一般撮影、CT、MRI、血管造影など、ほとんどのモダリティーを担当。常日頃から患者さんの立場に立って、痛みや不安を感じることなく快く検査を受けていただけるよう、臨機応変に工夫しながらを対応することを心がけています。過去に撮影後の患者さんが急変してしまったこともあるので、現場では容体急変の可能性も視野に入れておくことが必要です。迅速な対応で事なきを得ましたが、その時はチーム医療の重要性を実感。常に冷静に対処し、あらゆることを想定しながら業務に携わらなければと痛感しました。技術を要する特殊検査において知識を最大限に活用して撮影し、医師が満足できる画像を提供できたときに大きなやりがいを感じます。
小学校から高校まで野球を続け、ケガをした際に何度も経験したX線撮影。また母が看護師ということもあり、幼い頃から医療職は身近な存在でした。工業高校の電気科に進学したので電力関係の仕事を考えていましたが、母が知人の診療放射線技師から、「工業高校出身でも診療放射線技師になれる」と聞き、進路選択の一つとして将来を考え始めました。最初はX線写真の撮影くらいのイメージしかありませんでしたが、調べるうちにCTやMRIなどを理解できるようになると興味の幅も広がり、自然と目標は診療放射線技師に。学校選びでは診療放射線学科のみの単科校や、歴史があるという点に惹かれてオープンキャンパスに参加。入学を決意しました。
秋田から上京し初めての東京暮らしでしたが、落ち着いた環境で学習に励むことができました。学習面は「大変だった」という一言に尽きます。国家試験はもちろん、今まで勉強したことのない科目が大半だったので、最初は授業についていくのにも一苦労。しかし、教え方の上手い友人が一つひとつかみ砕いて説明してくれたおかげで、不明点が解決できて、効率の良い学習方法まで学ぶことができました。以前は単純に覚えるだけだったのが、なぜそうなるのか、根拠まで考えて学習することで、最終的に応用問題までクリアできるように。同じ目標をもった仲間しかいないので、クラスメイトはとても頼りになり、楽しい学生生活を送れました。
JA秋田厚生連 能代厚生医療センター 中央放射線部勤務/診療放射線学科/2015年卒/県立能代工業高校卒。看護師の母の勧めもあり、将来性も考えて診療放射線技師を目指すように。在学中は国家試験合格に向けての学習の日々だったという。「毎日反復学習を行い、知識を定着させました」と当時を振り返る櫻井さん。卒業後は地元秋田に戻り病床数393、救急告示病院や災害拠点病院などに指定されている、能代厚生医療センターに就職して9年目。熱心な学びの姿勢は変わらず、関心のあったCTについてさらに深く学習している。この分野を目指す高校生にアドバイスとして、まずは診療放射線技師という職業に深く興味を持つことが大切だと、語ってくれた。