身体障害者補助犬である「盲導犬・聴導犬・介助犬」は、現在の日本ではまだまだ数が少なく、多くの人たちが補助犬のサポートを必要としています。さらに、その3種の中に、ドッグセラピーの補助犬はまだ認められていません。その大きな理由のひとつとしてセラピードッグハンドラーの不足が挙げられます。身体が不自由な高齢者の方が犬と触れ合うことで、自発的に身体を動かしたり、コミュニケーションを取ったりすることで治療につなげるのがセラピードッグの役割。本学科では、在学中の2年間で(一財)国際セラピードッグ協会の認定した動作を習得し「ジュニアハンドラー」の資格取得を目指します。また、ペットショップをはじめとした動物を取り扱う場において、しつけやトレーニングなどの飼育相談にも対応できるような人材育成も行っています。
講師としての24年間、人間とペットが楽しく共存・共生すること、終生飼養していくことの大切さを学生たちに伝え続けている名取先生。「卒業後はしつけなどの指導者として、幅広い世代の飼い主様とコミュニケーションを取る仕事なので、在学中に技術者としてのプロ意識をしっかりと育んでもらうことが目標です」と語ります。1年次で動作の基本、犬の行動学などを習得。2年次になると実際に高齢者施設や児童施設などで動物介在訪問の実習活動を通じて理解を深めていき、動物福祉に貢献できる人材となることを目指します。
「動物が好き」という気持ちが将来の仕事となり、人間社会への貢献にもなる、とても魅力的な業界です。今後、セラピードッグはますます活躍し、動物福祉に関わる仕事も広がっていく社会になると思います。
専門:動物福祉学
動物福祉学科/セラピードッグハンドラー育成実習/上級愛玩動物飼養管理士・セラピードッグハンドラー、ドッグケアサポート代表/元北海道愛玩動物協会代表であり、札幌市動物愛護推進員も務めたスペシャリスト。現在も、家庭犬のドッグトレーナーとして現役活躍する傍ら、盲導犬候補の子犬と一定時期暮らすパピーウォーカーのボランティアも行っている。