私立大学の約9割に「独自の給付型奨学金」がある!

景気低迷が続くなか、高校生や保護者から注目度が高まっている奨学金。

 

利用者の多い日本学生支援機構の奨学金をはじめ、さまざまな団体・企業・自治体のものがある。

 

では、大学が独自に設ける奨学金制度の状況はどうなっているだろうか。全国の国公私立大学を対象に行った調査結果をみてみよう。

 

奨学金には返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」があるが、グラフ①は「給付型」奨学金の設置状況を表したもの。公立は4割弱と少なめだが、国立では7割を超え、私立では9割近い。

 

①大学独自の給付型奨学金の有無

 

その給付額に関する今後の方針がグラフ②だが、「(やや)増やす」という大学が、国立と私立で3割近くあり、いっそうの充実が期待できそうだ。

 

②大学独自の給付型奨学金の今後の給付総額

 

大学が奨学金制度を導入した目的(グラフ③)については、国公私立ともに「成績上位者を支援するため」との回答が最も多い。

 

③大学独自奨学金制度を導入した目的(複数回答)

 

その一例をあげると、神奈川大学の『給費生試験』は、合格すると入学金を除く初年度納入金の免除、学部によって年額100~120万円の給付(4年間)、さらには自宅外通学者には年間60万円の生活援助金の給付が受けられる。

 

また、こうした成績上位者以外にも、「教育理念に合う」「スポーツ・芸術分野等で優れた資質をもつ」といった多様な学生の支援が目的とされている。

 

さらに最近の動きとしては、経済的な負担が大きい「地方出身の学生」を支援する奨学金の導入も目立つ。例えば早稲田大学の『めざせ!都の西北奨学金』や慶応義塾大学の『学問のすゝめ奨学金』などは、首都圏以外の地域の出身者を対象に給付を行うものだ。

 

このように各大学はさまざまな奨学金制度を整えている。受験生を対象にしたものは、すでに申請受付が始まっているものもあるので、志望校検討の際には奨学金制度も忘れずチェックしておこう。

 

※各奨学金の申請資格や採用基準などの詳細については各大学の資料等でご確認ください

 

出典:「奨学金制度に関する学長調査」(リクルート『カレッジマネジメント』と文部科学省科学研究費「教育費負担と学生に対する経済的支援のあり方に関する実証研究」の共同プロジェクト) ※有効回答数:497