私は西洋料理を専門に教えています。主にフランス料理とイタリア料理になります。日本料理とヨーロッパの料理の味付けの違いを考えて見ると、日本料理は概ね「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」で構成されているのに対して、ヨーロッパは素材の味を引き立てながら複雑に組み合わせることで他に類を見ない味付けになり、それがおいしさになります。これは日本人の私たちにはなかなか難しいことですぐに理解することはできません。だからこそ学校で西洋料理の歴史や風土など文化的背景を学び、それによって出来上がる料理の味付けを覚えることが必要なのです。西洋料理を本当に理解し自分で表現するには時間がかかります。学校で基礎的な部分を学び少しでも早く自分の料理でお客様を喜ばせましょう。
料理を作るには理論と技能が必要です。私たちの学校ではこの理論と技能を組み合わせて「技術」と呼んでいます。実際に料理を作る時には「調理工程」「おいしくなるポイント」「理想的な仕上がり」を頭に入れて取り組みます。言わば設計図のようなものでこれが理論的解釈となります。この設計図が自分の頭の中に描けているかが重要です。そしてその設計図通りに組み立てることが出来る技能を兼ね備えることです。「理論」と「技能」はどちらかが得意ではなくバランスよく学ぶ事が重要で、辻調ではそのバランスを意識した指導をしています。
高校生の皆さん!食の世界は、お客様と直接対話出来る仕事で人が喜ぶ姿が直に見れたり、おいしかったよと声をかけていただけたり働く喜びが実感でき、食を通じて「なりたい自分」になれる魅力的な世界です。
辻調理師専門学校卒業後、職員として勤務。
自分を高めながら、希望していたフランス校でも勤務。