小児科や産婦人科のある福井愛育病院には、妊婦さんや赤ちゃんを抱っこしたお母さん、お年寄りなど幅広い世代の方が訪れます。そんな皆さんを迎え、受付や会計をしたり、レセプト業務をしたりするのが私の仕事です。「プロですからお任せください」と胸を張りたいところですが、医療事務になってまだ1年、時には失敗することも。それでも医療事務として1日1日を重ねていく中で、大切なことが見えてきたように思います。それは、患者さんが困っていることや不安に感じていることは何かと常に気を配り、支えられるようにすることです。加えて、患者さんと接する中でいただく感謝の言葉が、何よりもうれしいやりがいになることも分かりましたね。
この仕事を目指したのは、実際に医療事務として働いていた母や姉の影響が大きいですね。二人の話を聞く中で、資格を生かして私も病院で働きたいと思いました。そんな目標を実現するために通った大原学園での2年間は、友達にも恵まれて本当に楽しかったです。資格を取るための勉強は大変でしたが、同じ医療事務の道を志すクラスのみんながいたからこそ頑張ることができたと感じています。それに先生方も身近な存在で、いつも支えていただきました。卒業した今でもスマホで連絡したり、学校を訪ねたりすることがしばしば。仕事で分からないことがあると、教えていただいています。つながりの深さは学校の大きな魅力です。
医療事務として実際に働き、感じるのは、情報に関する基本スキルの大切さです。事務作業はもちろん、最近では電子カルテを導入する医療機関も多く、パソコンの操作には慣れ親しんでおいた方がいいと思います。また、医療事務は患者さんをはじめたくさんの人と接する仕事です。コミュニケーション力の重要性は言うまでもなく、笑顔で分かりやすく丁寧に接するように心がけましょう。そして、何事も続けることが大事です。医療にかかわる仕事ですから専門用語は多く、覚えなければならないことはたくさんあります。「難しい」「大変」と感じる時もあるかと思いますが、投げ出さずに続けることで見えてくるものがきっとあるはずです。
福井愛育病院勤務/医療秘書コース/2021年卒/福井県福井市出身。福井工業大学附属福井高校卒業後、医療秘書コースに進学。2021年3月に同コースを卒業し、同年4月から福井市の福井愛育病院に勤務。医事課に所属し、受付や会計、レセプト業務などを担当している。「専門学校の友達とは今も一緒に遊んだり、相談したりすることが多く、働き始めてからも心強い存在です」(中嶋さん)。