音楽を中心に、保育における子どもの表現について研究しています。保育に関わる音楽といえば童謡や楽器を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。風の音、足音、鳥の声も音楽です。子どもたちは、私たちにとっては当たり前の音に耳を澄ませ、「おもしろい音だな」「不思議な音だな」と心寄せているのです。皆さんには子どもたちが聴いている音の世界を想像し、まずは音がもつ多彩な魅力を知っていただきたいと思います。そのうえで、演奏の技術や表現活動の知識を学んでいきましょう。「子ども理解」を重視する頌栄では、講義や実習を通して、子どもを理解しようと努める姿勢と、理解の助けになる知識と技術を身につけていきます。それは、保育士・幼稚園教諭としての土台となり、長きにわたりあなたを支え続ける力になるでしょう。
1年次後期の『教育・保育基礎実習』は、認定こども園や幼稚園を毎週訪問する授業。子どもの生活を観察し、子どもについて理解するための力を培っていきます。子どもの活動の様子や自分自身の気づきを整理するために毎回記録を書きます。このことを通してより良い保育・教育に生かす力を育みます。加えて保育・教育実習の際に記録や指導案を作成する力にもつながります。最初は観察の仕方や記録の書き方に戸惑うようですが、多くの卒業生が「経験して良かった」と評価する授業の一つです。
卒業生の中には、働くことで「子ども理解」の学びが熟成されていき、保育・教育にますますやりがいを感じるようになったという人が大勢います。受け継がれてきた「頌栄の保育」のバトンを、ぜひ手にしてください。
専門分野:音楽教育、芸術教育、保育における子どもの表現
京都市立芸術大学音楽学部卒業。ポーランド国立ワルシャワショパン音楽院(現:ショパン音楽大学)研究科修了。ピアノやオルガンによる演奏活動のかたわら、保育者養成における音楽教育に携わり、1997年より頌栄短期大学保育科・専攻科の教員になる。日本保育学会、日本音楽教育学会、日本保育者養成教育学会、日本ショパン協会などに所属。