研究テーマは「酵素による食品素材の機能改善」です。食品素材、特にタンパク質には、ゲル形成性、乳化性、起泡性など様々な機能が存在します。例えば“卵”は加熱すればゆで卵(ゲル形成性)になりますし、加工食品に添加してしっとりさせる働き(保水性)もあります。さらに小麦粉に混ぜればスポンジケーキ(起泡性)になるように、様々な機能を持ち合わせています。このような機能をもつタンパク質と酵素を反応させて、どのような機能変化が起こるかなどを研究。人が健康で健やかな暮らしをするために、食品やその加工プロセスを科学的な視点でとらえ、味・食感・栄養などにおいてより価値のある食品素材や技術を創出し、世の中に貢献していきたいですね。
「食品科学研究室」では、食品の素材や加工を対象として消費者により高品質で安全な食品を提供するための基礎研究が行われていきます。大学院生や学部生と連携を取りながら、一緒にテーマに取り組んでいきたいという熊澤先生。28年間勤務していた「味の素株式会社」での研究のノウハウや技術を学生に伝えると同時に、消費者の手元に届くまでを想定できる研究者の育成、さらに企業が望む人材へとサポートもできる教室にしていきたいとか。
何に対しても一所懸命に努力することはより素晴らしい将来に繋がると思います。努力すれば自分の夢ややりたいことが実現できる、ということを忘れないでほしいと思います。価値ある青春を送ってください!
北海道大学大学院 水産学研究科修士課程修了後、1990年に味の素株式会社へ入社し、食品の技術に関わる研究に従事。1997年に北海道大学 博士(水産学)取得。1997年から2年間米国のUniversity of Wisconsin-Madison.Muscle Biology Laboratoryの研究員を務める。2018年に28年間勤続した味の素株式会社を退社し、東京薬科大学教授へ就任。高校時代はラグビー部、大学時代はヨット部に所属していた。