記事項
本臨床研究はSBI生命が費用を支援することで行われます。また、SBI生命は本取り組みで個人が特定されないよう近畿大学医学部附属病院で匿名化された情報のうち検査を実施したがん種、年代、性別などの情報、および遺伝子解析などの費用や検査所要日数の情報のみを受け取りますが、がん患者さま個人の機微情報、がん遺伝子解析結果や診断結果の情報はいっさい受け取りません。
 
2018年3月26日のプレスリリースでは、2018年夏から研究開始と発表しておりましたが、反響が大きかったため、時期を前倒しして実施いたします。
 
 
<注記>
(*1) SBI生命は「がん遺伝子パネル検査」にかかる高額な費用を保障することができる保険商品の開発に向けた研究を開始するものです。
本商品開発に向けた研究では、保険加入時の審査や保険金支払い時において、遺伝情報の収集・利用は一切しないことを前提としています。
 
 
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