下田海中水族館は海の入り江を利用した水族館のため、イルカが海をイキイキと泳ぐ姿を間近で見ることができます。その可愛らしさに魅了され、多くの方が笑顔を浮かべファンになってくださいます。イルカの生き物としての特長や変わった生態をお伝えすると、さらに興味を持っていただくことも。そして注目はなんといってもショーです。ダイナミックな動きや可愛らしい仕草など、その時の会場のお客様の反応を見ながら、ドルフィントレーナーとして見せ場を作ります。帰りがけに「楽しかった。ありがとう。」という言葉をいただく時が一番嬉しいですね。イルカを通じてこの水族館を満喫していただくことに、やりがいを感じています。
私が所属するイルカチームの仕事は、ドルフィントレーナーとしてイベントでパフォーマンスを行うだけでなく、イルカ等の飼育や接客対応なども含まれます。なかでも、飼育が一番神経を使うかもしれません。相手が生き物なだけに体調管理には注意を払いますし、この水族館が天然の生け簀なので、日々の天候や水温の変化等プールとは違った日々のケアが必要。もちろん、芸の練習も欠かせません。ショーの見せ方やイベントの構成についてもチームで話し合います。イルカの魅力を引き出し、それを喜んでいただける形でお客様にお伝えする。それこそがこの仕事の腕の見せ所だと思うので、もっと技術や知識を身につけ、イルカと信頼関係を築きたいです。
日本ペット&アニマル専門学校は、様々な生き物に触れながら学べる環境が「楽しそう!」と感じ入学しました。在学中は、イルカをはじめとする哺乳類から、魚類や甲殻類、クラゲやプランクトンまで、とにかく幅広い海洋生物の生態や身体的特徴などの知識を習得していきました。また、海獣類のトレーニングや各種生物の飼育法、水族館の運営に関する実践的な技術・手法も学びました。命を扱う仕事の責任の重さについて、先生方から直接指導いただいたことも印象に残っています。生命の神秘を感じ、生物学を学ぶ面白さにめざめ、学ぶことが楽しかったです。専門学校時代に得た知識の全てが、この仕事の礎となっています。
幼少から生き物が好きで、人前でダンスパフォーマンスをすることも好きでした。両方を活かした職に就きたいと考えていた時、ドルフィントレーナーを知り興味を持つように。専門学校在学中は、水族館でのインターンシップも経験しました。水族館は文化的な施設であると同時に、海の生き物を見たりすることで得られる「癒し」の場でもあり、ショーのようなエンターテインメントを楽しむ場。華やかなイメージがある一方、インターンシップでは裏方ならではの厳しい一面も知りました。一方で、生き物に関わる仕事の魅力も強く感じ、ドルフィントレーナーをめざす意思はより固くなりました。この時の想いが、今日の自分につながっていると思います。
下田海中水族館 飼育課 海獣 イルカチーム/水族館・ドルフィントレーナー科 卒/2019年卒/2019年、下田海中水族館に入社。ドルフィントレーナーとして現在活躍中。ずっと続けてきたダンスの経験も、ショーには活きているそうです。また、館内をご案内する際にも、お客様がどんなことに興味を示したか等を見て、話し方や説明内容を変えるのだそう。「ショーの楽しさや生き物の可愛さはもちろんですが、ここは水族館なので“知る面白さ”も、ぜひ味わっていただきたいと思っています。」と、笑顔で話してくださいました。