私はこれまで血液学をはじめ、免疫学、病態栄養学について研究してきました。免疫学とは、生体の持つ免疫機能を解明する学問です。例えば、免疫細胞ががん治療に役立つことや老化に伴って起きる病気と免疫との関係性について研究します。病態栄養学は、疾患を栄養学的側面から究明する学問です。個体マウスに偏った栄養を与え続け、疾患の発生順序や栄養と病気の関係性について調査しました。
どちらの分野も、病気の診断や治療方法を見つけるために必要な学問で、病気の予防や健康寿命を延ばすことに貢献することができます。現在は研究から教育にシフト。これまで取り組んできた研究の経験を活かし、新しい技術にも対応できる臨床検査技師の養成に努めています。
医学の基礎「医学概論」から、「免疫学」、「病態栄養学」まで指導しています。2年生の「免疫学」の実習では、新型コロナウイルス感染症の抗体検査を学生自らを検体として行いました。感染歴やワクチンの接種回数などをアンケートで調査し、検査結果と照合すると、ワクチン接種を複数回行うほうが抗体の数が多く存在することが判明。検査精度の高さを実感できる学びになったそうです。身近な症例を例に挙げながら臨床検査の役割について説明し、学生たちの理解につなげる授業を展開しています。
技術の進歩に伴い、臨床検査の検査対象が増加し、多くの臨床検査技師が求められています。最新の設備も整備し、新たな検査にも対応できるようにしています。臨床検査技師に必要な知識、技術を一緒に学びましょう。
専門分野:免疫学、病理学、病態栄養学
名古屋大学医学部を卒業後、内科医を経て、血液内科の医員として勤務。その後、名古屋大学医学部で助教授として免疫学講座を担当する傍ら、ロンドン大学の主任研究員を務める。国立長寿医療研究センターの立ち上げ、名古屋大学大学院、名古屋女子大学家政学部食物栄養学科での教授経験を経て、修文大学へ。現在は臨床検査技師の養成に携わる。